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プロテラが発表した「ケータリスト・エナジー・エフィシエンシー(E2)」(Proterra)
100%電動化を目指す自動車業界、一番乗りはバス業界かもしれない?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160918-00013591-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 9月18日(日)14時0分配信
ガソリンから電気という自動車のエコシステムの変化の中では、乗用車ばかりが注目を集めている。しかしバスにも、環境により優しい電動タイプが登場しつつある。
運輸業界向けの電気自動車メーカーであるプロテラ(Proterra)は米公共交通協会(APTA)の年次総会で、新たな旅客バス「ケータリスト・エナジー・エフィシエンシー(E2)」シリーズを発表した。
E2はバッテリー式の電気バスで、乗客スペースを減らすことなく440kWhから660kWhのバッテリーを搭載可能。1回のフル充電で最大600マイル(約965km)の走行が可能で、これは米国内のバスが1日に走行する、ほぼ全てのルートの距離をカバーする。
「我々は、ガソリン式の公共交通システムを妥協せずに電気式に置き換えるという需要に100%応えることができる」と、プレトラのマット・ホートン上級副社長は言う。
現在米国内を走行している大型バスは、およそ7万台。このうち毎年5,000〜6,000台が買い替えられる。バッテリー価格が下落し、各メーカーが1日の走行距離をカバーできるだけのバッテリーを作れるようになるのを待っていた各自治体にとって、E2は状況をがらりと変え得る存在だ。
プロテラの独自仕様のバッテリーパックは、環境によって194〜350マイルの走行が可能で、サイズにもよるが最短で10分で再充電できる。
だがバス業界をガソリンから電気に変えるのにはコストがかかる。従来のディーゼル燃料式のバスの平均価格は1台45万〜50万ドル(約4,600万〜5,100万円)。一方、プロテラのバスは1台74万9,000ドル(約7,635万円)とディーゼル式よりも高い。それでも長い目で見れば、差額を相殺できるだけのコスト節減ができる。
ディーゼルバスの燃費性能は4mpg(マイル/ガロン)だが、E2はガソリン換算で22mpgを実現する。燃料コストが安く済み、温室効果ガスの排出量も減らせる。また完全バッテリー式電動車両のため可動部品が少なく、修理やオイル交換がより少なくて済む。プレトラによれば、購入から廃車になるまでに、1台につき燃料やメンテナンス費40万ドル(約4,077万円)以上を節約できるという。
「E2は加速もより速い」とホートンは言う。「テスラほどではないが、ディーゼルバスよりは優れている」
■生産工場を拡大へ
プレトラではこれまでに輸送車両300台以上を販売しており、オプション契約もほぼ同じ数ある。だが既存のバスとの置き換えの機会を狙う他メーカーとの競争にも直面している。ロサンゼルス郡都市圏交通局は、中国メーカーの比亜迪汽車(BYD)から最大25台の電気バスを購入する契約を締結。テスラのイーロン・マスクCEOも、今後発表予定のトラックと並んで電気バスについても開発中だと明かしている。
だがホートンは、プレトラにとって真の課題は事業の拡大だと言う。これまでのところ、イリノイを拠点とするバス車両メーカーのモリーン(Moline)からプロテラの電気バス80台近くを生産。2017年には生産量を倍増させる見通しのため、既存のサウスカロライナ州グリーンビルの工場に加えて、カリフォルニア州シティ・オブ・インダストリーに新たな工場を開設予定だ(いずれの工場も現在の生産能力は年間500台)。
2016年の売り上げは既に前年から220%増加しており、しかもここにはE2の新規注文は含まれていない。だが、年間売上高と同じくらい重要なのが、E2が運輸業界に及ぼす影響だ。
「最初に100%バッテリー式の電動車両化を果たすのは、大型輸送車両市場だと予想されるため、これはきわめて重要だ」とホートンは言う。「そして電動車両化に向けて同業界が使用するのが、まさにE2のようなタイプの車両なのだ」
Liane Yvkoff
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