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「為替90円台、日経平均1万4000円」の現実味 株価下落を嫌った日米中央銀行が払う「ツケ」(東洋経済)
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/539.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 23 日 13:44:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           再び「1ドル100円割れ定着」の時代がやって来るのか。9月末以降は波乱の予感(写真:AP/アフロ)


「為替90円台、日経平均1万4000円」の現実味 株価下落を嫌った日米中央銀行が払う「ツケ」
http://toyokeizai.net/articles/-/137203
2016年09月23日 江守 哲 :エモリキャピタルマネジメント代表取締役 東洋経済


日銀は9月20・21日に開催した金融政策決定会合で、長短金利を誘導目標とする新しい金融緩和の枠組みを導入することを決めた。現状のマイナス金利政策を維持するとともに、10年物国債利回りを0%程度に誘導するという。さらに2%の物価安定目標が実現するまで金融緩和を続けるとし、今後も必要な場合にはマイナス金利の深掘りを行うなどの考えを示した。

一方、FOMC(米連邦公開市場委員会)では、市場の大方の予想通り、利上げは見送られた。日米当局の決定を詳述するが、相場の予測だけを読みたいという方は、後半の米国の部分(小見出し「またしても株価下落を嫌がったFRB」)あたりからお読みいただければ、幸いだ。

■日銀の新政策では円高を止められない

注目された日銀による「総括的検証」の結果は、残念ながら従来の政策の延長でしかなかった。これまでの政策に対する反省と抜本的な政策への取り組みが示されると期待していただけに、残念な内容だった。

異次元緩和政策が導入からすでに約3年半が経過し、効果がなかったことから、緩和の枠組みをこれまでの量重視から金利重視に転換することにしたようだが、本質は何も変わっていない。まさに「苦し紛れの政策修正」である。

新たな政策の枠組みの名称は、「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和」という。またもや新しいネーミングである。長期金利の誘導方法はこれまでも実施してきた国債買い入れを軸とする一方、買い入れ額は当面は現状の80兆円程度を目標とし、残存年限にこだわらず幅広い国債を買い入れるという。さらに利回りを指定して国債を買い入れる新たな国債買い入れに乗り出すようだ。しかし、量は増やさない。ここがポイントである。

後述するように、結果としてのテーパリング(緩和縮小、黒田総裁は会見で否定)であり、円高につながりリスクを高めたといえる。日銀はこうした政策を2%の物価安定目標が実現し、安定するまで続けるとしているが、これまでの基本的な考え方は変わらないということであり、これでは円高基調を止めることはできないだろう。

今後の追加緩和手段としては、マイナス金利政策の強化や長期金利操作目標の引き下げ、資産買い入れの拡大や資金供給量の拡大ペースの加速などを挙げている。

さらにマイナス金利の深掘りを追加緩和の軸に据える考えを初めて明確に示している。日銀が金融政策の枠組みを変えるのは、市場に出回る国債が極端に少なくなり、資金供給量の拡大の継続が困難になっていることが背景にある。

そのため、長期金利を目標にして資金供給量を柔軟に変えられるようにした。このようにすれば、超長期金利の低下で保険や年金の運用が困難になるという状況を改善できると考えたようだ。しかし、長期金利を0%で維持することを目標にしたところで、インフレになるだろうか。また金融機関に気を使ったつもりかもしれないが、マイナス金利の深掘りのリスクは残る。

■円高と株安になるリスクが高まった

黒田総裁は会合後に記者会見を行ったが、とにかく見ていて苦しい会見だった。記者からもかなり厳しい質問が飛んでいた。

それはそうだろう。政策の結果が出ていない中で、事実上その延長線上の政策を推し進めるというのだから、当然である。

黒田総裁は、他の中銀に比べて大規模な金融緩和であることを強調し、効果があるとの考えを強く示したが、これまで結果が出ていないことに対する明確な説明がない。むしろ、原油安や新興国経済の懸念、消費税率の引き上げ後の消費マインドの低迷などの外的な要因がなければ、2%の物価目標は達成できたとし、責任はないとの発言には驚かされた。まさに「責任転嫁」である。

つまり、これまでの政策は間違っておらず、さらに推し進めれば必ず成功するという。根本的な間違いを修正していないのに、政策の将来の成功を誰が想定できるのだろうか。残念ながら、現在の日本において、名目金利の引き下げによる予想実質金利の引き下げをもって、住宅投資や設備投資などを活発化させ、景気回復に導くという手法は、成功しておらず、結果が出ている。

市場に訴えることで、日銀が想定するインフレ期待の高まりがもたらされると真剣に信じているのだろうか。現在の日本では、残念ながら、そのような考え方は通用しないだろう。また今回の措置は、長期金利をコントロールしようとする、きわめて大胆な発想である。中銀は短期金利を調整するのが一般的だが、とうとう長期金利にまで手を付けたことになる。これで市場の機能はマヒするのではないか。

