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日米中銀が正反対な動き、投資家は板挟み
FRBの利上げ見通しと日銀の緩和策強化は市場を混乱させる恐れも
日銀は21日、金融緩和策を強化した
By JUSTIN LAHART AND ANJANI TRIVEDI
2016 年 9 月 22 日 11:16 JST
日本銀行は経済再生のための新たな対策を講じ、米連邦準備制度理事会(FRB)は今後の利上げに向けて地ならしを行った。世界で最も強い影響力を持つ中央銀行の中の2つが正反対の方向に動くなか、投資家は板挟みになるだろう。
これによって世界の資金の流れに大きな変化が生じ、米国の金利が上昇あるいは下落して金融市場が混乱する恐れがある。そうなれば両中銀のこれまでの努力が無に帰す。
日銀は21日、金融緩和策を強化し、通常は投資家が支配する長期債市場のコントロールに乗り出す意向を事実上示した。価格を問わず一定量の国債を購入してきたこれまでの政策から方針を転換したことになる。
日銀はまたインフレに関する表現をさらに強め、物価上昇率が目標である2%を超えること目指すと発表した。
特に10年物国債の利回りを0%程度に誘導する措置は投資家にとっては計算方法を変えるものであり、債券・株式・為替の各市場をさらにゆがめる可能性がある。自発的に買おうという人間はもはやいない。いるのはプライスセッターだ。
日銀の目的は長期金利もプラス圏にとどめて、年金基金や銀行、保険会社から長期金利低下の不安を取り除くことにある。投資家はその点を理解しており、21日には日本の金融機関の株価が平均で6%上昇した。
しかし日銀が実験的な領域でさらに歩みを進めた結果がどうなるかはまだ分かっておらず、物価を再び上昇させるという目標は依然として遠い。経済協力開発機構(OECD)が21日に指摘したように世界経済が依然として「低成長のわな」にある状況ではなおさらだ。
一方、FRBは年内の利上げの可能性を強く示唆した。2日間の会合の後に発表された声明によると、利上げの根拠は「強まった」。ただ、見通しでは、会合に参加した17人のうち3人を除いた全員がフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の中央値を年内に少なくとも25べーシスポイント(bp)引き上げるべきだとした。しかも金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ3人――これは異例ともいえる多さだ――が利上げを支持し、利上げの見送りに反対票を投じた。
FRBに利上げの意思があるのは明らかだが、実際に利上げに踏み切れるかどうかは分からない。時期尚早の利上げは遅きに失するよりはるかに危険との信念がFRBにあることを考えると、FRBが計画を考え直すのにあまり材料はいらないかもしれない。実際、21日の先物市場では年内利上げの確率は50%をわずかに超える程度だった。
日銀とFRBが取ろうとしている政策は市場をリスクにさらしている。日本のリスクは、日銀がイールドカーブに口を挟むことでイールドカーブの安定感がかえって損なわれるか、投資家が日銀の決意を試したり、日銀にコントロールの意思がない市場を上昇させて対策を回避しようとしたりすることである。
米国では投資家はFRBの意思を真剣に受け止めていないかもしれない。昨年の利上げ前と同じ過ちを繰り返し、不意打ちを食らうリスクに自らをさらす可能性がある。
しかしそれ以上に大きなリスクが、世界の2つの主要中銀が同じ時期に全く違う行動を起こそうとしていることから生じる可能性がある。
例えば、長期債利回りを誘導目標とする日銀の政策は、日本の投資家の米国債への投資意欲に変化をもたらすだろう。その結果、米国の長期金利に影響が及ぶ。日銀が2%の目標値を上回る物価上昇を目指す方針を通じ、長期にわたって短期金利をマイナス圏に据え置くことを示唆する一方で、FRBが短期金利の利上げを計画している。この結果、世界の資金の流れが変わる恐れがある。
FRBが慎重を期し、日銀が緩やかに戦略を変更したことは、中銀がこれまで自分たちの支配下にあった市場に対して謙虚になったことを示している。一方の投資家は当局より自信があるようで、株式市場や債券市場を過去最高の水準に押し上げている。
