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9月14日、日本の国債市場で長短金利差の拡大が止まらない。日銀がマイナス金利を深掘りする一方、金融機関の収益に配慮して超長期国債の買い入れ減額に動くとの思惑が一段と強まっているためだ。2011年8月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)
焦点:広がる長短金利差、市場に警戒感 緩和見送りで反動も
http://jp.reuters.com/article/focus-interest-rates-idJPKCN11K12Q
2016年 09月 14日 19:04 JST
[東京 14日 ロイター] - 日本の国債市場で長短金利差の拡大が止まらない。日銀がマイナス金利を深掘りする一方、金融機関の収益に配慮して超長期国債の買い入れ減額に動くとの思惑が一段と強まっているためだ。
ただ、総括的検証が公表される21日の日銀金融政策決定会合で、追加緩和はないとの見方も浮上、超長期ゾーン金利の急上昇は行き過ぎとの指摘も出ている。
<内外で長短スプレッド拡大、起点は日本>
円債市場で長短金利の方向性が真っ二つに分かれている。2年債から5年債程度までの中短期国債の利回りが低下する一方、10年から40年債までの長期・超長期国債利回りは上昇が止まらない。
14日の市場では、2年債利回りJP2YTN=JBTCが一時前営業日比3.5bp低いマイナス0.280%と7月29日以来の水準に低下。20年債利回りJP20YTN=JBTCは一時同5.5bp高い0.495%と3月14日以来の高水準を付けた。
2年債と20年債利回りの差(スプレッド)は77.5bpに拡大。ほぼ半年ぶりの水準を付けた。9月1日のスプレッドは49.5bpであり、10営業日で28bpの拡大とスピードが速い。
海外市場でも長期・超長期金利が主導する形で長短金利差が広がっているが、市場では、「起点は日本」(アムンディ・ジャパン市場経済調査部長の濱崎優氏)との見方が多い。
日銀の黒田総裁、中曽副総裁が9月初旬の講演でいずれも大規模緩和策のコスト(副作用)に言及。マイナス金利が金融機関の収益を圧迫しているとの認識を示した。またロイターは9日、日銀が利回り曲線(イールドカーブ)のフラット化の修正策を検討すると報じた。
市場では、日銀がマイナス金利の幅を拡大させる一方、年間80兆円ペースで国債を買い上げる現行の金融緩和の枠組みを柔軟化する方向で見直せば、長短金利差は拡大し、大規模緩和のコストは抑えられるとの見方が浮上。円債市場のイールドカーブはスティープニング化の動きを強めている。
<追加緩和なしの見方も>
ただ、市場では、日銀の総括的検証が公表される21日の金融政策決定会合で同時に追加緩和の実施はないとの見方も出ている。
大和証券チーフエコノミストの永井靖敏氏は「7月の日銀会合から一段とリスクが高まっている状況ではなく、今回の会合で追加緩和を実施するかは疑問。日銀は2%の物価目標を達成できる力があり、そのために政策で対応しているという結論になるだろう」との見方を示す。
超長期ゾーンの国債買い入れ柔軟化に関しても「日銀の公式見解では、長い金利の低下を促す政策は効果があるとしてきた。金融機関への副作用は分かっていた話で急に手を打つことはないのではないか」と永井氏はみている。ただ、将来的にコストが大きくなった場合、変化することもあり得るとして転換の手掛かりを示すことは考えられるという。
21日の日銀会合で追加緩和が見送られた場合、緩和期待が残る見通しとはいえ、いったんフラット化への反動が起きる可能性がある。
<超長期金利上昇に行き過ぎ感、日銀の目線はもう少し下か>
実際、市場では、足元の超長期ゾーン金利の急上昇は行き過ぎとの見方が増えている。
JPモルガン証券・チーフ債券ストラテジストの山脇貴史氏は、超長期金利の水準感に関して「日銀は現行水準より下を見ている感じがする。マイナス金利の深掘りもあわせて考えていくと20年債利回りが0.5%を超えて、さらにスティープ化させていくことを日銀は目指しているとは思えない」との見方を示す。
追加緩和に関しても「超長期国債買い入れの減額が前提ではなく、日銀は超長期金利が過剰に上昇したり、過剰に低下したりすることを回避するオペを目指すのではないか」と山脇氏はみている。
ある生保の運用担当者は「運用難に配慮するとの報道は素直に受け入れたいが、実際に超長期ゾーンの国債買い入れを減額することで、どこまで金利が上昇するのか予測ができない。現状は超長期債利回りの水準感が持てず、買い場を慎重に模索する段階にある」と、円債運用に依然として慎重な姿勢を示す。
日銀による総括的検証の内容が明らかになるまでは思惑が交錯することで、ボラティリティが一段と高まる可能性は高い。ただ、長短金利のスプレッドに関しては、今後拡大があったとしても、拡大ペースは緩やかになりそうだ。
(伊藤武文 編集:石田仁志)
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