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スーパーの豚肉、なぜスカスカしてまずい?おいしい肉の「究極の」選び方!
http://biz-journal.jp/2016/10/post_16866.html
2016.10.10 文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表 Business Journal
高級な鮨店に行くと、たとえば「マグロ」と注文した場合、マグロのさくから鮨用の大きさに切って、すぐに握ってくれます。安い回転寿司店に行くと、新鮮なネタでも事前に切ってあり、輸入しているネタは、現地ですでに鮨用の大きさに加工されて、凍結状態で運ばれてきています。
マグロなどを切っておくと、赤い汁が出てきます。この赤い汁はドリップといって、うまみの元です。高級鮨店で切り立てを使用するのは、うまみが外に出る前にお客の口に入るように考えている結果なのです。
高級しゃぶしゃぶ店でも、お客の注文を受けてから肉をスライスします。肉からのドリップが出る前に、おいしく肉を食べてもらう工夫なのです。
おいしいとんかつを家庭でつくりたいときには、ロース、ヒレなど好みの部位を少し厚めに切ってもらい、筋を切って揚げるととてもおいしくできます。
一部のスーパーマーケットでは、精肉担当者が常駐しておらず、スライスした状態でパックされたものを仕入れて販売しています。豚肉は、スライスしておいしさの源であるドリップが流出してしまうと、スカスカした味になってしまいます。パックの表示を確認し、どこでスライスしたものかを確認して購入することが大切です。
おいしい豚肉というと、「黒豚」を思い浮かべる人も多いと思います。地方に行くと、その土地ごとにさまざまな銘柄の豚肉が売られています。一方で、通信販売などで銘柄豚の鍋セットを購入しても、あまりおいしくないと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。おいしくないと感じた肉は、凍結されて運ばれてきていませんでしたか。
おいしい豚肉の一番の条件は、「一度も凍結されていない豚肉」です。チルド(摂氏0度前後の凍結しない程度)の豚肉は、国産だけでなく、アメリカ、カナダ、台湾などからもチルドの状態で輸入されています。おいしいとんかつ店の豚肉は、輸入されたチルド豚肉を使用していることが多いようです。
■目の前で加工してもらうのが理想
部位を選ぶことも重要です。クセのない柔らかいヒレ肉、とんかつに最適なロース肉、ショウガ焼きに向く肩ロース、赤身が好きならもも肉、脂身が好きならバラ肉がお勧めです。
また、挽肉を購入するときには、使用している原料の豚肉に注意が必要です。挽肉が獣くさいと感じた時には、豚肉用の豚の母親の豚、父親の豚を使用している可能性があります。親豚(大貫豚)は肉の色が濃いため、挽肉の原料に使用されています。色はいいのですが、長期間飼育しているため獣臭がする場合があるのです。
おいしいハンバーグ、餃子などをつくりたいときには、塊で販売している、もも、バラなどの部位を、その場で挽肉にしてもらいます。東京・銀座の老舗のハンバーグ店は、一日に何度も挽肉を挽き、何度もハンバーグのタネを混ぜています。そして、加工した時間を店頭に表示しているのです。挽肉は挽いてから時間がたつと酸化し、ドリップも出てしまい、おいしさが失われてしまいます。肉の塊から挽いた後は、素早く加工調理することが大切なのです。
精肉担当者が常駐していないスーパーしか近所にない場合は、「お客様の声」などに毎日投稿することをお勧めします。近隣のスーパーで買い物を続けないと、スーパー自体がなくなってしまい、買い物難民になってしまう可能性が出てきます。近くのスーパーの考え方を変えさせることが、買い物難民にならない道なのです。
(文=河岸宏和/食品安全教育研究所代表)
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