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自動車のIT化は急ピッチで進む。写真は米ウーバーが試験サービスを始めた米フォード・モーター製の自動運転車〔AFPBB News〕
自動車メーカーとアマゾンがタッグ AIアシスタントを使って車内から家電を操作
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48071
2016.10.6 小久保 重信 JBpress
英ロイター通信や米テックタイムズなどの海外の報道によると、まもなくして米フォード・モーターの特定の車種で、米アマゾン・ドットコムの音声アシスタントサービスが利用できるようになるという。
これに関し両社は現在、サービスの最終試験を行っており、年内にもサービスが開始される見通しという。
■家の中から車を操作
AI(人工知能)を使うアマゾンの音声アシスタントサービス「Alexa」は、同社が米国や欧州で販売するスピーカー型アシスタント機器「Amazon Echo」シリーズや、映像配信端末「Fire TV」シリーズ、タブレット端末「Fire Tablet」などで利用できる。
これらの機器では音声命令でアマゾンへの商品注文が行えるほか、音楽を流したり、電子書籍を朗読させたり、単語を調べたり、家電を操作したりすることができる。
フォードとの提携では、まず電気自動車(EV)「フォーカス・エレクトリック」、プラグインハイブリッド車「フュージョン・エナジー」と「C-Maxエナジー」の3車種でAlexaが利用できるようになる。
これらの車のハンドル部分にある音声認識ボタンを押し、Alexaに命令すると、家の室温設定やホームセキュリティーシステムの確認、ガレージや玄関ポーチなど家の周辺の照明点灯などが行えるという。
もちろんAmazon Echoに命令するのと同様に、車内でショッピングリストに商品を追加したり、天気予報を聞いたり、予定を確認したりすることもできる。
一方で、家の中から車を操作することも可能で、その場合はAmazon Echoに命令して、車のエンジンをかけたり、ドアの鍵を開けたりすることができるという。
■来年には他の車種にも拡大
フォードとアマゾンは今年1月に米ラスベガスで開催された家電製品の見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で提携を発表。
スマートカーとスマートホームを連携させる取り組みを始めるとし、「SYNC」と呼ばれるフォードの音声操作システムとAlexaを融合させることで、家の中から、エンジンを始動・停止したり、車のドアを施錠・解錠したり、燃料の残量やその残量で走行可能な距離を調べたりすることができるようになると説明していた。
だがその後は両社からの発表はなく、このほどカリフォルニア州パロアルトにあるフォードの「研究・技術革新センター」でロイターがデモを披露され、具体的な説明も受けたという。
それによると、フォードは車の中から利用できるAlexaのサービスや機能の一部を当初の3車種だけでなく、来年初頭から順次、ほかの車種にも広げていくという。
■ヒュンダイやBMWもアマゾンと提携
あらゆるモノをインターネットにつなげ、これまで不可能だった新技術やサービスを実現しようとするIoTが注目を浴びる中、オートメーカーは、スマートフォンの便利さに対抗すべく、車内の顧客満足体験を高めようとしていると、ロイターは伝えている。
こうした動きはほかのメーカーにも広がっている。
例えば韓国ヒュンダイモーターの高級ブランド、Genesisも今年8月、アマゾンと提携すると発表した。これによりGenesisの「G80」「G90」モデルでは、家の中からエンジンをスタートさせたり、カーエアコンのスイッチを入れたり、ドアの鍵を開けたりすることができるようになるという。
またドイツBMWグループもアマゾンとの提携を発表している。
こちらは自社の新たなクラウドサービス「BMW Connected」の一環としてAlexaを導入する。BMWの車には年内にもAlexaの機能が備わる見通しだと伝えられている(米フォーチュンの記事)。
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