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経済コラムニストの大江英樹氏
貧困・病気・孤独…定年後の3つの不安解消、50歳を過ぎたら準備を始めよう
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160921-32983265-bpnet-life
nikkei BPnet 9月21日(水)9時9分配信
皆さんは定年後、今までと同じように働いていると思いますか? それとも、テレビを観ながら居間でゴロゴロする生活をしていると思いますか? どちらが幸せだと思いますか? 「いい加減、会社勤めは疲れたし、働かずにのんびりしたい」という方もいらっしゃるでしょう。
でも、私の小さな人間関係の中で、という前提条件で言わせていただくと、定年後も何らかの形で働いている人の方が、幸せそうに見えます。そして、そういう人たちに共通しているのは、やむを得ず働いているのではなく、積極的に定年後も働く方を選んでいることです。もっと言えば、定年後も楽しそうに働いている人は、定年を迎える前から、その準備をしています。
どうしたら、楽しいセカンドキャリアを作れるのでしょうか。御年64歳。経済コラムニストとして執筆活動、講演活動に勤しんでいる大江英樹さんに話を聞いてみましょう。(取材・文/鈴木雅光)
「40代から50代の人は、ほとんどが自分の老後に対して、不安を抱いていますね。だから僕はこう言うんですよ。老後の不安を解消したいなら、老後を無くしてしまえばいいってね」
確かに!もう断然、納得なのですが、老後を無くすとは、つまり死ぬまで現役で働けろと?
「老後の不安って、大体次の3つに集約されます。それは貧困、病気、孤独なんですね。しかも、貧困と病気はイメージできても、孤独は実感できない人が多い。それは今、現役の会社員で、同僚や上司、部下に囲まれた生活をしていますから、当たり前のことです。でも、定年になってごらんなさい。突然、誰もいなくなる。しかもビジネス戦士として働いていた男性は、何十年も自分の住んでいる地域のコミュニティに関わっていませんから、仲間に入りにくい。最後の拠り所の妻は、友達と旅行に行ってしまう。孤独でしょ。だから、生涯現役で働くのです。そうすれば、3つの不安からは解放されます」
なるほど。働き続ければお金の問題は解消されるし、健康も促進されるし、一緒に働く仲間がいるから孤独にもならないというわけですね。ところで、今はいろいろなメディアで活躍している大江さんですが、以前は大手証券会社に勤める普通の会社員でした。定年前、自分のセカンドキャリアのことをどう考えていたのでしょうか。
「54歳までは、定年になったら一切仕事はしたくないって思っていましたよ。映画やコンサート、旅行など、なかなか時間が無くてできなかったことをしようと思っていたのですが、57歳くらいになった時、ふと思ったのです。このまま“サンデー毎日”(毎日が日曜日)になったら、本当に楽しいのかいなってね。だから、会社の再雇用制度を利用して、65歳まで働こうと思ったのですが、会社の先輩が再雇用で働くのを見て、考えが変わりました。テンションが大きく下がるのを目の当たりにしたのです。会社員の働くモチベーションは給与ではなく、自分の責任と権限が広がることにあるのですが、再雇用で平社員になると、責任と権限があいまいになります。結果、働くモチベーションが大きく落ちてしまうのです。それに気付いて、再雇用で働くのは止めようと考えなおしたのが、定年になる半年前でした。結局、後任への引継ぎなどいろいろあって、本当に辞めたのは定年から半年後でしたが、再雇用の道を選ばなくて良かったと思いますね」
■様々な集まりに参加し人と交流する
再雇用を選ばないとしたら、自分で仕事を探さなければなりません。これはこれで大変な気もするのですが……。