最後の貸し手が懸念しているなら、投資家もまた懸念すべきである。
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ワシントンにある米FRB本部 ENLARGE
ワシントンにある米FRB本部 PHOTO: BLOOMBERG NEWS
By MICHAEL S. DERBY
2016 年 9 月 22 日 05:13 JST
【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は21日、今年の経済成長予想を引き下げ、長期的な成長についても従来の想定より緩やかになるとの見通しを示した。また、将来的な利上げペースの予想も再び下方修正した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)と併せて公表された当局者の見通しによると、今年の成長予想中央値は6月時点の2.0%から1.8%に下方修正された。来年の予想は2.0%で維持したが、長期的な見通しは2%から1.8%に引き下げた。
FRB当局者は引き続き、年内に1回の追加利上げする考えを示した。だが今回の会合では政策金利の誘導目標を昨年12月から据え置いている0.25〜0.50%で維持したため、今年残り2回の会合のいずれかで利上げしなければならないことになる。
「ドットチャート」として知られる金利見通しでは、当局者が来年2回の利上げを想定していることが明らかになった。今回の会合では3人の参加者が利上げを主張して反対票を投じた。
FRB当局者はこの1年、金利軌道の見通しを徐々に引き下げている。2015年末時点では、今年約4回の利上げが見込まれていた。長期的には引き続き、金利の誘導目標が3%前後に引き上げられるとの予想を維持している。
FRBが利上げに踏み切れずにいる背景には、今年上期の経済成長が想定外の弱さとなったほか、インフレ率が依然として目標の2%を下回っており、雇用の伸びもまちまちとなっていることがある。
FRBの長期成長見通しは、当局者らが米国経済の潜在成長率がどの程度になり、これが金融政策にどのような影響を及ぼすかを議論する中で引き下げられた。足元については、経済成長が年初の厳しい出だしから回復していると大半のエコノミストは確信している。
今年の失業率の予想中央値は6月時点の4.7%から4.8%にわずかに引き上げられた。2017年については現在4.9%の失業率が4.6%に低下すると見られている。長期失業率の予想は4.8%で据え置かれた。
当局者は引き続き、インフレ率が目標に達するにはしばらくかかると見ている。今年の個人消費支出(PCE)価格指数予想は6月の1.4%から1.3%に引き下げられたが、2017年には1.9%に上昇し、その後2018年に目標の2%を達成するとの見通しが示された。
金利のドットチャートをめぐっては、賛否の対立が激しさを増している。15年末に利上げを開始して以来、FRB当局者は予想される利上げ回数を徐々に引き下げており、多くの市場参加者が誤解を招く情報を与えられたと苛立ちを感じている。
また、セントルイス地区連銀のブラード総裁をはじめ、FRB当局者の中からもドットチャートに反対の声が上がっている。ブラード総裁は、金利予想はトレーダーや投資家、そして国民に逆効果を与えるシグナルだとして、公表の中止を求めている。また他の当局者は、金利軌道に関する不確実性を明示する形にチャートを変えるよう望んでいる。
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イエレン議長(写真)率いるFRBは21日、政策金利を据え置いた。ただ、FOMC声明では年内の利上げをまだ期待する反対意見があることが示された ENLARGE
イエレン議長(写真)率いるFRBは21日、政策金利を据え置いた。ただ、FOMC声明では年内の利上げをまだ期待する反対意見があることが示された PHOTO: ASSOCIATED PRESS
By JON HILSENRATH and DAVID HARRISON
2016 年 9 月 22 日 04:09 JST
【ワシントン】米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、政策金利を据え置いた。ただ、連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した声明では、年内の利上げをまだ期待する反対意見があることが示された。
