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日銀の金融政策が「意味不明」すぎるワケ(東洋経済オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/567.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 24 日 15:49:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日銀の金融政策はもはや「意味不明」になってきた・・。ぐっちーさんは怒り心頭である(写真:ロイター/アフロ)


日銀の金融政策が「意味不明」すぎるワケ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160924-00137439-toyo-bus_all
東洋経済オンライン 9月24日(土)10時0分配信


広島カープ優勝の余韻も冷めやらぬまま、再び登場の時を迎えました。

カープにつきましては東洋経済オンラインにて、特別寄稿「カープがこれからも勝ち続ける『7つの理由』」を書いておりますので、みなさまぜひお読みください! 

■あまりに対照的な日米の中央銀行の金融政策

 さて、本題。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合が同日、というなんとも「惑星直列的カレンダー」になりましたが、終わってみれば極めて対照的な中央銀行の取り組み、というか在り方が鮮明になったと言えるでしょう。

まず、FOMC。私は有料メルマガの方で(グッチーポストにてご案内)、毎週アメリカ経済統計分析をお送りしており、特にFOMCについては毎月綿密にレポートしているのですが、先週の段階で「利上げはなし」、と断定しておりました。 理由は簡単で、アメリカ経済は極めて順調ではあるものの、FOMCが掲げているターゲットには届いていません(6月のFOMCで発表しているプロジェクション)。にもかかわらず利上げをするとなると、前回FOMCからの1カ月でまさに「ビンゴ」と言われるような経済統計の良化が条件になる、ということが明らかだったからです。

 そして今回FOMCが出してきたメッセージも極めてクリア。FRB(米連邦準備理事会)として今後何を見て何をするのかが極めて明確で、誤解の入り込むすき間もありません。

素人でも方向性がわかる、アメリカの金融政策

 ステートメント(声明)をみると、まず第一に

 First, the committee noted that near-term risks to the economic outlook “appear roughly balanced”.

 現状経済動向に影響を与えるであろう短期的なさまざまなリスクについてはほぼバランスしているように見える、と考えている

 と来ました。つまり、状況としてはいろいろリスクを取り上げることはできるがそれらは大筋でバランスしており、特に危機的状況にあるとは考えていないわけです。巷のメディアでいうようなダウが急落したので利上げしない、なんのかんの・・という詮索は無駄ですよ、ということですね。FRBとしてはこの点極めてクリアに判断を下している。つまり現在は心配するような経済状況にはない、ということです。

■FOMCは「念には念を入れて」先行きを見ることに

 その上で、

 The Committee judges that the case for an increase in the federal funds rate has strengthened but decided, for the time being, to wait for further evidence of further progress toward its objectives

 FOMCとしてはFFレートの利上げのための状況(確証)はより強くなっていると考えているが、当面抱えている課題(FRBがしているコミットメント)に対する更なる良化の証拠を待つこととした。

 となっています。これも極めてクリアで、現時点で利上げすることも可能だが、「念には念を入れて先行きをもう少し見てみましょう」と判断した、ということです。

 先ほど申し上げた通り、実際に6月時点でのFRBの予測よりも実際の経済動向は下回っており、唯一、雇用統計だけがほぼ予想通りとなる中、今回改定された見通しでも、GDP(国内総生産)、及び物価指数についてはそれぞれ6月から下方修正されている、という事実があるわけで、その意味で今回は見送る、という極めて説得力のある内容となった、と言えるでしょう。

 これで今回は見送ったが、このままでいくと年内に利上げがあるだろう、ということは素人でも十分理解できる範囲でしょう。

一方の日銀。何なんだ、このわかりにくさは・・
 一方わが日銀。

 このわかりにくさは何なのでしょうか。

 日銀として景気がいいと思っているのか、はたまた悪いと思っているのか? ? 全く不明。言及すらありません。

■なぜ日銀はわかりにくい言葉を並べ立てたのか

 もし良いならば、良いんだからこのまま政策を継続するよ、となるわけで、悪いなら失敗しました、といって何か次の手を打つしかない。要するにこれに言及してしまうと責任問題に直結するからでしょうけどね。

 そして実際に出て来たのは

 長短金利操作付き量的・質的金融緩和

 何ですかこれは? ?  全く意味不明といっていいですね。要するにこれまでの金融政策の失敗をはっきり認めないからこういうわかりにくいことを言わざるを得ないわけです。

詳しくは東洋経済オンラインの「日銀『新たな枠組み』に冷めた見方が多いワケ」 を見て頂ければよろしいかと思いますが、まず第一はこれまでの物価目標2%に加えて、今後は長期金利0%という金利目標も見て行きましょう、ということ。次に、これまで物価目標2%を目標としてやってきたものを、なぜかそれを安定的に2%を超え続けるまで金融緩和と続けますよ、という2点が柱となっています。

 要するに、あの「黒田バズーカ緩和」(2013年4月4日)から約3年半がたったのに、達成できなければ「腹を切る」、という趣旨のことまで言った物価目標に全く達成しなかったために、いつものように、ゲームの途中でルールを変える。

 そして「金利目標とインフレ率を安定させるまで」(達成することすらできないくせに)、という新しいルールを適用して、これを達成できれば日銀としては金融政策決定者としての責任を全うした、と判断します、という。まあ、これはひどい話ではないですか。

延々と金融緩和をして、何か変わったのか?

