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かつて世界席巻の国内PC勢、世界シェアほぼ0%でひたすら売却先探す瀕死状態
http://biz-journal.jp/2016/10/post_16901.html
2016.10.14 文=編集部 Business Journal
10月6日の東京株式市場。富士通の株価は前日比46.5円(8.6%)高の584.7円まで上昇し、1月13日以来およそ9カ月ぶりの高値を付けた。同月6日付の各紙が「中国レノボ・グループが富士通のパソコン事業を傘下に収める方針を固めた」と報じたからだ。採算が悪化しているパソコン事業を切り離すことで、利益改善につながると期待した買いが集まった。
富士通は不振のパソコン事業を立て直すため、世界最大手の中国レノボ・グループと合弁会社をつくって事業を統合する。合弁会社はレノボ側が過半を出資。富士通のブランド「FMV」を生産し、福島、島根両県の工場や従業員の雇用は維持する考え。早ければ同月内の合意を目指すという。
レノボは2005年に米IBMのパソコン事業を買収し、中国から世界市場に打って出た。11年にNECと合弁会社のNECレノボを設立し、日本に進出した。15年の国内出荷台数のシェアはNECレノボが27.1%で首位。2位が富士通の17.2%、3位が東芝の13.1%(MM総研調べ)。富士通のパソコン事業を傘下に収めると、単純計算で日本市場の44.3%をレノボ・グループが握ることになる。
■東芝、富士通、VAIOの3社のパソコン統合交渉が決裂
今年4月、東芝、富士通、ソニーから独立したVAIOの3社によるパソコン事業の統合交渉が決裂した。パソコン3社統合の話は昨年末頃から交渉が本格化。当初は今年2月の基本合意を目指していたが、交渉が難航し当面の期限を6月に延長して交渉を続けてきた。
VAIOの親会社である投資ファンド、日本産業パートナーズ(JIP)を中心として、東芝、富士通も出資する持ち株会社の傘下に3社の事業会社を置き、それぞれのブランドは維持する線で検討されてきた。
3社統合が実現すれば、国内シェアはNECレノボを抜いて首位になると期待されていたが、各社が持つ生産拠点の統廃合などについて妥協が成立しなかった。また、統合後の人員削減などの協議も難航した。スマートフォン(スマホ)の普及で、今後もパソコンの需要は大きく伸びないことが予想され、数年間は統合効果でひと息つけたとしても、その後の成長戦略を描けなかったのが要因だ。
「成長戦略の検討結果などを踏まえてJIPが離脱の意向を示したとみられる。東芝や富士通は不振のパソコン事業の切り離しを模索していたが、持ち株会社の株式の大半を持つ予定だったJIPが手を引いたことで交渉が行き詰まった模様だ」(4月18日付朝日新聞電子版)
富士通はパソコン事業をJIPに押しつけて逃げ切りをはかったが、これが頓挫したかたちだ。
■富士通はITサービス事業に注力
富士通は15年10月に発表した経営計画でIT(情報技術)サービス事業に注力する方針を明確にした。非中核と位置づけたパソコン事業は今年2月に分社、連結決算から切り離す準備を整えた。
富士通にとってパソコン事業の分離はここ4〜5年、経営上の懸案だった。前述のように富士通のパソコンの15年の国内出荷台数シェアは2位だが、世界シェアは1%台。国内シェアも14年比で2.1ポイント下がった。
16年3月期のパソコン・携帯電話事業の売り上げは前期比8%減の6513億円だが、部門営業利益は開示していない。日本経済新聞は「15年度(16年3月期)のパソコン事業は100億円超の赤字だった」と報じている。
16年4〜6月期のパソコン・携帯電話事業の売上高は1259億円で前年同期に比べて17%減少した。競争力を失ったパソコン事業の売却・統合は待ったなしだった。
富士通は、前述の東芝・VAIOとの3社統合が破談した後に米HPとも交渉したが、徹底的に合理化を求める相手との溝は埋まらなかった。最後にたどり着いたのが、レノボへのパソコン事業の売却だった。
■日本勢は撤退・売却が相次ぐ
かつて日本メーカーは世界のパソコン市場を席巻していた。
東芝が世界で初めて発売したノートパソコンの「ダイナブック」は、94年から7年連続でノートパソコン市場の世界首位だった。
一方、国内ではNECが圧倒的なシェアを誇っていた。
しかし2000年代になると、中国や台湾に製造委託した低価格パソコンが主流になった。15年の世界シェアは中国レノボが20.7%、米HPが19.4%、米デルが14.1%、米アップルが7.5%、台湾のエイサーが7.1%(米IDC調査)。上位5社で市場の7割近くを占めた。米国勢も生産は中国や台湾に任せている。
さらに、スマホやタブレット端末の登場でパソコン市場そのものが縮小。15年の世界出荷台数は、前年比10%減の2.7億万台で7年ぶりに3億台を割り込んだ。
この間、日本勢のパソコン事業からの撤退が相次いだ。カシオ計算機、キヤノン、京セラ、日立製作所、三洋電機、シャープ、パイオニア、三菱電機などが撤退。国内トップシェアのNECは11年に中国レノボと合弁会社を設立。ソニーは14年パソコン事業を切り離し、投資ファンドの日本産業パートナーズが大株主となってVAIOを継承。富士通は分社化し、レノボの傘下に入る。
残るは東芝だが、すでに分社化しており、もはやどこに売却するかを探すだけの状況だ。東芝が外資系にパソコン事業を売却すれば、日本のパソコン市場は9割を外資系が占めることになる。
(文=編集部)
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