だが、金利を動かないようにするのは、実際は難しい。また、買い入れる量は増やさないため、買い入れる国債が目標額に達せず、結果的にテーパリングになる可能性もある。そうなれば、結果としての引き締めになり、逆に金利の急伸リスクがむしろ高まる。そもそも金利の低下余地が小さいことを考えれば、金利上昇による円高リスクがむしろ高まった感がある。そうなれば、株安に向かうだけである。

日銀の政策が上手くいくためには、実は、資金需要が旺盛であることが不可欠なのだが、その資金需要がマイナス金利下においてさえもないのだから、このような政策が「うまく機能する」との発想にはならない。マイナス金利などはむしろデフレを進行させる可能性もあり、日銀は逆のことをやっているようにも思われる。

むしろ、量的緩和やETFの買入れを止め、市場に任せた方がよいのではないかとさえ感じる。どうやら、日銀は市場をいじりすぎたようだ。もうこれ以上、市場に手を加えないほうが良いのではないだろうか。黒田総裁の発言を聞いていて感じることは、日銀の政策は完全に正しく、市場が理解していないので、理解して反応してほしいというように聞こえることである。

しかし、残念ながら、市場は騙されない。記者会見が始まるとともに、それまで102円台後半だったドル円は、瞬く間に102円前半にまで下落し、会見終了時には101円台半ばにまで下落した。会見のわずか1時間で1円も円高が進んだことが、今回の政策に対する市場の評価である。そして、21日の米国市場では100円割れ目前にまで下落した。この結果を見れば、これ以上論評を評価する必要はないだろう。

■またしても株価下落を嫌がったFRB

一方、21日のFOMCは利上げを見送った。市場の予想通りだったが、一方でこれまでFRB関係者は市場に利上げを織り込ませようと腐心してきたのは何だったのだろうかと感じさせる決定だった。イエレンFRB議長を含め、市場の不安定さを嫌気したことは明白だろう。

今回のFOMCでは、政策金利(現行0.25〜0.5%)の据え置きを決定した。声明では「利上げの根拠は強まっているが、当面の間、物価と雇用の目標達成に向けた進展を示すさらなる証拠を待つことを決めた」とし、年内の利上げ実施に意欲を示したように見える。

景気見通しに対する短期的なリスクについては「おおむね均衡している」とし、海外の下振れリスクなどの懸念がほぼ払しょくされているとの認識を示した。米国経済については「今年前半の緩慢なペースから加速した」と指摘。雇用に関しては「労働市場は強化され、雇用の伸びは平均して堅調だ」とした。

また物価は短期的に低インフレが続くが、中期的には上昇率が目標の2%に達するとの見通しを維持した。さらに家計支出は「力強く拡大している」とする一方、企業の設備投資は「依然弱い」と懸念を示した。利上げ見送りは昨年12月の利上げ以降、6会合連続。決定には7人が賛成し、地区連銀総裁3人が利上げを主張して反対した。これはきわめて異例である。

決定に反対したのは、カンザスシティー連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁。いずれも主要政策金利を0.25%引き上げ、0.5〜0.75%とするよう主張した。前回はジョージ総裁のみ反対していた。今回示された将来の利上げ見通しは、年内は12月の1回だが、早く利上げしたいというのが本音であろう。いかにFRBが株価下落を嫌がっているか、である。

この点において、イエレン議長が会見で興味深い発言をしている。イエレン議長は、米大統領選の共和党候補のドナルド・トランプ氏がFRBの利上げ見送りを「株高を狙うオバマ大統領の意向だ」と批判したことに関し、「金融政策の決定で政治を考慮することはない」と強調した。

その上で、「5年後に公表される議事録を読んでもらったとき、政治的意図を示すものは一切見つからないと保証する」としている。このような発言をすること自体、「見透かされた」ともいえる。

トランプ氏がFRBのスタンスを糾弾している背景には、政治と株価の関係が存在することがある。データによると、1976年以降、10回の米大統領選では、選挙直前約3カ月の株価が上昇した6回中、5回で与党候補が勝利している。逆に株価が下落した4回は全て野党候補が勝利している。株高局面で勝利した野党候補は1980年のロナルド・レーガン氏(共和党)だけである。

このようなデータから、トランプ氏がFRBの利上げ見送りによる「株高維持政策」は、オバマ大統領の入れ知恵だとするのもわからなくはない。これで大統領選前に利上げが実施されることはなくなったため、利上げによる株安が大統領選に影響することはなくなったといえる。

トランプ氏が勝利するには、26日から3回開催されるテレビ討論などで、民主党候補のクリントン氏を上回る評価を獲得するしかないのだろうか。いずれにしても、イエレン議長が政策判断は政治と関係がないと強調していること自体、腹の中では実際に相当意識しているということであろう。

