http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/711.html
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焦点:
「5月売り逃げ」戦略実らず、堅調さ保つ世界株市場
[ロンドン 28日 ロイター] - 株式市場で今年「5月に売り逃げろ」という格言に従った投資家は後悔しているだろう。相場が第3・四半期中に新興国、日本、ユーロ圏でいずれも上昇し、米国でも底堅さを保ったためだ。
第3・四半期のドル建てでみた主要株価指数の上昇率は日本と新興国が10%弱、ユーロ圏が6%弱で米国は3%。6月の英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことで各国中銀の金融緩和は長引くとの見方が広がり、投資家が株式など高リスク・高利回り資産に殺到した。
イングランド銀行(英中央銀行)はEU離脱派勝利を受けて政策金利を過去最低に引き下げ、量的緩和を拡大。米連邦準備理事会(FRB)は利上げを見送って日銀は金融政策の新たな枠組みを打ち出し、欧州中央銀行(ECB)も一段と緩和を強める公算が大きい。
株式市場のボラティリティの低下は株価上昇に道を開いた。第3・四半期中は債券市場のボラティリティも小さかった。
ロベコ・インベストメント・ソリューションズの最高投資責任者(CIO)のルーカス・ダールダー氏は「第3・四半期は極めて落ち着いていた。やや異常な印象だ。この流れが続くと予想することはできない」と述べた。
第3・四半期は高利回り債も好調で、約5%上昇した。利回りの追及が困難さを増し、投資家はより流動性が薄く、よいリスクが高い資産へと向かわざるを得なかった。
第4・四半期にはボラティリティがかなり大きくなるかもしれない。世界的に経済が悪化し、企業業績は低迷、11月の米大統領選を巡り政治的な不透明感も高まっているためだ。
HSBCのアセットアロケーションチームは今月初め、警戒感が高まっているなどとして、ポートフォリオにおける現金の比率を0%から17%へと大幅に引き上げた。
(Jamie McGeever記者)
http://jp.reuters.com/article/sell-in-may-not-this-year-idJPKCN11Z0BH
日経平均は大幅反発、原油減産合意受けた米国株上昇を好感
[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅反発した。原油相場の急伸を受けた米国株高で、投資家の過度な不安心理が後退。序盤から幅広く買いが優勢の展開となった。1ドル101円台後半までドル高/円安方向に振れた為替も支援材料となった。
日経平均は後場に先物主導で強含み、前日比で一時291円高となる場面があったが、大引けにかけて伸び悩んだ。
石油輸出国機構(OPEC)での減産合意を受け、米国市場でエネルギー関連株が買われたことを背景に、業種別指数の鉱業.IMING.Tが一時7%超高。また鉄鋼.ISTEL.Tが一時4%近く上昇するなど、資源関連の上げが顕著となった。
欧州市場でドイツ銀行(DBKGn.DE)の株価が持ち直しの動きをみせたことも、市場心理の改善につながった。日経平均ボラティリティ指数.JNIVは取引時間中としては3営業日ぶりに20ポイントを下回っている。
ただ、原油相場が上昇基調を続けるかはなお懐疑的な見方もあり、「きょうの株高を見てトレンドが転換したとは見込みにくい」(国内証券)との声も聞かれた。
野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジストの小高貴久氏は「商品市況の上昇に対し、きょうの日本株は好反応をみせた。だが、原油高に持続性があるかについては、まだ見極めなければならない」と指摘。日米の経済指標や米企業決算に市場の関心が移る中、「日米金利差による為替の変動が日本株の決定要因としてのウェートが高まっているのは否めない」との見方も示し、米金利動向を引き続き注視する必要があるとしている。
個別銘柄では、トクヤマ(4043.T)が大幅続伸。28日、太陽電池材料である多結晶シリコンの製造販売を手掛けるマレーシア子会社を売却すると発表し、材料視された。ミネベア(6479.T)との資本業務提携を発表した岩崎電気(6924.T)は、後場に急伸した。
半面、東京個別指導学院(4745.T)が反落。28日に発表した2017年2月期業績予想の下方修正を嫌気した。売上高は中間期の段階で予想を下回る見込みとなったほか、新規開校をはじめとした設備投資などで、利益が下振れる見通しとなったという。