FRBの姿勢は、インフレ率が目標の2%を下回り続け、失業率が5%弱という低水準を維持している中では、いまのところ利上げを急務だと感じていないことを明らかにした。
さらに、FRB内の見解の相違を調整しようとするイエレン議長の課題も浮き彫りになった。直ちに利上げに踏み切りたい政策担当者がいる一方、年内の利上げは全く必要ないとの見方もある。
声明では、「(FOMCは)FF金利引き上げの根拠が強まったと判断した上で、いまのところ委員会の目標に向けた進展継続のさらなる証拠を待つことに決めた」とした。
FRBが公表した見通しによると、12月までにFF金利の誘導目標を0.25%引き上げ、0.50〜0.75%にすることを予想したのは17人中10人だった。3人は年内利上げを見込んでいない一方、4人は年内に1回以上の利上げを期待している。今後の動きをめぐりFRB内部で意見のばらつきが大きくなっているようだ。
カンザスシティー連銀のジョージ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁は、今会合での利上げが望ましいとしてFOMCの政策行動に反対票を投じた。イエレン議長の指導力に逆らう珍しい動きで、FRB内の見解の相違を浮き彫りにした。
FRBは政策金利の変更には我慢強さを示したものの、経済情勢に関する表現はおおむね強気で、利上げの根拠が強まったとする主張をあらためて強調した。
経済の見通しに対するリスクをFRB当局者があまり警戒しなくなったので、年内に利上げする可能性が出た。今年に入り、英国の欧州連合(EU)離脱決定、中国経済の先行き不透明感といった米国外の問題に当局者は懸念を募らせていた。
FRBはFOMC声明でリスクが「おおむね均衡してきた」との見方を示した。これは経済指標がFRBの予想を上回る確率と下回る確率が同程度であることを指す表現だ。
このリスク評価は、FRBが向こう数カ月での利上げを視野に入れているかどうかをみる手掛かりになる場合が多い。
次回のFOMCは11月1・2日だが、米大統領選を翌週に控え動くことはないだろう。したがって、利上げするならば12月半ばのFOMCが年内最後の機会となる。
FRBが21日に発信した全体的なメッセージは、利上げは極めて緩やかなペースで行うという約束をこれまで以上に強く示すものだった。
当局者の予想の中央値によると、17年にFF金利の誘導目標を2回にわたり0.25%引き上げ、1.00〜1.25%にすることが見込まれている。18年は3回の利上げで誘導目標を1.75〜2.00%に、19年には3回の利上げで2.50〜2.75%にすると予測されている。
FRBは6月時点の見通しより緩やかな利上げ経路を見込んでいることになる。6月時点では16年中に2回、17年に3回、18年に3回の利上げを予想していた。1年前には、利上げを16年に4回実施するとみていた。FF金利の誘導目標は昨年12月から0.25〜0.50%に据え置かれている。
一部のFRB当局者は、4.9%という低水準の失業率は経済にインフレを抑えるスラック(余剰資源)がほとんどないことを示すもので、利上げ時期が到来したとみている。
ただイエレン議長はそうした主張とインフレ率が低く雇用市場は安定しているとの見方の釣り合いを取る必要があった。
失業率は今年、あまり動いていない。これは経済のスラックが減るペースが以前より緩やかなことを示し、政策金利を慎重に調整する上でFRBの裁量余地を拡げたもようだ。
この主張が通り、FRBは景気判断で失業率の安定に言及した。FOMC声明は「ここ数カ月で失業率はほとんど変化していないが、雇用の伸びはおしなべて堅調だ」とした。
今回の政策声明は、先月ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた年次経済シンポジウムでのイエレン議長の講演の焼き直しだ。イエレン氏はジャクソンホールで、利上げの根拠は強まったと語っていた。ただ同時に、米国経済は海外での予想外の混乱に影響を受けやすいとの主張を肯定したかたちで、FRBの見通しへの不透明感も強調した。
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【FOMC政策声明】現状維持、利上げ根拠の強まり認識−賛成多数
