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主要国、静かに「財政拡大」へ方向転換
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対峙するEU支持派とEU離脱派のデモ隊(9月)
By GREG IP
2016 年 9 月 15 日 18:23 JST
世界は何年にもわたって、中央銀行が経済成長てこ入れに向けあらゆる政策手段を動員してくれるのを頼みとしてきた。ところがいまや中銀の手段は限界に達し、今度は政府が静かに存在感を増しつつある。リセッション(景気後退)終了以降で初めて、先進国は一斉に緊縮財政から積極財政へと軸足を移し始めた。
こうした動きは、「どれほど大きな価値を持つかがあまり理解されていない2016年経済動向ランキング第1位」かもしれない。財政出動の規模は金額としては少ないが、政治の流れが大きく変わったことを示唆している。
全世界的にポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭により、財政赤字削減の政策優先度が下がる一方で減税や労働者層向け手当ての重要性が増している。こうした流れに伴い、中銀は極めて緩和的な金融政策の見直しに動く可能性があり、そうなれば超低水準の債券利回りや株高を支えている前提条件は崩れてしまうだろう。
財政政策の転換は気づかれにくい。なぜなら、政府は少なくとも公約上は債務削減に尽力する姿勢を維持しているからだ。だが数字を見ると、実態は公約通りではないことが分かる。米国、日本、英国などの主要国では、2016年の財政赤字が前年比あるいは当初目標比で増える見通しだ。JPモルガンのエコノミストらは、今年は09年以来初めて財政政策が先進国の経済成長率の押し上げ要因になるとみている。
財政支出の成長率への寄与度(赤:日本、黄:ユーロ圏、青:米国、グレー:英国)
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こうした景気支援効果は来年には消えるもようだが、政治情勢などによって予想とは違ってくる可能性もある。特に米国の場合、大統領選の民主・共和両党候補はどちらも借り入れの拡大を示唆している。共和党候補のドナルド・トランプ氏は13日、育児費用に対する課税所得控除や有給出産休暇など、一連の子育て支援策を導入する考えを示した。こうした財政出動は共和党の政策としては珍しいが、同氏は財源を明らかにしていない。
財政政策の流れが変わった直近のきっかけは、英国が6月23日の国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたことだ。国民投票の結果を受けて広がった不透明感は世界の経済成長を脅かしただけでなく、有権者が経済の現状にどれだけ不満を抱いているかを中道派に警告することにもなった。
国民投票後、当時のオズボーン財政相は2020年までに財政黒字を達成するとの目標をすぐさま取り下げた。それでも同相はメイ新首相に更迭された。メイ首相は与党・保守党をよりポピュリスト的な方向に導き、財政赤字削減はこれまでほど重要視されなくなった。
同じようなことはユーロ圏でも起きている。欧州委員会は7月、EUの財政規定の違反が続いているポルトガルとスペインに対し、罰金を科さないことを決めた。
ドイツのショイブレ財務相 ENLARGE
ユーロ圏加盟国の債務を事実上監視しているドイツのショイブレ財務相は、この決定を支持しただけでなく、自国の引き締め路線も緩和したのだ。2017年には20億ドル超の減税と児童手当の増額に踏み切り、18年にはさらに170億ドルの減税を実施すると約束した。
確かに、これらの措置は規模が小さく、ドイツの財政黒字が増えない程度の影響しかない。だが、ピーターソン国際経済研究所のヤコブ・キルケゴール氏は、黒字がさらに拡大するかもしれないとみている。メルケル首相は、反移民を掲げる新興政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の台頭で支持率が低下しているため、「焦りが見られる党内を落ち着かせるために減税が必要だ」とキルケゴール氏は言う。来年はフランス、ドイツ、オランダで選挙を控えており、スペインとイタリアでも選挙になる可能性があるため、債務削減意欲は一段と後退しそうだと指摘している。
日本では、英国のEU離脱決定に加え、日銀が1月に導入したマイナス金利政策が想定通りに機能せず、円高・株安を招いたことが財政出動のきっかけとなった。安倍晋三首相は8月、事業規模28兆1000億円の経済対策を発表した。インフラ整備や低所得者への給付金などが盛り込まれ、直接的な効果が期待できる国と地方の歳出(真水)は7兆5000億円となった。
米国では2011年に財政管理法を制定したが、財政規律にすでに緩みが生じている。一方、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は、大学教育からインフラ整備まで、数え切れないほどの歳出拡大策を打ち出している。その大半は富裕層への増税で賄うという。同氏がこれらの策を議会で通過させられるかはまた別の話だ。共和党候補のドナルド・トランプ氏は大規模な財政出動や包括減税を公約しているが、財源の裏付けはほぼない。それでも同氏の公約の一部を共和党が受け入れるのはほぼ確実だろう。トランプ氏の台頭は、財政緊縮に2010年のような政治的エネルギーがないことを証明している。
キルケゴール氏は「低成長が長期化すると、支出を拡大したいと考えるのが政治家の習性だ」とし、「その意味でわれわれは基本に立ち戻ったのだ」と述べた。
中央銀行はそうした転換を手柄にすることもできる。ゼロ金利やマイナス金利の恩恵が薄れ、副作用が拡大する中、成長支援という重荷を担うよう財務当局に強く呼び掛けてきたからだ。中銀がもたらした低金利によって債務返済コストは大幅に減ったため、債務危機のリスクは低下し、財務当局は思いがけない恩恵を受けている。
