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アマゾン Alexaのシステム概要図。2016年1月の米ラスベガスCESのフォード社ブースにて筆者撮影
クルマと家が一体化、H2Vは地に足のついた開発を 「家」が電気とデータの集積地に
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48083
2016.10.11 桃田 健史 JBpress
クルマと家との間で電気や情報を双方向でやり取りすることを「V2H」(ヴィークル・トゥ・ホーム)と呼ぶ(狭義では「クルマが発電して蓄えた電気を家に送る」ことを指すが、ここでは情報のやり取りも含めたもっと大きなシステムを指す言葉として使う)。
V2Hは、2000年代初めから中頃にかけて、再生可能エネルギーを活用した新しい電力網「スマートグリッド」構想が華やかだった頃によく聞かれた言葉だ。だがその後、日本では、東日本大震災の影響や、電気自動車(EV)のブームが去ったことで、最近はあまり耳にすることがなくなった。
■フォード車がアマゾン「Alexa」を搭載
そうした中、アメリカでは「新たなるV2H」が目立つようになってきた。これまでのV2Hとの大きな違いは、「家」がデータ集積の拠点になるという点である。
その代表的な事例が、フォード・モーターとアマゾン・ドット・コムの提携だ。フォードは、アマゾンの「Alexa」(アレクサ:AIを使うアマゾンの音声アシスタントサービス)を搭載したクルマを年内に量産化する計画だという。
フォードとアマゾンは、今年1月にラスベガスで開催された世界最大級の消費者向け電機製品の見本市「CES2016」でその技術の概要を公開した。
現地でのフォード担当者の話によると、フォード車の中にアマゾンの音声認識機器である「Amazon Echo」(アマゾン・エコー)を設置する。乗員はAmazon Echoを介して音声で家の中の電機製品の電源のオン・オフや、音量、光量などの調整、そしてメールやSNSとの連携などを行うことができるという。
一方、家の中からクルマを操作することもできる。クルマのカギの開け閉めをしたり、冬場にはクルマのエンジンを始動させて車内を暖めたりすることが可能だ。
■クラウドに吸い上げられる車と家の情報
このようなAlexaの活用で筆者が気になったのが、背後にあるクラウドの存在だ。
フォードが目指すのは、クルマの走行状態や運転者の行動実態をはじめ顧客の生活全般におけるデータを「V2H」という形で吸収し、そのビッグデータをクラウド上で蓄積・解析することだ。
フォードは車載器に関するプラットフォームとして、マイクロソフトと共同で「SYNC」(シンク)を開発した。音声操作が可能な車載情報システムとして、現在フォードの各車種に搭載されている。SYNCはマイクロソフトのクラウドサービス「Azure」(アジュール)につながっている。
一方、Alexaはアマゾンのクラウドサービス「AWS」 (アマゾン・ウェブ・サービス)につながる。どのように整合性を取るのかフォードのAlexa担当者に尋ねると、「あなたのご指摘の通り、AzureとAWSが連携することになる」と答えた。
日系自動車メーカーの場合、トヨタがAzureを活用して車内のデータを蓄積・解析している。だが、フォードのように、クルマ以外の分野も含めた総括的なIoT戦略、ビッグデータ戦略についての動きは聞こえてこない
ただしトヨタとフォードは、車載器とスマートフォンとの連携プラットフォームなど、クルマとITの融合分野で協調を強めている。今後、もしかしたらトヨタがAlexaを使ったサービスでフォードと手を組む可能性は考えられる。
■テスラは太陽光発電ベンチャーを買収
米国でフォード以外に新たなV2H構想として注目されるのが、米テスラモーターズの太陽光発電電力網との連携だ。
テスラは2015年、家庭に設置する定置用リチウムイオン蓄電池「Powerwall(パワーウォール)の事業構想を公開。そして2016年8月には、太陽光発電のベンチャー企業「SolarCity」(ソーラーシティ)を買収した。
テスラは電気自動車(EV)の販売が軌道に乗り、次の一歩に踏み出そうとしている。アメリカでセダンタイプの「モデルS」と、その派生車「モデルX」の販売は順調だ。低価格帯の普及型「モデル3」も、すでに40万台程度の先行受注がある。簡易自動運転システム「オートパイロット」が死亡事故を起こし、販売への悪影響が懸念されたが、販売台数を一気に押し下げるほどのインパクトはなかったようだ。
こうしてテスラの車両がアメリカ全土に広がる中、同社は充電インフラの「SuperCharger」(スーパーチャージャー)だけでなく、家を基点として太陽光発電とクルマをつなぐ電力網、情報網を構築しようとしている。
マイクロソフトやアマゾンと提携するフォードと比べて、太陽光発電ベンチャーを買収するテスラの試みは“今さらか”と思われるかもしれない。だが、テスラの戦略は時流にかなっている。人工知能や音声認識を使った「新しいV2H」は、電動車両と家の間で電気をやり取りする「従来型のV2H」との融合が必須だからだ。
ホンダは10月7日より、量産モデルの燃料電池車「クラリティ フューエル セル」から家庭に電力を供給するV2Hの実証実験を北九州市エコハウスで開始した。今後、クルマのIoT化が進む中、日系自動車メーカーはぜひとも地に足のついたV2H構築を進めてもらいたいものだ。
北九州市エコハウスとクラリティ フューエル セル(写真:ホンダ)
ホンダの超小型モビリティ「MC-β」とスマートホームの連携。埼玉県内のホンダ関連施設にて筆者撮影
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