東証1部騰落数は、値上がり1370銘柄に対し、値下がりが521銘柄、変わらずが87銘柄だった。
日経平均.N225
終値 16693.71 +228.31
寄り付き 16606.30
安値/高値 16584.14─16756.43
TOPIX.TOPX
終値 1343.25 +12.48
寄り付き 1340.62
安値/高値 1337.81─1347.93
東証出来高(万株) 176092
東証売買代金(億円) 18789.02
(長田善行)
http://jp.reuters.com/article/nikkei-surge-idJPKCN11Z0JN
ドル/円じり高、OPEC減産合意でリスク選好
[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、ドル高/円安の101.61/63円だった。石油輸出国機構(OPEC)による予想外の減産合意を踏まえたリスク選好地合いが続いた。株高の支援もありつつ、約1週間ぶりの高値圏に上昇した。
午後のドル/円はしっかりと推移し、一時101.64円に上昇した。リスク選好地合いの中、じりじりと水準を切り上げた。
市場では「上値の重さもなくはないが、相応の戻り待ちの売りをこなしながら101円をしっかり回復した上でのじり高であり、地合いは悪くはない」(国内金融機関)との声が出ていた。
OPECの合意が伝わったのは海外時間の終盤だったこともあり「出遅れた向きが海外時間にかけてあらためて合意内容を織り込む動きに出てもおかしくない」(同)との声も聞かれた。
OPECは28日、2008年以来初めて石油生産量を減らすことで合意した。主要産油国が足並みをそろえるまで減産は行なわない立場を堅持してきたサウジアラビアが一転、態度を軟化させたとみられる。
きょうは日銀の黒田東彦総裁が全国証券大会であいさつするが「相場の反応は限定的ではないか」(国内金融機関)との見方が出ている。
週初にも関西4経済団体との懇親会やその後の会見での発言が伝わっていただけに「わずか数日で目新しい材料が出てくるとは期待しにくい」(同)とみられている。
朝方100.60─70円台だったドルは、午前10時半頃にかけて101.42円まで上昇。豪ドル/円、カナダドル/円などクロス円の円売りが支援材料となったほか、仲値にかけては、輸入企業のドル買い/円売りが相応に観測されたという。
市場からは「討論会でトランプ大統領リスクが後退し、英生保事業の売却によってドイツ銀行の経営不安もやや落ち着いた。市場のセンチメントが改善する中、OPECの話が伝わったことが好感されている」(邦銀)との声が聞かれた。
140円高で寄り付いた日経平均株価も、一時250円超に上げ幅を拡大した。
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 101.61/63 1.1225/29 114.06/10
午前9時現在 100.93/95 1.1221/25 113.26/30
NY午後5時 100.67/70 1.1217/22 112.92/99
(為替マーケットチーム)
http://jp.reuters.com/article/tokyo-forex-idJPKCN11Z0J8?sp=true
中国、貿易への下振れ圧力が拡大=商務省高官
[北京 29日 ロイター] - 中国商務省の高官は29日、多くの不安定要因を受け、同国の貿易に対する下振れ圧力が高まっているとの見解を示した。
商務省の張驥氏は、不安定要因の詳細は明らかにしなかったが、世界的な需要は依然として鈍化しており、年内に根本的に変わることは「不可能」だと述べた。
「状況を合理的に把握する必要がある」とし、世界貿易機関(WTO)の報告書でも世界貿易が困難に直面していることが示されたと述べた。
WTOは27日、2016年の世界貿易の伸び率予想を4月時点の2.8%から1.7%へと下方修正した。
張氏はまた、政府が競争力向上のため差別化戦略を強化する方針などを示した。
http://jp.reuters.com/article/china-economy-trade-idJPKCN11Z0LJ
コラム:リオリエント時代の主役はインドか
斉藤洋二ネクスト経済研究所代表
[東京 29日] - 国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(2016年4月時点)によれば、2015年のインドの実質国内総生産(GDP)成長率は7.3%となり、7%を割り込んだ中国(6.9%)を上回った。16年についても7.5%の成長が予想されており、ハードランディングの可能性も懸念される中国をさらに引き離す見込みだ。