 プロ野球に例えれば、元来勝ち負けの勝率で争うはずのペナントレースを、自分の都合が悪いからといって途中からホームラン数で決めましょう、というに等しい。あるいは、日本に勝ちまくられて、やれ、スキー板の長さがどうした、体重がどうしたと次々と新たなルールを導入するジャンプ競技に等しいとも言えます。

 つまり・・金融緩和などというものは平成バブル崩壊後の1990年より1年たりともとだえることなく、この2016年まで延々と続いてきた。

 しかし、それで日本経済は何か変わったのか? ? 

 バブル崩壊以降、日本の名目GDPはほぼ500兆円、個人所得はほぼ180兆円、小売売上高はほぼ140兆円で、ずーーーっと、金融緩和を続けて来たにもかかわらず、日本経済は横ばいを続けたわけです(その意味では失われた20年というのも大きな間違い。日本は横ばっていたのであって、何も失っていない)。

■覚悟のあるイエレン議長と根性なしの日本男児の差!? 

 挙句の果て、黒田総裁は、そうやって長期に緩和を続けても効果はなく、短期的に集中して緩和すればかならず効果がでる、と宣言し、物価水準2%を達成できなければ私は辞める、副総裁は腹を切る、といったような話までしてそれまでのマネタリーベースをほぼ100兆円のレベルから一気に300兆円を超える水準まで引き上げた・・・・

 しかし、3年半たった今も何も変わっていない、というのが現実で、いい加減金融緩和はこれ以上やっても効果はありません、と一度敗戦宣言をして、みなさまでおやめにならないと、今回のようにこういう意味不明の、まさに「ブードゥー経済学」さながらの政策を打たざるを得ない、というのは明白です。

 3年半もやって何事もおきなかったのに、今さら安定的に2%を超えるまでといわば半永久的に金融緩和を続けることをコミットすることに意味があるのか。むしろ、自分自身で エグジット(出口)を封鎖してしまったようなもので、一体黒田さんがいなくなったあと、次の総裁はどうするんだろうか、と他人事ながら心配になる。

 FRBと対比をしてみると、だめならいつでも腹を切る覚悟のあるイエレン議長と根性のない日本男子たちのコミットメントの差、といっていいんじゃないでしょうかね。もう、いい加減、金融緩和をいくらしても効果がなかった、という歴史的事実と付き合う必要があるのです。

「黒田バズーカ緩和」の敗戦の事実を認めよ

 FRBと違って、日銀にはいわゆる実務をやった経験のある人が皆無です。FRBの理事の中には投資銀行での経験のある人もいますし、製造業でマネージャーをやっていたことがあったり、まさに多士済々。

 一方、日本の場合、民間銀行の支店長経験者すら入っておらず、証券会社の人が政策決定にかかわっているといっても彼らはエコノミスト。つまり、株の売買すら一度もやったことがないような「ペーパードライバー」が集まっているのが特徴です。

 ゴルフを一度もやったことがないひと達が集まって、これをこう打ったらスライスになる、いや、この角度から打ったらフェードだと、いろいろ議論しているのと何ら変わりはなく、これはまさに滑稽というしかないではありませんか。

■「実務家軍団FRB」と「ペーパードライバー日銀」の差

 実際に毎日経営をして、資金繰りにうんうん唸っている私から世の中の社長の皆様を代表して、ひとこと言っておきたいのは、

 マイナス金利を導入するほど景気が悪いのに、いくら金利が低いからと言って銀行からカネを借りてまで設備投資をしようと思うバカはいない。

 ということに尽きると思います。従業員、そしてその家族の分まで責任を負っている社長からすれば、こういう判断をするのは当然でしょう。今後会社の社会保険負担だって、どこまで上がるか分かったもんじゃありません。

 その度に従業員のクビを切るわけにいかない、というのが多くの中小企業経営者のホンネでしょう。設備投資どころではなく、いかに内部留保を確保するかが、今や最大の経営目標になっているということを日銀の皆様は全く理解していません。

 経営者、そして実際に消費をする皆様の心理、というか発想から完全に乖離してしまい、その政策を打ったら、世の中はどう受け止めるであろうか、という想像力が全く欠けている。まあ、経験がないから、と言えばそれまででしょうが、私が日銀の政策決定に携わっていたら、そんなことしたらみんなが投資をしなくなるよ、とデータ付で物事を申し上げることができたと思います。

 こうなるとFRBとの差は鮮明で、「実務家軍団」と「ペーパードライバー集団」では勝負にならんことは明らかでしょう。

 まずは「黒田バズーカ緩和」の敗戦の事実を認め、それをしっかり分析していかないと、まさに第二次世界大戦の轍を踏むことになります。

 

