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10月4日、ロイターの分析によると、中国企業は業績が低迷する一方で借り入れが膨らみ、今年上半期には利益が少なすぎて債務が返済できない企業が全体の4分の1程度に上った。写真は北京の銀行前に掲げられた中国旗。1月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
負債に苦しむ中国企業、当局の指示で銀行は返済猶予
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-5990.php
2016年10月8日(土)12時54分 ニューズウィーク
ロイターの分析によると、中国企業は業績が低迷する一方で借り入れが膨らみ、今年上半期には利益が少なすぎて債務が返済できない企業が全体の4分の1程度に上った。しかし銀行は実体経済を支えるよう求める政府の意向を受けて、負債を抱えた企業に返済の延期や免除を与えている。
中国企業の今年上半期の利益伸び率(中央値)は、本土上場527社がマイナス0.8%、香港上場93社がプラス0.3%だった。
一方、本土と香港の両方で負債は過去最高水準に達した。香港上場93社は経常利益に対する債務返済能力が過去5年間に低下の一途とたどった。約半数の企業は営業利益が利払いの3倍を下回ってバランスシートが不健全な状態で、4分の1は利払いが賄えなかった。
政府は企業を低コストの融資から引き離す必要があると認めるが、一方で李克強首相は企業への信用供与を増やし続けると約束しており、国有銀行は中小企業への支援を進めている。
法律専門家や投資家によると、銀行は金利を払っていない企業が申し入れた3年から4年の返済猶予の要請を受け入れ、全面的な債務再構築を手助けし、返済を事実上先送りしているという。
CLSAの中国ストラテジーヘッドのフランシス・チュン氏は「李首相は特に中小企業向けの融資について銀行に返済先送りを認めるよう求めている。社債の返済不履行が減っているのはそのためだ」と指摘。銀行の重点は不良債権の特定から景気下支えに移ったと説明した。
ゴールドマン・サックスが先に公表した推計によると、この3カ月間の中国債券市場でのデフォルトはわずか1件で、上半期の10件から大幅に減った。信用リスクの急激な悪化を考えれば、デフォルトの少なさは「異常」だという。
当の企業は負債が積み上がっているにもかかわらず、借り入れの拡大に支障を感じておらず、とりわけ海外での事業買収絡みの融資でその傾向が強い。
香港上場の大手国有企業の幹部は、社債での資金調達は難しくなっているが融資については明るい見通しを持っていると述べた。この企業は利益で利払いをカバーできない状態だが、「市場の流動性は潤沢で、金利は低い。銀行からの借り入れに問題はない」という。
業績の悪い企業が過大な負債の返済先送りを認められている状況から、中国は一過性の危機ではなく日本型の長期景気低迷に入る可能性もある。PIMCOの新興国市場ポートフォリオマネジャー、ローランド・ミース氏は中国が「目先の安定のために問題を先送りしている」と述べた。
(Umesh Desai記者)
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