もちろん、成長率ではなく経済規模や平均的な生活水準で見れば、インドは中国に遠く及ばない。IMFによれば、2015年の名目GDPは、米国に次ぐ世界2位の経済大国である中国の5分の1程度。同年の1人当たり名目国民総所得(GNI)も購買力平価ベースで見て、中国の半分にも満たない(世界銀行データ)。
だが、ポテンシャルという意味では、インドは中国以上と言えよう。そもそもインドの人口は2015年時点ですでに13.1億人と、中国の13.8億人に次いで世界2位だが、国連の「世界人口予測」(2015年7月時点)によれば、2022年には中国を抜き、世界最大の人口を抱える国になる見通しだ。
また、人口が多いだけでなく、人口構成が若く(24歳以下が半数程度を占める)、人口ピラミッドを描くと、理想的な三角形となる。前述した国連の予測によれば、2025年には、インドの人口は14.6億人(中国14.1億人)となり、2070年に17.5億人でピークを迎える見通しだ(中国のピークは2030年の14.2億人で、2070年には12億人まで減少)。
つまり、今後数十年にわたって、インドでは人口ボーナス期(生産年齢人口が多い状態)が続くと見られる。これは、人口構造の急速な高齢化が懸念される中国に対して、大きな経済的アドバンテージである。
さらに、2014年5月に船出したモディ政権(インド人民党)が、後述するような歴史的・社会的事情に阻まれながらも、経済成長重視の旗印を降ろしていない点も将来に対する期待感をつなぎ止める。経済発展に伴い中間所得層の拡大も見込まれており、今世紀半ばに中国を上回る世界有数の巨大市場が南アジアに出現するかどうか注目されるところだ。
<モディノミクスも期待先行型>
まずは、インドの足元の経済情勢とモディ政権の経済政策(モディノミクス)の課題について見ておこう。
インド経済の問題点と言えば、慢性的な高インフレや双子の赤字(経常収支と財政収支の赤字)だが、経常収支については、ここ数年は原油など資源安を背景に、赤字幅が減少してきた。一方、財政赤字は、依然として大規模だが、対GDP比で見れば、だいぶ改善が進んだ。
加えて、著名な経済学者であるラジャン総裁が率いてきたインド準備銀行(中央銀行)が高インフレを抑え込み、モディ首相との連携プレーで海外投資家からの信認を獲得してきた(構造改革を補完するような金融政策運営の透明性向上や金融機関の不良債権処理なども好感された)。
そのおかげで、モディ政権発足以来の2年間は、保険・防衛分野などで、改革の目玉である海外資本の誘致に成功するなど総じて順調に推移してきたと言えよう。こうしたなか、9月初旬にラジャン総裁が任期切れで退任した。モディノミクスの今後について市場が不安視するのはやむを得ないところだ。
持続的な成長基盤の確立に向けた改革の実現は道半ばであり、今後膨大な時間を要するものになるとの見通しも根強い。日本でも構造改革がなかなか進まないのと同様に、地方政府の発言力が強いインドにおいてモディ首相主導による改革が成功するのか疑問が呈されてもいる。社会に根付いたカーストや土地所有に関わる制度上の問題が結局、モディノミクスを挫折させるとの指摘も少なくない。
振り返ればインドの経済自由化政策はこれまでもたびたび挫折と停滞を余儀なくされてきた。近年では、インド人民党が与党として臨んだ2004年の総選挙で、「輝くインド(India Shining)」をスローガンに経済重視路線で政権持続を狙ったが、大方の予想に反し、第2党に後退したことは記憶に新しい。「眠れる巨人」とはインドを形容する際によく使われてきた言葉だが、モディ政権だから目覚めるとの確信を持てない人が多いのも当然だろう。
実際、報道によればインフラや産業向けの土地収用を容易にするための連邦レベルでの政令更新を断念するなど、農業主体から商工業を中心とした産業構造転換を目指すモディノミクスは早くも壁にぶつかっている。
ただ、インド社会の多様性を考えれば、他のアジア工業国のように、一足飛びに物事が進まないのも無理はない。憲法で定められた22の指定言語があるように、民族、宗教、文化、社会階層が極めて多様であり、民意をまとめ上げるのは至難の業だ。
また、「世界最大の民主主義国家」と言われるインドでは、連邦・州レベルから個々の村レベルまで民主主義が尊重されている。共産党一党独裁による中央政権の断行力を存分に生かして投資・輸出主導により高度成長を実現した中国とは、政治システムが根本から異なる(また、その中国は今、過剰債務問題にあえいでいる)。
見方によっては、緩やかな経済自由化はインドの宿命であり、改革の頓挫・逆行という最悪のシナリオを回避するためには必要な道のりだとは言えないだろうか。
<中国の成長ノウハウを吸収>
さて、インドの将来に期待を抱かせる、もう1つの理由は、中国の成長ノウハウを積極的に取り込もうとしている姿勢だ。