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コメント
 
1. 中川隆[4152] koaQ7Jey 2016年9月24日 16:34:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[4558]
>「黒田バズーカ緩和」の敗戦の事実を認め、それをしっかり分析していかないと、まさに第二次世界大戦の轍を踏むことになります。


太平洋戦争が八百長だったのと同じで「黒田バズーカ緩和」も八百長だっただけ

太平洋戦争も「黒田バズーカ緩和」も作戦はアメリカが立てて、昭和天皇も黒田総裁もアメリカの指示通りに動いただけだからね:

1. 2013年5月の日銀金融緩和

2013年5月 とは何だったのか?ですが、米国では量的緩和(QE3)の真っ最中だった時期ですが、そこでバーナンキFRB議長(当時)がその QE3 を縮小する必要性を初めて表明した時期です。

実は日銀が「始めて」積極的な金融緩和(「異次元」量的緩和)に踏み切った時期とは、そのわずか 1か月前の 2013年4月4日


2. 2014年 量的緩和を80兆円に拡大

10月31日、日本銀行は、円を増刷して日本国債を買い支えるQE(量的緩和策)の拡大を発表した。

日銀は、これまでのQEで年に50兆円の日本国債を買い支えてきたのを、80兆円に拡大する。


日銀がQE拡大を発表する2日前、米連銀がQEをやめた。

連銀はQEで、7月に350億ドル、8月に250億ドル、9月に150億ドルを増刷して米国債などを買い支えた後、10月に増刷をゼロにした。

一方、日銀はQE拡大で今後、年に30兆円を増刷するが、この額は1カ月あたりのドル建てに換算すると200億ドル強だ。

連銀のQEの最後の方の規模を、そのまま日銀が引き継ぐ。

3. 日銀のマイナス金利導入

アメリカで発表されました経済指標を事前に日米で協議した結果が、日銀のマイナス金利導入決定だった。

商務省発表:

1)12月の耐久消費財受注(対11月比)が、事前予想は −0.6%だったものが実際には −5.1% となり、2014年8月以来の大幅な落ち込みを記録。

2)第4四半期のGDP速報値が前期比+0.7%(年率換算)となり、第3四半期の+2.0%(年率換算)から急減速


もし、日銀がマイナス金利を導入せず、今までの金融緩和をするとしていれば、恐らくニューヨークダウは暴落し、かつドルも急落していたはずです。

それほど今回商務省が発表した2つの指標の内容が悪かったのです。

このまま2つの統計が発表されれば、政策の失敗として追及される恐れがあったために、日銀と連携し、今までアメリカ側から求められてきて拒否してきたマイナス(ネガティブ)金利を日銀が導入したと見るのが妥当となります。


___

日本は米国の「財布」:FRBからの金融超緩和「要求」と黒田日銀
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208225


岩上「『第一の矢』の異次元の金融緩和ですが、ベース・マネーの増加分はアメリカのヘッジファンドへ流れて投機の原資になっています。日本国内の実体経済には回っていません。

 先生の御著書

そして、日本の富は略奪される--アメリカが仕掛けた新自由主義の正体 2014/1/31
菊池 英博 (著)


の第6章、214ページですが、

『アメリカの金融緩和縮小(出口)の補充として利用される日本の超金融緩和

という項目があります。

ここの書き始めに、

『2013年3月頃の日本では、安倍首相が「金融緩和を一段と進め、私の考えに合う人を日本銀行総裁に選びたい」と公言していた』

とありますね。つまり、安倍さんは、黒田さんを起用する前にこういうことを公言していたということですね。


▲ 菊池英博『そして、日本の富は略奪される』(ダイヤモンド社, 2014)p.214より

 さらに続けて、

『こうした時期に、アメリカのバーナンキFRB議長は、「アメリカ以外の国が金融緩和を進めてくれれば、両国にとって利益になる」と発言している』

と書かれています。

 先生はバーナンキを直接ご存知なので、メディアを通した発言だけではなく、彼の腹の内がどういうものだったのか、理解されていたのだろうと思うのですね」

菊池氏「その記事は日経に出たものですね。2013年3月31日付けに出ています。だからバーナンキから個人的に聞かなくても。バーナンキはこの発言を欧州でしました。

 その記事を読んで、私はピーンときました。なるほどと。バーナンキはもう(金融緩和を)縮小したいのだと。その後、日本に金融緩和をさせて、日本からのマネーをウォール・ストリートに供給させれば、米国は縮小できる、ということを考えているなと」

岩上「先生は『バーナンキ発言は、日本財布論を強めて、日本に金融超緩和を要求してきたサインだった』と書かれておられます。

 本来は合理的な経済政策というものがありうるはずですね。ところが、どうもいつもいびつでおかしなことが起こったりする。そういう時に、国内の論理だけで考えていると、つじつまが合わないことがいっぱいあるわけですね。

やはり、外側からいろいろな要求があったり、振り回されたりしている。
それに対して、日本の支配的なエリート、とりわけ財務省であるとか、官僚たちが応えようとする。

そういうことで、おかしなつじつま合わせの経済政策をやるということが根本にあるということですね」


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