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ドル円は再び100円を割れ、3カ月ぶりの99円02銭よりも円高に進む可能性がある(写真は2013年5月、Natsuki Sakai/アフロ)
ドル円は98円台に突入する可能性がある
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160924-00137460-toyo-bus_all
9月24日(土)15時0分配信 田代 昌之 東洋経済オンライン
9月21日に日米の金融政策が発表された。週間ベース(19-23日)では、日経平均株価が前週比+1.42%、NYダウが同+0.76%となった。英FT100が同+2.97%、独DAXが同+3.41%上昇していることを考慮すると日米ともに伸び悩んだという表現が適切か。
東証1部の売買代金は盛り上がりに欠けており(21日は2.7兆円、週末は2.2兆円)、引き続き限られた資金による「循環物色」が商いの中心となっている様子だ。銀行など一部セクターにはプラス面がある一方、為替市場では円高ドル安が進行する可能性が浮上している。
■「低体温相場」が動くきっかけは、臨時国会か
日経平均の先行き不透明感を示す日経ボラティリティ・インデックス(VI)は急低下しているが、新規マネーが日本株に流入する気配はない。日経VIを相場の温度計と例えると、足元の地合いは「低体温相場」と言えよう。動く気配が無くなった東京市場だが、動くきっかけは週明けからスタートする秋の臨時国会にあると考える。
金融政策決定会合では、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」が発表された。これまでの「量」を意識した緩和から「金利」を意識した緩和へ枠組みを変更している。1月29日に導入した「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」から変わったわけだが、日銀当座預金に適用する金利は-0.1%を据え置いている。
同日のプレスリリースでは、注釈も含め21箇所もマイナス金利という文言があったが、9月21日のプレスリリースでは9箇所に減少。結果として、日銀は市場との対話の末、マイナス金利の深掘りを先送りし長短金利操作という新たな枠組みに移行している。
マイナス金利の深掘りに関しては、日銀側は取りやめたわけではないので引き続きさまざまな議論が持ち上がるだろうが、金融株からすると過度な警戒感は一歩後退といったところだろう。
ETF買い入れの枠組み変更で何が起きるか?
一方、日銀のETF(上場投資信託)買い入れ枠の変更にも注目したい。買い入れ枠は年間6兆円だが、0.3兆円は「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」を対象としている。
今回、日銀は2.7兆円をTOPIX型のみを対象とし、残り3.0兆円を従来通り(日経平均型、TOPIX型、JPX日経400型)とする枠組みに変更した。見直しは10月以降となるが、市場では、この変更によって、TOPIX型の買い入れ比率が従来の42%から70%ほどに上昇すると試算されている。一方、日経平均型は同54%から28%に、JPX日経400型は同4%から2%にそれぞれ低下するとの見込みだ。
日銀側は「時価総額に概ね比例するように設定」としていることから、時価総額の大きい銘柄には買い需要が発生することとなる。この文言を見る限り、浮動株比率を考慮していないので、実際のTOPIXの組入れ上位銘柄とは微妙に異なるが、TOPIXコア30銘柄などが対象銘柄となろう。また、時価総額が大きいわりには日々の売買が少ない(流動性の低い)銘柄も、恩恵を享受しそうだ。
■円高ドル安が進行、98円台に突入する可能性も
ここまでは、市場にポジティブな影響を与えそうな内容を見てきたが、気になるのは円高ドル安の進行だ。
日本時間の22日未明、米連邦準備理事会(FRB)が追加の利上げ先送りと、2017-18年の金利見通し引き下げを発表しているが、その前からドル円は円高ドル安に推移していた。
これは、今回の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」が、実質的なテーパリング(緩和縮小)と捉えられたことが要因だと考える。政策のポイントが長短金利に移行したことから、金利の水準によっては国債の買入ペース及びマネタリーベースの拡大ペースはこれまでよりも鈍化する可能性が浮上。黒田日銀総裁も記者会見で「操作目標は量ではなく、経済情勢に柔軟に対応」とコメントしたことから、日本のテーパリングが強く意識される格好となった。
ドル円は75日移動平均線に頭をおさえられたトレンドが継続しており、100円割れの段階でもし仕掛け的な売買が入ると、6月24日の99円02銭も一気に下抜ける展開も視野に入ってきそうだ。
バトンは日銀から政府へ
日銀会合の結果発表以降、日経VIが急低下している。この動きは7月29日の日銀会合後とほぼ同じだ。先行き不透明感の後退、つまりリスクプレミアムの低下が東京市場では起こっている。
本来であれば、ボラティリティ(変動率)低下は相場の安定と見なされ長期の運用資金が流入する可能性が高まるのだが、今回同様、日経VIが低下した8月は、そのような動きは見られなかった。ボラティリティ低下を好むロングの外国人投資家は、金融政策ありきの日本株に辟易していると考える。
上にも下にも動かなくなった東京市場はまさに低体温相場と言えよう。
■外国人投資家は何を見ているのか?
では、外国人投資家は何を見ているのだろうか? ルー米財務長官が年初から声高に指摘していることは「日本の内需拡大」だ。
つまり金融政策ではなく政府による経済政策だろう。とりわけ規制緩和などへの積極的な動きだと考える。黒田日銀総裁は記者会見で「2013年1月の共同声明」に関するコメントを発していた。
今回の日銀プレスリリースにもこの内容の記載があるが、記載されたのは今年初めてのことだ。「総括」だからと言われればそれまでだが、日銀からすると「市場との対話でマイナス金利の深掘りは回避した。日経平均偏重型のETF買い入れの枠組みも変えた。さぁ、次は政府の出番だ」といった意味合いがあるのかもれない。
週明けの9月26日から秋の臨時国会が開催される。第2次補正予算案やTPP(環太平洋戦略経済連携協定)承認案などの成立を目指す予定だ。まずは、日銀から渡されたバトンを政府がうまく受け継ぐことができるかを見極めたい。
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