■今の日本株に上昇する気配は感じられず

日銀にしても、FRBにしても、中央銀行は、市場の動きを気にし過ぎているように感じられる。FRBはまだ市場にフレンドリーな政策を講じているようにみえるが、日銀は「愚策」の連発で、むしろ最近は円高・株安を自ら演出しているように見える。

その結果、市場は短時間で乱高下し、方向感がわからなくなっている。本来あるべき水準や方向が、中銀の政策と市場参加者の思惑で捻じ曲げられているように感じる。

しかし、それも長期的に見ればノイズでしかないのだろう。本欄で繰り返しているように、向かうべき方向は決まっているように思われるが、それを延命させているのがFRBであり日銀である。

今や、欧州発の銀行危機が現実のものになりつつあるとも筆者は想定するが、FRBも日銀も直接的に対応できないこうした事態がトリガー(引き金)となるのか、あるいは大統領選の予想外の混乱が市場を震撼させるのか。あるいはその両方が起きるのか。いずれにせよ、市場のリスクはまだ多く残っている。

ドル円はこれまで重要な節目の100円を維持してきたが、今回割り込んで90円台に入ると、重要な節目の決定会合の後ということもあり、これまでのような動きとは異なるパターンになる可能性があるとみている。22日に当局は円高けん制をしたものの、再び100円割れとなった時にどんな手段をとるのだろうか。

また日本株についても、多数の投資家の目安となる日経平均についてみれば、今回の日銀の発表後の株高でも1万7000円以上のコールオプション(あらかじめ決められた価格で買う権利の売買)がほとんど動かなかった。

つまり、これは、いま市場では上値を買う意欲はほとんどないことを意味している。今回もドル円は日銀の想定外の動きになったようだが、本来調整があってしかるべき日本株をETF(上場投資信託)買いで支えるのにも限界がある。

日本企業の利益水準などから見ても、100円のドル円水準で正当化できる日経平均の水準は1万4000円であると筆者は想定しているが、そのことを再認識しつつ、今後の展開を見ていきたいと考える。
 

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コメント
 
1. 佐助[3812] jbKPlQ 2016年9月23日 21:33:18 : YyFqctxLUM : RkE@WzD8vQM[39]
一時的に通貨も株も安定させられるし,その後,株の騰げ可能

「背景」
通貨も株も、会議や宣言では安定できないのに、1936 年、世界の金の50%を保有するドル・ンド・フラン三国が、バラバラに「貿易決裁に金使用」を約束したら、為替が安定。それなのに、第二次大戦の武器輸出で、ドルが世界の金の75%以上を保有した8年後の1944 年の国際会議でヤット、世界の基軸通貨がポンドからドルヘ交代した。

金は高騰すると、世界の基軸通貨額と金価格が1対1となり高値で安定する。そして人間は、金と1対1になった通貨を、紙切れでなく金と同じ価値をもつと連想。金を保有しない各国通貨もドルとリンクさせるので、為替は固定化できる。


今回の信用収縮では,「発行する国債又は通貨発行高を保有する金とリンクさせる」とドルとユーロが約束すれば、為替の乱高下と、国債をデフォルトする危機は収束できる。

でも、米国の政治と経済の指導者は、円が一ドル60 円台を越えるか、欧州連合の一国で債券がデフォルトされるか、新興国のバブルが弾けなければ、金とリンクすることを決意しない。

そこで,最初からドルとユーロが一緒に、債券や通貨発行高を金とリンクさせれば、より長期間安定できるのですが、ユーロは「ドルの寿命を延命させるだけだとか、自己責任をとらない国は除名脱退すればよい」と、お互いのテレトリー(縄張り)の既得権益擁護が障害となり、簡単に収束できないのです。

「日銀は国民からキンをプレミヤムを付けて買上げる」と宣言する。
そこで、33 年のルーズベルト大統領にならい、金の輸出輸入を国家管理にし、原価百円の1万円札紙幣で、国民から金価格相場にプレミヤムを付けて買上げると、円は間違いなくドルとユーロと共に、25%の金を保有して、第三の基軸通貨となる。

そして、現在進行形の第二次世界恐慌は、今回はドル・ユーロ・円が、世界の75%の金とリンクすることで収束できる。

日本は金を国民からプレミヤムを付けて買上げて通貨をバラまくと、デフレ(物価の下降)を解消できます。

日本の経済学が、欧米の経済学のコピーで権威を保っているし対米従属主義なので、怪我の功名的提案はないかもしれない。

そのために、地方銀行の取り付け騒ぎや倒産が避けられなくなる。そして、予告どおり全国の銀行のモラトリアムが世界中で発生する。

そしてドルの暴落は止まらなくなり,元は中国解体とバブル作裂と、シーラカンス銀行のデフォルトの三つの危機に直面し2025年までに自壊する。

これをすべて解消させられるのは,次期産業革命しかあり得ません。


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