2016 年 9 月 22 日 04:02 JST
米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)が9月21日に発表した政策判断の声明は次の通り。
FOMCが7月の会合以降に入手した情報は、労働市場が引き続き強まり、経済活動の成長が今年上期に見られた緩やかなペースから上向いたことを示している。失業率はここ数カ月ほぼ横ばいだが、雇用の伸びは平均して堅調となっている。家計支出は力強く伸びているが、企業の固定投資は引き続き弱い。インフレは先のエネルギー価格の下落と非エネルギー輸入品価格の低下を一部反映し、委員会の2%の長期目標を引き続き下回った。相場に基づくインフレ見通しは引き続き低く、大半の調査に基づく長期的インフレ期待はここ数カ月総じてほとんど変わりがない。
法定の使命に沿い、委員会は最大限の雇用と物価の安定を促そうと努めている。委員会は、金融政策姿勢の段階的な調整をもって、経済活動が適度なペースで拡大し、労働市場の状況がさらに若干強まると予想している。先のエネルギー価格の下落が一部原因となり、インフレは当面低くとどまる見通しだが、エネルギー価格と輸入物価の過去の下落がもたらす一過性の影響が消え去り労働市場がさらに改善するにつれ、中期的には2%に向かい徐々に上昇すると委員会は見込んでいる。経済見通しに対する当面のリスクはほぼ均衡しているように見える。委員会は引き続きインフレ指標と海外の経済および金融動向を注視する。
こうした背景に照らし、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標水準を0.25〜0.50%に維持することを決定した。委員会はFF金利引き上げの根拠が強まったと判断した上で、いまのところ委員会の目標に向けた進展継続のさらなる証拠を待つことに決めた。金融政策姿勢は引き続き緩和的で、その結果として労働市場環境の一層の改善と2%のインフレへの回復を下支えする。
FF金利の目標水準に対する今後の調整の時期と規模を決めるにあたり、目標とする最大雇用と2%のインフレに対し、実現したものと予想される経済情勢について委員会は評価する。この評価では、労働市場環境の尺度やインフレ圧力とインフレ期待の指標、金融および国際情勢に関する諸指標をはじめとする幅広い情 報を考慮する。インフレが現在2%を下回っていることを踏まえ、委員会はインフレ目標に向けた実際の進展と予想される進展を注視する。委員会は、経済情勢がFF金利の段階的な引き上げしか正当化しないかたちで展開すると予想している。FF金利は当面、長期的に主流となる見通しの水準を下回り続ける可能性が高い。しかし、FF金利の実際の経路は、今後の指標が示す経済見通しに左右されるだろう。
委員会は、エージェンシー債とエージェンシー が発行した住宅ローン担保証券の持ち高の償還元本を、エージェンシーが発行する住宅ローン担保証券に再投資し、入札時に償還期限の来る米国債を更新する既存の政策を維持し、FF金利水準の正常化が順調に進行するまでそうし続けることを予想している。委員会の大規模な長期債の持ち高を保つことで、この政策は 緩和的な金融環境の維持に役立つはずだ。
FOMCの金融政策行動に賛成した委員は以下のとおり。ジャネット・イエレン議長、 ウィリアム・ダドリー副議長、ラエル・ブレイナード、ジェームズ・ブラード、スタンレー・フィッシャー、ジェローム・パウエル、ダニエル・タルーロ。エスター・ジョージ、ロレッタ・メスター、エリック・ローゼングレンは、今会合でFF金利の目標水準を0.50〜0.75%に引き上げることが望ましいとして反対した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiDt_SH4aLPAhUJ_mMKHdN8A7cQqQIIHzAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10616159211553144711104582328130099856196&usg=AFQjCNF6j0y0I5SgOR40QD9_FdFBZcL9Jw
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