だが、中央銀行は財政出動を歓迎する一方で、自らの計画を見直さねばならないかもしれない。米国、英国、日本、ドイツでは失業率がリセッション前の水準かそれ以下へ戻っている。これで欧州中央銀行(ECB)と日本銀行は債券買い入れの拡大やマイナス金利の深掘りへの意欲が薄れるかもしれず、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げのペースがやや速まる可能性がある。債券投資家は用心したほうがいい。
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米国債:来週の日銀会合に注目、イールドカーブが世界的に拡大
Wes Goodman、Eliza Ronalds-Hannon
2016年9月16日 05:52 JST
日本の金融政策動向をめぐる観測が世界の債券市場を左右している。日本銀行が20ー21日に開く金融政策決定会合の結果次第でイールドカーブがスティープ化するとの見方を背景に短期債と長期債の利回り格差は世界的に広がっている。
モルガン・スタンレーMUFGセキュリティーズによると、日銀はマイナス金利を強化する一方で長期債の購入規模を縮小するとみられている。
年初来の日本の長期債利回り低下が反転し、イールドカーブのスティープ化が世界的に波及する可能性がある。主要な中央銀行が見解を変更することで、投資家や他国の金融政策当局者の見方にも影響を及ぼす可能性がある。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによるとニューヨーク時間午後4時22分現在、10年債利回りは1.7%、同年債価格(表面利率1.5%、2026年8月償還)は98 1/6。
米5年債と30年債の利回り差は約129ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) と、6月以来で最大となっている。
原題:Traders Agonize Over ‘The Curve’ as Japan Upends World Bonds (3)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-15/ODKBKX6VDKHT01
トランプ氏の経済政策、10年間として過去最多の雇用創出を目指す
Saleha Mohsin、Jeanna Smialek
2016年9月16日 04:13 JST
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/ibcsDLoE5AyM/v2/-1x-1.png
米大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ氏は15日、税制や貿易、エネルギー、規制を抜本的に見直す計画を明らかにし、10年間として過去最多の雇用を創出すると公約した。
ニューヨークのエコノミック・クラブで講演したトランプ氏は10年間で2500万人の雇用を創出する計画を発表した。これは2006年以降にもたらされた雇用の3倍超に相当する。ブルームバーグがまとめたデータによれば、これまでに最も雇用が創出された10年間は2001年4月までの期間で、2440万人の雇用がもたらされた。一方、最悪の10年間は2010年3月までで、この時に創出された雇用は約200万人だった。
トランプ氏は税制政策の具体的なコストについては言及せず、同氏の政策によって米国の成長を妨げる障壁を取り除き、年3.5%の成長を達成していけると言明した。2009年に前回のリセッション(景気後退)が終わって以降、成長率は2%前後にとどまっている。講演前に発表された声明によれば、トランプ氏は数百万人の低所得者層の所得税を免除するほか、社会保障やメディケア(高齢者向け医療保険制度)、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)の支出には手を付けない意向だ。
同氏は「われわれの政策で雇用が創出される。現在失業中の数百万人にとって素晴らしい雇用がもたらされるだろう」と述べた。
原題:Trump Lays Out Economic Vision for a Record Decade of Job Growth(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-15/ODK3WT6VDKHS01
ヘッジファンドに恩恵、年金基金のリスク回避戦略−8900億円流入も
Klaus Wille
2016年9月16日 06:33 JST
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ヘッジファンドへの資金配分はディフェンシブ戦略の一環とCIO
過去10年のリターンはプラス23%からマイナス25%と乱高下
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iORf8iyl0RlA/v2/-1x-1.png
カリフォルニア州教職員退職年金基金(CALSTRS)はヘッジファンド投資を増やす計画だ。リターンの変動性を抑えるのが目的。これによって向こう3年で業界に87億ドル(約8900億円)が流入する公算だ。
CALSTRSは新たに設ける「リスク低減化戦略」という資産クラス向け資金の一部をグローバルマクロ戦略とトレンド追随商品トレーディングのファンドに投資する。同資産クラスへの配分比率は9%を目指す。クリストファー・エイルマン最高投資責任者(CIO)が9日シンガポールでのインタビューで明らかにした。
ポートフォリオの半分以上が株式のCALSTRSは、リターンが2009年はマイナス25%だったのに11年はプラス23%になるなど、大幅な変動に過去10年悩まされてきた。「リターン上乗せを求めてヘッジファンドに投資するのではない。その逆だ。ヘッジファンド投資は実はディフェンシブ戦略だと考えている」と同CIOが語った。
さえない運用成績と高い手数料が嫌気され、ヘッジファンドは敬遠される傾向にある。今年は金融危機以降で最悪の資金流出に見舞われた。逆行するCALSTRSの動きは思いがけない朗報だ。
原題:Hedge Funds May See Up to $8.7 Billion Windfall From Calstrs (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-15/ODJBG06K50Z501
