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チケット転売ビジネスの裏側〜荒稼ぎする「新たなダフ屋」の手口 買い占めて10倍の値段で売りつける(週刊現代)
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/228.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 14 日 10:07:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

チケット転売ビジネスの裏側〜荒稼ぎする「新たなダフ屋」の手口 買い占めて10倍の値段で売りつける
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49695
2016.9.14 週刊現代


子バレーボールの五輪最終予選が3万円。大相撲の千秋楽が12万円。「嵐」のコンサートは、なんと42万円。プラチナチケットの数々が、ネット上で「超高値」で転売されていることをご存じだろうか。


■「白いダフ屋」

これまで、チケットを高値で転売していたのは、いわゆる「ダフ屋」と呼ばれる人たちだった。しかし、元ダフ屋の男性は、「『新たなダフ屋』が荒稼ぎしている」と語る。

「会場付近で客に声をかけ、チケットを売り買いしている我々のような連中は、通称『黒ダフ』と呼ばれています。ですが、『黒ダフ』は『暴力団の資金源になっている』として、ここ数年警察の規制が厳しく、ダフ屋の数も売り上げもだいぶ減ってきました。

代わりに、『白ダフ』と呼ばれる新興勢力が、インターネット上で『大儲け』しているのです。彼らは、チケット売買サイトで、我々の相場より高値でチケットを取り引きしています。その数はここ2〜3年急激に増えてきた。しかも、彼らのほとんどは、暴力団や業者とは縁のない一般人です」

一般人がどうやってそんな大儲けができるのか不思議に思われるかもしれないが、彼らが利用するインターネットサイトの仕組みは次の通りだ。

まず、チケットを売りたいユーザーが、手元にあるチケットの詳細を登録。その際に、売り手は自由に値段を設定できる。そしてその値段で買い手がつけば、契約は成立。やりとりはネット上で行い、支払いは振り込み。チケットは郵送や直接手渡しして取引が完了する。

このようなチケット売買サイトでは、日常的に数万円から数十万円という破格のチケットが売買されている。

「例えばジャニーズのタレントが多数出演するミュージカル『DREAM BOYS』のチケットは、最高37万円で取り引きされています。今シーズンの巨人-阪神戦のボックスシートも10万円。定価の4倍近くです。ネットを駆使して、高額でチケットを売りさばく。まさに『姿の見えないダフ屋』といったところでしょう」(前出の元ダフ屋)

では、そんな『白ダフ』たちはどのようにチケットを入手し、転売しているのか。年間100万円近くチケット転売で稼いでいるという吉本辰也さん(仮名)が、その「ビジネス」のやり口を語る。

「転売を始めたのは5年くらい前です。行けなくなったコンサートのチケットをオークションに出したところ、たまたま定価より高く売れたことがきっかけでした。それ以来、『これは結構儲かるんじゃないか』と思い、チケットを購入しては転売するようになりました」


■中国人や韓国人も参入

肝心のチケットの仕入れだが、吉本さんは特にイベント関係者とのコネがあるわけではない。

「人気のアイドルやミュージシャンのファンクラブに登録して、ひたすら応募するのが基本です。それだけでは当選確率があまりにも低いので、友人や家族名義の住所も借りてファンクラブに入り、複数口応募しています。

一度当選したらしめたもの。すぐさま売買サイトに情報を登録します。定価1万円のチケットでも、人気アイドルのコンサートやワールドカップの日本戦ともなると、3万〜4万円でも一瞬で売りさばけます。それがいい席だと、『言い値』感覚で値段が付きます」

吉本さんは会社員。転売は「副業感覚」でやっているそうだ。

実際、誰でもネットを使えば気軽に転売できるため、「白ダフ」に手を染める一般人が急増。消費者同士でチケットを取り引きする二次流通市場は急拡大し、いまや500億円の「巨額」に膨れ上がっている。

