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直接対決の第1ラウンドを終えたクリントン氏(右)とトランプ氏(ロイター)
【お金は知っている】どうみても泥縄式な日銀の金融政策 黒田総裁は米大統領選に対抗する気なし?
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20160930/ecn1609301550001-n1.htm
2016.09.30 夕刊フジ
11月の米大統領選を控え、日本時間27日午前に行われた民主党のヒラリー・クリントン、共和党のドナルド・トランプ両候補の討論会で、「クリントン優位」が市場に伝わると、一時的にドルが買われ、円が売られた。
「トランプ大統領」になれば市場が大混乱するとの懸念が少し薄らいだためだが、それでも円高の地合いは強い。両候補とも「ドル安推進」路線では共通しているからだ。
日本の財務省は、ワシントンが何と言おうと、投機による急激な相場変動には断固とした態度を示してもよさそうなものだが、年初来の円高に対し、円売り・ドル買い介入で対抗しなかった。円の対ドル相場は1月末の120円前後から7月初旬に100円台まで上昇し、今では100円ラインを突破しかねない情勢だ。大手企業の想定レートは110〜115円だから、100円水準はかなりの収益圧迫要因になる。
通貨高は輸入コストを減らすのだから、歓迎する向きもある。しかし、それ以上にデフレ圧力が加わる。日本の輸出は国内総生産(GDP)の約17%とさほど大きくはないのだが、自動車など輸出産業の国内経済全体への波及効果が大きい。輸出の対GDP比率が13%程度の米国でもドル高を危険と見なし、上記のように大統領候補が最も気にする。日本では円高に伴う輸出企業の収益減は関連産業を巻き込み、産業界全体の賃金を押し下げるというのが、これまでの20年デフレだった。
日銀の異次元緩和はその点、当初は円安誘導に成功した。国債を大量に買い上げる金融の量的拡大を通じて金利を下げたからだ。だが、円安傾向は2015年6月で止まった。14年4月からの消費税増税の影響で物価が下がるデフレ再燃のために金利からインフレ率を差し引いた実質金利がマイナスからプラスに転じた。
対照的に、米国の実質金利が急下降しており、円買い・ドル売りを招いた。日銀はそこで今年2月にマイナス金利政策に踏み切ったのだが、円高基調を変えられない。日米金利差の縮小傾向は止まらないからだ。
日銀が21日の政策決定会合で打ち出した「長短金利操作付き異次元金融緩和」の真の狙いは円高阻止にあるはずなのだが、当面は一層の円高に振れさせかねない。
新政策は、マイナス金利をさらに拡大すれば、日米金利差を拡大できるので、円安効果が期待できるのだが、日銀は短期のマイナス金利については現状維持、長期のマイナス金利をゼロに押し戻すという。長期国債などで運用する銀行や生命保険業界はマイナス長期金利だと損失リスクが高まるとして反発してきた。日銀はそんな金融界をなだめるのに頭がいっぱいだったようだ。
黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は円高進行に驚き、あわててマイナス金利の拡大を躊躇(ちゅうちょ)しない、と言い出した。だが、どうみても泥縄式だ。米大統領選という円高圧力に対抗するという意思が黒田氏からは伝わってこない。さっさとマイナス金利を深掘りしてはどうか。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
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