NY外為:ドル下落、米小売売上高の減少で利上げ観測さらに後退
Susanne Barton、Yun Li
2016年9月16日 04:45 JST 更新日時 2016年9月16日 06:24 JST
一連の経済指標、金融引き締めの余地が狭まっていると示唆
次回FOMC、9月20−21日に開催
15日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が続落。8月の米小売売上高が予想以上の減少となったことを受け、早期の利上げ観測が一段と後退した。
8月の生産者物価指数(PPI)は前月と変わらず、鉱工業生産が予想以上に落ち込んだことも金融引き締め期待の低下につながり、ドルは主要通貨の大半に対して下げた。金利先物市場が織り込む来週の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は18%。先週の30%から低下した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場戦略責任者ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は、「来週何らかの行動が起きるわずかな可能性は、弱いデータに消された」と指摘。「予想される金融引き締めのタイミングは12月以降へと押しやられた。ドルへの追い風は吹きやむだろう」と述べた。
米金融当局者から相反するシグナルが相次いで発信され、ドルに強気な投資家はこの数週間、利上げ見通しを見直さざるを得なくなっている。ドルは年初から3.9%下落。今年2回の利上げを予測したFOMCがその通りに行動できないかもしれないとの市場の見方が、ドルの値動きに反映されている。
ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%下落。ドルは対ユーロで0.1%安い1ユーロ=1.1244ドル。対円では0.3%下げて1ドル=102円10銭。
ブルームバーグがまとめたデータによると、金利先物市場が織り込む年内利上げの確率は50%。次回利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が新たな目標レンジの中央値で推移することを前提に、この確率は算出された。
ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、年末までにドルは対ユーロで1ユーロ=1.10ドル、対円で1ドル=105円に上昇するというのが予想中央値となっている。
原題:Dollar Drops as Traders Trim Rate Bets After Retail Sales Fall(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-15/ODK8MU6TTDSM01
米国株:反発、アップルがけん引−原油高でエネルギー銘柄も高い
Anna-Louise Jackson
2016年9月16日 05:29 JST
15日の米株式相場は反発。アップルが一段と上昇したほか、原油価格の反発でエネルギー銘柄が上げた。
アップルは4日続伸し、上昇率は合計で12%を超えた。鉱工業生産指数が予想を上回る低下となり、小売売上高もマイナスとなった。これを受け、金利先物市場が織り込む来週の利上げ確率は20%を下回った。
フィデューシャリー・トラストの最高投資責任者(CIO)、ピーター・アンダーセン氏は「市場は現在、ロジックよりもセンチメントに左右されている。明確なトレンドが待ち望まれている。投資家は日々の指標をみて米金融政策がどう動くか計算し、即座に織り込むしか手だてがなくなっている」と指摘した。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前日比1%高の2147.30で終了。ダウ工業株30種平均は177.71ドル(1%)上げて18212.48ドルで終えた。
原題:S&P 500 Gets Something It’s Lacked as Consumer, Drug Shares Jump(抜粋)
U.S. Stocks Rise on Apple Rally as Oil Advances; Treasuries Fall(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-15/ODKB276VDKHV01
NY原油(15日):反発、ガソリン急伸につれ高−株高ドル安も追い風
Mark Shenk
2016年9月16日 04:24 JST
15日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。ガソリン主導で値上がりした。メキシコ湾岸から米東部につながるコロニアル・パイプラインの再稼働延期で、ガソリンは5月以来で最大の5.1%急伸となった。米国株式市場の反発やドル相場の下落も、原油買いを促した。
シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は「価格の持ち直しはガソリンが率いている」と指摘。「コロニアルのニュースが手掛かりとして指摘されるだろう。ニューヨーク港では供給がタイトになっているかもしれないが、湾岸では供給が増えているということに留意しておいたほうがよい」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比33セント(0.76%)高い1バレル=43.91ドルで終了。ガソリン10月限は6.87セント上昇の1ガロン=1.4302ドル。ロンドンICEのブレント原油11月限は69セント(1.5%)上げて1バレル=46.54ドル。
原題:Oil Rises With Gasoline as Pipeline Shutdown Curbs Fuel Supply(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-15/ODJZZW6VDKHS01
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