吉本さんとは別の「白ダフ」がさらに転売ビジネスの実態を明かす。

「市場に出回る転売チケットの9割は、一般人による個人同士の売り買いです。いわゆる高額転売を目的としたチケット販売の『プロ』たちは、実は残りの約1割。この『1割』が悪質で、なかには年間で1000万円くらい荒稼ぎする人もいます。

最近は中国人や韓国人の留学生もこの『1割』のなかに増えてきています。同じ国の人から『儲かる商売がある』と勧められるのです」

なかには高度なテクニックを用いて、チケットを入手している「白ダフ」もいる。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)の会長である中西健夫氏は語る。

「IT業者が大量のメールアドレスを作って会員登録し、自動的にデータを入力するプログラムを用いて、1秒間に数十件の予約を入れ、チケットを買い占めるという事例が頻発しています」

このように、最近チケットの転売で「大儲け」している人が続出しているわけだが、そもそも転売は「違法行為」ではないのか。弁護士法人ALG&Associatesの山室裕幸弁護士は「法で裁くのは難しい」と語る。

「ほとんどの都道府県では、迷惑行為防止条例によって、『公共の場所』でのダフ屋行為を禁止しています。これは、野球場やコンサート会場で、『チケット売るよ』などと話しかけ、チケットの売買を持ちかける行為のことを指します。東京都では、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることになります。

ですが、インターネットを利用した『転売ビジネス』の事例では、この条例を適用するのは難しい。というのも、インターネットは、法律上は『公共の場所』に該当しないからです。現状としては、ネット上での取引を取り締まるのは困難です」


■取り締まりはイタチごっこ

場合によっては古物営業法に抵触するとして摘発されることもあるが、「見せしめ」程度にとどまっている。イベント運営会社も転売目的でのチケット購入を禁止しているが、罰則としてはせいぜいファンクラブを退会処分にするくらいだ。

こうした現状を踏まえ、ACPCをはじめとする4団体は、'16年8月23日の朝日新聞と読売新聞の朝刊に意見広告を掲載。これまで転売によって損害を被ってきたアーティストの所属事務所やイベント運営会社は、こうした二次流通市場の構造そのものに対して怒りをあらわにしはじめた。



この意見広告に名前を連ねたACPCの前出・中西氏は次のように語る。

「高額転売の問題は、転売者の利益のためにチケットが買い占められてしまうことです。そうすることで、本来そのチケットを求めていたファンが入手できないという事態が起こってしまいます。

また、出品価格が転売者によって自由に決められることも問題です。大量に転売する人たちの手で、定価よりはるかに高額な『偽の相場』が形成されてしまう。これは運営会社やアーティストだけでなく、ファンにとっても得にはなりません」

イベント運営会社現役社員も語る。

「チケット売買サイトが『高額転売』のおかげで儲けていることも大きな問題です。彼らは、取引手数料を利用者から取ることで収益を上げています。手数料は、売買価格の数%という形。つまり高値になればなるほど、売買サイトは儲かります」

現在、チケット取引で最も利用されているのは「チケットキャンプ」と「ヤフオク!」の2サイトである。

「チケットキャンプ」の場合、販売価格が定価以上で、かつ8000円を超えた場合、売り手と買い手双方から5%ずつ、計10%の手数料を取っている。たとえば10万円のチケットが取引成立すると、1万円がサイト側の収入になる。

見方によっては、ダフ屋たちに場所を提供することで「手数料」を稼いでいるようなものであり、ダフ屋の「片棒」を担いでいると批判するイベント業界関係者も少なくない。

こうした現状について、当のチケット売買サイトはどのように捉えているのだろうか。

「チケットキャンプ」を運営するフンザの担当者は、本誌の取材に「値段を私たちが決めることはない」と語る。

「うちは利用規約で、営利目的でのチケット販売は禁止し、悪質なユーザーにはアカウント停止などの措置を取っています。確かに『超高額』のチケット取引については、イベント運営会社サイドなど各所との連携のもとに処置を検討すべきと考えています。