確かに、外交面で言えば、インドと中国は対立軸で語られることが多い。実際、モディ外交は、かつて第3世界をけん引したネルー初代首相以来の伝統的な「非同盟・中立」の立場をアピールしながらも、中国への警戒心は相当根強いように思える。中国が「一帯一路」構想に沿って、南シナ海からインド洋、そしてパキスタンとの経済回廊開設などを弾みに、アラビア海へと進出を図ろうとしていると映るためだろう(モディ外交の根底には、パキスタンと中国への対抗、ロシアとの連携、日米との関係強化という方針があるように思われる)。
とはいえ、インドの対中スタンスは、経済・金融面では実は協調的でもある。例えば中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)では第2位の出資比率を確保し、さらに新開発銀行(BRICS銀行)では初代総裁の座を手に入れるなど中国との連携を模索している。
中国経済が離陸する30年ほど前までは両国間の経済格差は限定的だったものの、中国が社会主義市場経済を導入して高度成長を達成したことについて、インドは強く意識し後追いを始めたと言えるだろう。
また、インドには、引き続き大きなポテンシャルを持つ産業がある。カースト制の対象にならない職業分野である情報技術(IT)産業だ。インドの主な経済的アドバンテージを挙げれば、前述した人口動態に加えて、英語と数学に強い国民性、そして米国の裏側にあるという時差的・地理的メリットがある。このような利点を生かしてこれまでもバンガロールを中心にIT産業の発展が試みられてきた。
確かに、アウトソーシング業務が中心との低評価もあろうが、欧米の成長企業とのパートナーシップで培われたノウハウが、フィンテック、あるいはAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など第4次産業革命に活かされるのは間違いない。ITの強みは、すべての産業に活用し得る。労働生産性の向上と、人口ボーナス期のアドバンテージとが相まって、インド経済の押し上げに有利に働く可能性は十分あるだろう。
<アジアは世界経済の5割強占める存在へ>
現在、中国、インドそして日本などアジアのGDPは、すでに世界経済の30%程度を占めている。経済協力開発機構(OECD)の長期経済見通しに関する報告によれば、2060年には中国(24%)に次いでインド(18%)が世界2位の経済大国となるなどアジアは世界経済の50%超を占めると試算されている(ちなみに、日本は3%にとどまると見込まれている)。
それは17世紀から18世紀にムガル帝国が隆盛を極め、また清朝が乾隆帝の治世下において史上最大の版図へと拡大した頃に匹敵する。英国の経済学者アンガス・マディソンによる有名な世界経済史研究によれば、19世紀初頭までアジアのGDPシェアは5割を超えていた(1820年時点で、中国が32.9%、インド16.0%、日本3.0%、それ以外のアジア地域7.3%)。
その後、英国はじめ欧米列強は産業革命により経済成長しアジアを圧倒する時代が18世紀後半から200年以上にわたり続いた。しかし、欧米先進国の成長率は今や、未曾有の金融緩和にもかかわらず、およそ0%から2%台の「長期停滞」に沈んでいる。対照的にアジアでは中国に続き東南アジア諸国、そしてインドが経済の本格的な離陸態勢に入りつつある。ドイツ生まれの経済歴史家アンドレ・グンダー・フランクが説いた「リオリエント(東洋への回帰)」もいよいよ現実味を増している。
いずれにせよ、日本はそう遠くない将来に、アジア域内第3位の経済規模に転落する見込みだ。世界において経済面でも安全保障面でもどのようなポジショニングを目指すのか、そしてそのためにはいかなる戦略が必要なのか、今のうちから頭の体操を十分にしておく必要がある。
*斉藤洋二氏は、ネクスト経済研究所代表。1974年、一橋大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。為替業務に従事。88年、日本生命保険に入社し、為替・債券・株式など国内・国際投資を担当、フランス現地法人社長に。対外的には、公益財団法人国際金融情報センターで経済調査・ODA業務に従事し、財務省関税・外国為替等審議会委員を歴任。2011年10月より現職。近著に「日本経済の非合理な予測 学者の予想はなぜ外れるのか」(ATパブリケーション刊)。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoji-saito-idJPKCN11W12A?sp=true
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