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住宅ローン、交渉の電話1本で新車1台分削減
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160924-00000005-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 9月24日(土)7時0分配信
日銀のマイナス金利政策導入から半年。住宅ローンは空前の低金利で、銀行は優良顧客を取り込もうと競っています。すでに低金利といわれていた3年前に借り入れた住宅ローンの見直しに勝機はあるのか、一番低い金利で借りるにはどうすればよいのか――。今回は実際に借り換えを検討し、銀行に足を運び、最終的に大きな節約に成功した会社員Aさん(40)の話を詳しく聞くことができましたので、彼の奮闘ぶりを紹介します。
都内で3年前に住宅を購入した会社員のAさんは、購入費用のほぼ全額を住宅ローンで賄った。当時も銀行の金利引き下げ競争は激しく、「10年固定型で金利1.15%で借りたローンを毎月コツコツ返済しています」と語る。1.15%なのでかなりお得に借りることができたと安心してはいたが、各行が住宅ローンの8月適用金利を過去最低水準に引き下げたことをきっかけに、見直しに着手した。
■銀行のサイトで試算
最初にしたのは「借り換えでどのくらいお得になるのかの試算」(Aさん)だ。試算というと銀行の窓口に出向いて行員と対面で相談というイメージがあるが、最近はインターネットで簡単にできる。各行のサイトに用意されており、メガバンクでは新規借り入れと借り換えで別のツールが用意されていることが多い。Aさんは、大手行で最も低い金利を提示していた三井住友信託銀行のサイトで試算した。同行では事務手数料や保証料、抵当権設定費用など、借り換えに必要な諸費用の概算や将来の繰り上げ返済予定まで細かく条件指定できる。住宅ローンを2本借りている人にも対応している。
借り換えに際しては一般に「ローン残高1000万円以上で金利差1%以上」ならメリットが出るといわれている。借り換えには抵当権設定の手続きなどで数十万円の諸費用がかかるため、その分を差し引いてプラスにならなければ意味がないからだ。
8月適用の住宅ローン金利は、例えば10年固定型で三菱東京UFJ銀行が0.5%、三井住友信託銀行が0.35%。Aさんがこの0.35%で試算したところ、借り換えにかかる諸費用を差し引いても「国産乗用車の新車1台分程度」の金額が削減できることが分かった。
現在の借入金利との差は0.8%であり1%には満たないが、残高がたっぷり残っていたことが大きかった。「予想を上回る削減額の大きさにはビックリしました」(Aさん)。浮いたお金を何に使おうか一瞬考えたが、実際にまとまったキャッシュが入ってくるわけではない。子供もまだ小さいので、将来の支払いが減らせた分は、これから重くなっていく教育費に当てようと思い直したという。
Aさんが今借りている住宅ローンの固定金利期間は残り7年。そこで次には「今が本当に借り換えの好機なのか、自問自答してみました」。仮にマイナス金利の深掘りで住宅ローン金利が今後さらに下がったとしても、銀行が人手を掛けてまでゼロやマイナスの金利で貸し出すとは考えにくい。また、所得税の住宅ローン控除では年末時点の住宅ローン残高の1%が還付されることから、1%以下の水準で借りられれば損はないだろう。こう心は決まったので、次は行動に移す番だ。
■もっと低い金利で借りられるか
新聞などで報じられているのは住宅ローンを新規で借りる場合の金利だ。借り換えの場合はそれとは若干違い、審査基準も銀行によって異なる。Aさんは夜なべして試算した翌朝に、早速いくつかの銀行の支店に出向いて相談してみた。
最初に向かったのは、都内ターミナル駅近くにあるB信託銀行の支店。自分のように借り換えの相談で来店したお客さんで混み合っているのではという予想に反し、相談カウンターはすべて空席。電話対応で忙しそうな行員の声がわずかに聞こえてくるだけだった。
「予約なしでの訪問だったこともあり20分ほど待ちましたが、割と早く対応してもらえました」(Aさん)。聞きたかったのは借り換えの際の適用金利。もう一つ、サイトではできなかった変則パターンの繰り上げ返済の試算もお願いした。
「銀行の窓口なので何かすごい専用ソフトで試算するのかと思ったら、店頭で使っていたのはB行のサイトと同じものでした」。サイトではできなかった細かい繰り上げ返済パターンやその際に戻ってくる保証料の払い戻しなども加味した試算結果を期待したのだが、できないということだった。さらに、繰り上げ返済した場合の保証料の返戻率も「それは保証会社で行っているものなので当行では回答できません」と言われたそうだ。