「60歳以降の働き方は、好きなことをするのが一番大事です。経済的な不安を口にする人もいますが、60歳ともなれば多少の貯蓄はあるでしょうし、退職金もありますから、すぐに食えなくなることもありません。だから、まずは好きなことをしましょう。稼ぐ、稼がないは二の次です。セカンドキャリアで大事なことは、それまで勤めてきた会社のくびきから外れることであり、それが老後の幸せにつながります。ところが、65歳まで再雇用で働いたら、その間にテンションが落ちてしまい、そこから先は働けなくなります。だったら、再雇用で働くのではなく、まず自分の好きなことを始めてみる。それがどこかで仕事につながっていけば、生涯を通じて働き続けることができます」
でも、自分の好きなこと、得意なことは何か、分からない人もいると思います。
「会社員って、与えられた仕事をこなすだけだから、自分の得意なことが何か分からない人が大半です。でも、自分の能力って自分が決めるのではなくて、人が決めるものなのです。だから、自分の能力を知りたかったら、自分の能力を正確に理解してくれる人脈を持つ必要があります。現役であれば、それは上司であり、同僚であり、部下なのですが、定年になると会社内の人脈が無くなるので、できれば50歳から55歳までの間に、外部の人脈を作ると良いでしょう。そのためには、いろいろな活動に顔を出してみることです」
ちなみに、大江さんは外部人脈を作るのに、どんなことをしたのでしょうか。
「それこそ、趣味の集まりから読書会、あるいは投資信託の積立で資産形成を目指している個人が集まっているオフ会にも参加しました。当時、私は大手証券会社で確定拠出年金の担当をしていたので、そこで出会った人たちに仕事の話をしているうちに、『年金の勉強会をしたいので、講師をして下さい』といった話がポツポツ来るようになったのです。もし、話の内容が面白くなければ、もう二度と呼ばれることはありませんし、逆に面白ければまたお声が掛かります。私の場合、幸いにもお声がけいただき、その後も順調にその仕事が増えていったので、自分の能力がどこにあるのか分かりました。とにかく、自分の能力を知りたかったら、どんどん社外の人と交流を持ち、人脈を作った方が良いでしょう。ただし、異業種交流会の類は名刺の交換をして終わりなので、ほとんど参加する意味はありません。大事なのは、繰り返しになりますが、自分の能力をきちっと評価してくれる人脈を築くことなのです」
■若手起業家の会社を手助けるのもいい
ただ、大江さんのように「確定拠出年金のプロ」と言えるものがない、ごく普通の会社員の人たちは、いくら外部に人脈を作ったとしても、見出してもらうべき能力がないとあきらめている人が、少なくないのではないでしょうか。
「会社って、営業のプロ、総務のプロ、経理のプロ、財務のプロ、人事のプロ、広報のプロ、企画のプロというように、さまざまな部署が集まって作られた組織ですから、特定の部署に配属され、そこで経験を積んでいくうちに、その道のプロになっていきます。日本の会社は、ローテーション人事で、さまざまな部署を経験させますから、そのなかで自分が最も得意だったものは何かを考えてみれば良いでしょう。『自分はこれが得意だったな』などと思いつくものがあったら、それに関連した話を外部の人たちに振ってみるのです。そうすれば、人手が足りないところがあった時、ひょっとしたら声を掛けてくれるかも知れません。20代、30代の若手起業家が経営している会社などは、きっと特定の分野で長年の経験を積んでいる人を求めているはずです。60歳以降、そういう会社に勤めて、自分のこれまでの会社員経験で得たノウハウを伝えていくのも、セカンドキャリアとして魅力的だと思います」
大江さんによれば、セカンドキャリアを作る準備は、できれば50歳から。遅くとも55歳には始めるべきだとのこと。
「40代は、まだまだ会社のポジションを巡って競争の最中にいるわけですが、52歳、53歳くらいになると、昇進する人はしますが、そうでない人は先が見えてくるわけです。だから、50代で自分の先が見えたと思ったら、会社至上主義は捨てて、自分にとっての新しいステージに向かって進むべきでしょう」
皆さんはどうですか。「もう、ここから先は出世もないな」と思ったら、会社への忠誠心なんて持つ必要はありません。もっと楽しい、自分のセカンドキャリアを目指して、新しい一歩を踏み出してみては、いかがでしょうか。
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