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9月12日、原油価格が底値から持ち直し、米石油企業は徐々に生産と予算を増やしているが、いったん削減した専門職の人員回復には及び腰だ。写真は原油くみ上げ装置の「ポンプジャック」 。米カリフォルニア州ベーカーズフィールド近くで2014年10月撮影(2016年 ロイター/Lucy Nicholson)
アングル:米石油産業、専門職には「雇用なき回復」
http://jp.reuters.com/article/us-oil-job-idJPKCN11J05I
2016年 09月 14日 09:59 JST
[スプリング(米テキサス州) 12日 ロイター] - 原油価格が底値から持ち直し、米石油企業は徐々に生産と予算を増やしているが、いったん削減した専門職の人員回復には及び腰だ。石油産業のホワイトカラーにとって、今回は「雇用なき回復」となっている。
エリザベス・フーバーさん(58)は損傷した油田パイプを検査する技術職に就いていたが、1年8カ月ほど前に失職した。過去の景気循環と同じく、現在の苦境はいずれ過ぎ去るとの望みを捨てていない。
しかし業界幹部や人員採用専門家など数十人に取材したところ、今回は様子が違うようだ。
統計もこの懸念を裏付けている。過去25年間、エネルギー産業の雇用は原油価格に忠実に追随していた。それが今年は、原油価格が2月の1バレル=26ドル前後から6月には50ドル超に回復し、その後も概ね40ドル以上を維持しているというのに、人員削減が続いている。
米石油産業は価格の下落時に20万人以上を削減した。相場の回復が根付くかどうか現段階で疑問が残るのは確かだが、不透明な状況が長引けば長引くほど、フーバーさんのような技術職の現場復帰は難しくなる。
失業保険の給付期間もとっくに切れたフーバーさんは、何でもいいから給与の得られる職に就くしかないかもしれない、と考え始めている。「エネルギー職探しチーム」という人脈作りのイベントに参加したフーバーさんは「あと1年待つと財布が続かなくなる」と話した。このイベントには毎週数百人が集まっている。
<シェールブームの後遺症>
EOGリソーシズ(EOG.N)やパイオニア・ナチュラル・リソーシズ(PXD.N)など業界大手幹部は生産と予算を増やす方針を示しているが、雇用増には結び付いていない。
人材会社チャレンジャー・グレー・アンド・クリスマスによると、米エネルギー産業の人員削減は1─7月に9万5000人に達し、前年同期の7万人弱を上回った。
企業が採用の再開を渋っている要因の1つが、シェールブーム時の後遺症だ。米国の石油生産は5年間でほぼ倍増したが、多くの企業は現在の石油価格ではカバーできないような多額の債務返済負担を背負いこんだ。
石油価格の急落により、企業が急速なスリム化や技術改善を迫られたという要因もある。新たな油田の掘削とフラッキング(水圧破砕法)にはかつて1カ月以上を要したが、今では半月かそれ以下で済むようになり、必要な掘削要員や専門家の数も減っている。
<専門技術の喪失>
多くのブルーカラー職は建設その他の産業で新たな職に就いているが、専門職は他の業界ですぐに技術をいかせないため、転職が難しい。
求人サイト、インディードのデータによると、ブルーカラーの求人は過去5カ月間で上向いたが、エネルギー産業のホワイトカラーの求人は減り続けている。
多くのアナリストの予想では、企業は原油価格が60ドルを回復するまで大規模な採用を見送りそうだ。ベビーブーム世代の退職により熟練労働者が減り、将来の成長が損なわれるとの懸念があるが、それでも腰は重い。
今のところ、企業は稼動していなリグを再稼働したり、道半ばの油田掘削を完了することによって生産を増やせるが、新たな開発が必要になれば専門職の確保に苦労するかもしれない、と人材専門家は指摘する。
しかし油田サービス大手ハリバートン(HAL.N)の人材担当グローバル・バイスプレジデント、マヘシュ・プドゥチェリ氏は、業界の給与は魅力的なため人材確保に心配はいらないと楽観的だ。石油業界の給与は年間10万ドルを超えることが多い。
同氏はロイターに対し、「別の業界に行かざるを得なくなった人々も、石油と天然ガスの価格が持ち直した途端、われわれの業界に戻ってくるだろう。われわれは人を呼び戻すのに苦労したことはない」と話した。
(Ernest Scheyder記者)
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