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アングル:ドイツポストの配送用EV生産、自動車業界に風
[フランクフルト 6日 ロイター] - 郵便・物流大手ドイツポスト(DPWGn.DE)が自社で配送用電気自動車(EV)を静かに設計・生産している。傘下の自動車生産部門であるストリートスクーターがこのEVの開発を手掛けている。
ドイツポストは今のところこのEVを、電子商取引の広がりを背景に拡大する配送需要に対応するため、従来使用していたドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)の配送用バンから切り替える形で導入している。
製造ソフトウエアの進歩により、ドイツポストやグーグルのほか新興企業が、何千人ものエンジニアを雇ったり、数十億ドルの設備投資を行わなくても、サプライヤーのネットワークを利用して新たな車両を設計してテストすることが可能になった。
2008−09年の金融危機以降、従来の製造業者がコスト削減のため研究開発を外注し始めてから、こうしたサプライヤーのネットワークを通した技術的・工学的ノウハウが発展を遂げている。
現在は車1台の部品の80%をサプライヤーが生産している。この割合は1980年代は約56%だった。これによって作り出された製造システムを新規参入企業が利用しており、米グーグル(GOOGL.O)もこれにより自動運転車の開発を行っている。
ドイツポストによると、自動車メーカーにEV生産を要請したが、生産台数が業界の水準からすれば少ないとの理由で断られたのでこのやり方でEVを生産することになったという。
ストリートスクーターの事業開発責任者、ウィン・ナイトリンガー氏はロイターに対し「われわれは意図的に新たに車を考案しているわけではない。自社では部品一つ生産していない。すべてサプライヤーから調達している」と説明した。
ドイツポストは既にこのEV1000台を稼働させており、生産台数を年間5000台に引き上げている。
ストリートスクーターは米PTC(PTC.O)が開発したソフトウエア「ウインドチル」を導入し、サプライヤー80社のネットワークを利用している。このネットワークから独ボッシュ[ROBG.UL]の電気動力伝達装置や独ヘラ(HLE.DE)のヘッドライトを調達した。
ウインドチルは自動車関連メーカー上位50社の90%が使用。使用料はユーザー1人当たり年間300─1000ユーロ(330─1120ドル)で、ユーザーには独コンチネンタル(CONG.DE)やZF[ZFF.UL]、VW、アウディ(NSUG.DE)、マン(MANG.DE)、韓国の現代自動車(005380.KS)、イタリアのフェラーリ(RACE.MI)などが名を連ねている。
PTCの事業開発責任者、ドミニク・ルーチャート氏はソフトウエアシステムがより利用しやすくなっていると指摘。従来、巨額を投じて自前の開発プログラムを作ってきた自動車メーカーがより標準的なシステムに切り替え始めたことで、サプライヤーのネットワークが広がっているという。
EVは燃焼エンジン車と比べると設計がずっとシンプルで、組立に10分の1程度の人員しか必要としないため、生産コストを大幅に削減できる。
ドイツポストは配送用EVを市販するかどうか年内に決定する。
一方、ドイツポストによって配送用バン「キャディ」をストリートスクーターに徐々に置き換えられているVWは面白くない。マティアス・ミュラー最高経営責任者(CEO)は「非常に困惑している。なぜドイツポストがVW商用車部門に同じようなプロジェクトについて話を持ちかけなかったのかと自問している」と語った。
ドイツポストは自動車業界の欠点を露呈させたとアナリストらは指摘する。会計監査大手プライスウォーターハウスクーパース(PWC)のクリストファー・スターマー氏は「ドイツポストは、従来の自動車メーカーが自分たちのプロセスにあまりにも骨抜きにされているため見つけられなかった新たなセグメントを切り開いた」との見解を示した。
ドイツポストは先月ストリートスクーターの新型車「ワークL」を発表。小包最大150個、総重量1000キログラムを運搬できる。
ドイツポスト取締役のユルゲン・ゲルデス氏は、商業的理由からワークLの価格は明らかにしないが、「開発と生産に巨額な費用はかからなかった。その安さに耳を疑うだろう」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/german-post-idJPKCN127090?sp=true
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