加えて、実際の融資までもっていくには時間がかかるという。「先月からの審査待ちがすでに数十件ありまして、Aさんの場合は仮審査だけでも最低2〜3週間かかるとお考えください。中には審査だけ先に通しておき、融資の実行は毎月の金利動向をみながらタイミングを探っているお客様もいらっしゃいます」(B行の担当者)。今は月初に申し出たとしても、実際に融資できるのが最短でも翌月になるほどの盛況なのだそうだ。店舗では他の客を見かけなかったが、週末になると住宅業者から審査依頼がまとめて持ち込まれるため、処理が追いつかないと窓口では言う。Aさんは審査に必要な書類は全て持参してきたのだが、「まずは当行のサイトから審査申し込みをしてください」と言われてしまう。「要するにその支店で引き受けたいという積極的な声はかからずじまいで、担当者の名刺ももらえなかったんです」(Aさん)。担当者は「半年前なら月内に融資実行できたんですがね……」と、表情にも疲れをにじませていたという。
ただ適用金利に関しては、この銀行では審査が通れば、借り換えでも新規と同じ水準の低金利で借りられることがわかった。定期預金や少額投資非課税制度(NISA)を同時に申し込めばさらなる金利優遇も受けられる。とはいえ、審査が通らなければそこまでだ。そういえば、3年前に相談した際、審査が通らなかったので別の銀行にしたことをAさんは思い出した。B行は厳しい審査で貸し倒れリスクを低減させているからこそ、低金利が実現できているようだった。残念ながらこの銀行には頼めそうにない。
同じ足で、近隣にあるメガバンク3行の支店でも話を聞いてみた。共通して印象に残ったのは、入り口に立つ係員に申し出ると、すぐさま融資担当者が駆けつけてくれたことだ。「ぜひ説明させてほしい」と相談カウンターに招かれ、名刺を渡されるなど、前述の信託銀行とはだいぶ異なる印象を受けた。中には最短3日で審査結果が出て、返済先の銀行との日程調整が済めばすぐに融資実行できるという銀行もあり、「銀行によって対応がだいぶ異なるのを実感しました」(Aさん)。
気を良くしたAさんは他行の低い金利を材料に、もう一段低い金利で借り入れできないかと交渉もしてみた。結果、借り換えの場合の最優遇金利は、新規で提示している金利と同水準で、これをさらに引き下げることはできないということだった。「既に相当低い金利だから無理もない。これは大手行で共通していましたね」(Aさん)
■元の鞘が一番
主要各行で借り換えの際の金利がわかり、明らかに得になることもわかったので、あとは銀行を決め、実際の手続きを進めるのみだ。まずは今住宅ローンを借りているメガバンクのC行に返済手続きの方法を電話で聞いてみた。借り換えの一括完済にも事前の申し入れが必要だし、固定期間中の完済には手数料も発生するからだ。C行は「手続きの日程が決まったら、3週間前までに電話で連絡してください」ということだった。
ここで「はい、わかりました」と言って電話を切らないのがAさんの粘り強いところ。他行で借り換えるための手続きを聞く電話だったのに、最後にだめもとでC行に金利引き下げをお願いしてみたのだ。「C行さんが下げてくれるなら、自分としても他行でまたいち(審査)からやり直すよりは楽」(Aさん)だからだ。
しかし、「相手は住宅ローンに精通したプロ。なのでただやみくもに引き下げをお願いするのではなく、調べた中で一番低い金利を提示している銀行名と適用金利を伝えたんです」。すると、電話口の担当者は意外にも「行内で検討したいので1日待ってほしい」というではないか。
同じ日の夕方、C行からかかってきた電話は「金利引き下げに応じることは可能」といううれしい回答だった。内容は8月適用金利の10年固定型で0.55%。手続きに日数を要するため、実際には9月適用金利で条件変更となり、9月からの10年間が固定金利になるという。この条件変更にかかる費用は、手数料5400円(税込み)と200円の収入印紙だけ。0.55%という金利自体は他行よりは高いが、数十万円かかる借り換えの諸費用を考えるとほぼ一緒で、絶妙な水準だった。「経験者ならわかると思いますが、住宅ローンを借りるときは大変な量の書類に署名やなつ印をしなければならない。会社員なのでそうした手続きの煩雑さを考えると、元の鞘(さや)に収まって、同じ銀行で借り続けるほうがどう考えても得策だったわけです」(Aさん)
初めに状況確認のために他行の支店にも足を運んだものの、実質的にはたった1本の電話で新車1台分の支払額を削減できたことになる。C行の担当者によると、やはり住宅ローン見直しの相談が最近非常に多くなっており、個別に対応しているが、顧客からの引き下げ要請に応じるかどうかはケースバイバースだという。借入金額や期間などが考慮されるようだ。
最後に、Aさんに今回うまく交渉できたコツを聞いてみた。「うーん、まずは誠意ある対応を心掛けることですかね。それと金利引き下げ交渉では、検討している具体的な銀行名や金利を伝え、本気であることを伝えるのが大事だと思いました」
手続きを終えたAさんの適用金利は9月から引き下げられ、10月から毎月の返済額は1万円程度、ボーナス分返済月は3万円程度抑えられる予定だ。今は、これから届く新しい返済予定表を楽しみに待っているという。
9月の適用金利は0.10%程度上がりましたが、それでもマイナス金利導入前に比べるとまだ大幅に低い水準です。借り換えで得られた「臨時ボーナス」は、Aさんの家計に直接キャッシュを生み出すわけではありませんが、少なくとも心理的な面で個人消費活性化の原動力になっていくでしょう。数年以内に住宅ローンを組んだばかりの人でも、検討する価値は十分ありそうです。(マネー研究所 小野啓一)
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