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「10月暴落説」私はこう見る〜相場歴55年の観点から思うこと=山崎和邦
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2016年9月29日 MONEY VOICE
日刊ゲンダイが、10月の暴落を予感させる悪材料を紹介している。1つ1つの材料は事実ではある。ではいつ起こるのか?本稿では巷の弱気論、強気論も踏まえて検証を試みる。(山崎和邦)
※本記事は、有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』(罫線・資料付)*相場を読み解く【号外・山崎動画】も配信』2016年9月25日号の一部抜粋です。バックナンバー含め今月分すべて無料の定期購読はこちらからどうぞ。
強気と弱気が交錯する株式相場、1つのメドは14,864円に?
■10月暴落説の背景
先週号のメルマガ「(1)当面の市況 その1」で、裁定商内の買い残がリーマショック以来の低レベルとなり、売り残玉と買い残玉が、98年アジア金融危機以来18年ぶりに逆転した旨を述べ、投資家心理の冷え込みについて触れた。
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それと同じことを根拠として、『日刊ゲンダイ』が、10月の暴落を予感させる悪材料を紹介している。
中身は何のことはない。前述の18年ぶりの逆転現象と、これも本稿が何度も述べてきた「1円違いのダブルボトム」つまり2月の14,866円と6月の14,865円、この「1円違いのダブルボトム」を取り上げ、これをもって、2月、6月、10月と4カ月周期で株価暴落がやってくるという周期説を展開している。
市場は過去を記憶して動くと本稿で何回も述べたが、その伝によれば、1929年「魔の木曜日」も10月であり、1987年「ブラックマンデー」も10月下旬であった。
また『日刊ゲンダイ』では、4カ月周期説の他に、以下についても述べている。これはもっともであり、本稿でも述べたことがある。
それは、ドルベースで見る限り、日経平均はかなり高いところに来ている、ということだ。ドルがこの半年で約20%下落したから、ドルベースで見た日経平均は約20%上の段階になる。つまり2万円近くの感覚だ。
NYダウは年初から7.7%上昇したが、ドルベースで見た日経平均は8%を超える上昇となっている。 9月下旬は日米ともに金融政策決定会合を控えているので動きにくい。海外投資家は11月のヘッジファンド決算に備えて「45日ルール」に従って10月に売る――
以上が『日刊ゲンダイ』が大々的に報じている10月暴落説の内容である。
1つ1つは事実ではある。ではいつか?
1987年10月 ブッラクマンデー時の推移
米雇用統計が発表される10月7日、または、イエレン議長の発言が予想される14日あたりであろうか。 2月と6月を考えると、14,864円が1つのメドにはなる。日刊ゲンダイを待つまでもない、日本市場は海外要因で崩壊する危険性は常に持っている。
■一方の日本株底入れ説をどう見るか?「19,000円まで上昇」強気論も
SMBC日興証券株式会社 株式調査部 チーフテクニカル・アナリストの吉野豊氏は、専らチャート面からこう言う。
4月の高値17,572円を抜くと新たな上昇波動入りが確認され、年末までに19,000円あたりまで上昇する可能性がある、とする。
この言い方は、本稿が言うところの「昨年6月が大天井だった」ということを認めていることになる。中間反騰だとは言っていないが、中間反騰だということを是認した上での言い分である。テクニカル上はそうなると言う。果たしてそうだろうか。
本稿では既述したとおり、テクニカル上は、ブレグジット前の値に対してその後の下げ幅を足した17,700円前後に注目している。所謂「中抜きの倍返し」がせいぜいであり、これが4月高値とのダブルトップを形成するという見方である。
■米国株はどうなるか?
昨年12月に続く2回目の米利上げの時期について、見方が錯綜している。
NYダウの18000ドル水準は分岐点に
NYダウは7月20日の18622ドル、8月15日の18668ドル、これを以てWトップ形成の可能性もある。
■野村證券の米国株高予想をどう見るか?
色々な人が様々言う中で、野村證券は「次回利上げは本年12月で、来年については6月に1回だけ」と予想している。
もともと今年9月の利上げの可能性は低かった。 NY株価よりも米国株式全体を表すS&P500指数は7月から8月にかけて史上最高値で推移していた。NYダウも市場最高値近辺で持ち合ってきた。しかし最近では、金融政策の動向に対して神経質な展開になっている。
“万年強気の野村證券”では、米国株は来年以降は業績拡大を支えにして上昇すると述べている。本稿で何度も言う通り、大手証券は社員が投資信託を売って歩く。そのために、常に見通しは明るくなければならない。と言っても、まんざらデタラメを言っているわけはなく、それは、それなりの根拠を探してきて述べているのは事実である。
そこで、その根拠となる数字については100%信用してよいであろうが、これを組み立ててつくる相場観については必ずしも信用しない、というのが筆者の昔からのスタンスである。
誰が何を述べようとも自由であり、信じようと信じまいと自由である。ここが市場の面白いところでもあり、難しいところでもあると言えよう。
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山崎和邦(やまざきかずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。
大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3〜5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)、近著3刷重版「賢者の投資、愚者の投資」(日本実業出版)等。
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