ですが現状としては、ユーザー同士の取引の中で決められた値段に関しては、私たちは『口出し』しません」

また、「ヤフオク!」広報担当者は、「新たなチケット販売の仕組みを構築中」と前置きしつつ、こう答える。

「『行きたいのに買えない』『いくら払ってもいい席が欲しい』というニーズもあります。そういったものに応えられないのであれば、たとえうちで取り締まったとしても、他に取引の場が移るだけだと思います」

もちろん、イベントの主催側も対策は講じていて、あの手この手で「転売規制」に力を入れているが、「取り締まりはイタチごっこなのが現状」と、ITジャーナリストの三上洋氏は語る。

「価格の高騰が予想されるチケットでは、予約する際に顔写真の登録を求めるケースが増えています。会場で本人確認をするためですが、ここにも『抜け道』があります。売り手は年齢や自分の特徴を挙げて売る。買い手は自分と似た容姿の人からチケットを買って、本人確認をパスするのです」


■2020年に起きること

要するに「白ダフ」を完全に排除するのは事実上不可能なわけだが、これは今後、大きな問題として今まで以上に多くの日本人にのしかかってくる可能性が高い。

というのも、来る「2020年東京五輪」のチケットが、「白ダフ」たちに買い占められかねないからだ。

実は今年のリオ五輪でも、悪質な事例が多発していた。現地ではインターネットによる組織的な転売で、開会式のチケットが定価の8倍超の金額で流通していたことが問題化。転売の疑いがある約2000枚の入場券が無効処分になっている。

また、国際オリンピック委員会の理事がチケット売買会社に横流ししていたことが発覚、逮捕される事件もあった。

このような悪質なケースと同様の事態が、'20年に開催される東京五輪で起こらない保証はない。

そうなれば「プレミアチケット」は関係者に、一般発売のチケットも「白ダフ」たちに買い占められ、我々の手元に回ってくるのは「超高額」のチケットのみ——そんな想像もしたくない「悲劇の東京五輪」になってもおかしくないのである。

「『白ダフ』たちが目下狙っているのは、今年の年末に日本で開催されるサッカーのクラブワールドカップです。

実は、開催国が変わる世界的なイベントというのは、意外と転売対策がザルなことが多い。『白ダフ』たちにとって、今回のクラブワールドカップはいわば東京五輪の『前哨戦』。これで『成功』すれば味をしめて、東京五輪ではいままで以上に『大暴れ』してくることは間違いありません」(前出の「白ダフ」)

横行するチケットの転売ビジネス。感動の瞬間のウラでは、札束を数えている人たちがいるのだ。

「週刊現代」2016年9月17日号より



 

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コメント
 
1. 2018年4月12日 20:20:51 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-2921]
2018年4月12日(木)

盗品購入リスク拡大

田村氏 古物営業法改正案可決

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-12/2018041205_03_1b.jpg
(写真)質問する田村智子議員=5日、参院内閣委

 盗品売買を防止するため中古品の取引規制を定めた、古物営業法の一部改正案が5日、参院内閣委員会で日本共産党を含む、全員一致で可決されました。改正案は、デパートや公園などの仮設店舗でも中古品買い取りができることなどを盛り込んでいます。

 採決に先立ち日本共産党の田村智子議員は、インターネットのフリーマーケット「メルカリ」などの取引は、今回の法改正の対象外となっていることを取り上げました。政府は、ネットを利用した新産業の成長を重視し、業界による自主規制を見守るという立場です。

 田村氏は、ネットを利用した盗品売買により検挙者が出ていると指摘し、「急速な事業拡大によって、一般国民が知らないうちに盗品の買い手になるリスクが一層大きくなる」と述べました。その上で、「何年も状況を見守ることが適切なのか」として、業界全体のルールの必要性を訴えました。

 小此木八郎国家公安委員長は、「関係者の意見を広く聞きながら、関係省庁と連携をとっていきたい」と答えました。

 また、田村氏は、障害者が自動車を運転する際の補助装置の中古品売買に関し、安全性確保や事故防止対策を求めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-04-12/2018041205_03_1.html


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