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8月の米雇用増加幅縮小で米利上げ9月見送りの公算
http://diamond.jp/articles/-/101585
2016年9月13日 週刊ダイヤモンド編集部
8月の米国の非農業部門雇用者増加数は15万人。6月の27万1000人、7月の27万5000人から増加幅が縮小した。このため、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げは見送られそうだ。ただ、過熱感がある住宅市場などへのけん制のため、今後の利上げに含みを残す声明を出すのではと予測されている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋)
ジャクソンホールで利上げに前向きな発言をしたイエレン・FRB議長だが、9月は見送りか Photo:REUTERS/アフロ
9月2日に発表された8月の米国の雇用統計の結果を見て、「FRB(米連邦準備制度理事会)は、9月20日、21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げは見送るが、昨年10月のFOMC時のように、次回会合以降の利上げをにおわせる声明を出すのでは」との声が複数の市場関係者から上がり始めた。
その理由は、米国の雇用や海外経済の状況が昨年10月のFOMC時と似ているためである。
昨年10月のFOMC後の声明文では、「次回会合でFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標の引き上げが適切かどうかを判断するに当たり」との文言で、次の12月の会合で利上げの是非を判断することを明言した。
まず、雇用面での昨年10月と現在の類似点を見てみよう。8月の非農業部門雇用者増加数(前月比。以下雇用者増加数)は15万人。6月、7月と20万人台後半の増加が続いた後の10万人台半ばの増加という結果だ。昨年10月のFOMC前も、4月から7月まで20万人台の増加が続いた後、8月、9月は10万人台半ばの増加となり、伸びが鈍化していた。
次に、海外経済情勢の類似点だが、昨年は、8月の人民元切り下げショックで、世界の株価は大きく下落し、為替市場の変動幅も大きくなった。その後、10月ごろには持ち直しの段階に入っていた。今年も6月末の英国のEU(欧州連合)離脱ショックで、市場が大きく動揺した。その後、今は落ち着きを取り戻しつつある状況だ。
雇用者増加数以外の指標を見ても、現在雇用面から、利上げを急ぐほどの過熱感はない。時間当たり賃金は前月比0.1%増と、前月の同0.3%増から伸びが鈍化、前年比でも2.4%増と、前月の同2.6%増から落ち込んだ。平均週間労働時間は34.3時間と前月の34.4時間から減少した。
海外経済情勢の面からは、英国のEU離脱ショックから立ち直る過程で、利上げによって生じるドル高から、新興国経済からの資金流出などを招けば、再び不安定化する懸念がある。
■12月には利上げも
その後の引き上げペースは緩慢
昨年10月も同様の情勢判断の下、利上げは見送られた。加えて、今回は8月のISM製造業景気指数が景気判断の分かれ目となる50を割ったことも利上げをためらわせる要因となるだろう。よって、9月の利上げはないというのが冒頭の市場関係者たちの読み筋だ。
とはいえ、「労働市場の堅調が続いていることや、経済活動とインフレに対する見通しを考えると、FF(フェデラルファンド)金利引き上げの条件がここ数カ月で整ってきたと考えられる」という、米ジャクソンホールでのジャネット・イエレン議長の発言から分かるように、FRBは利上げに前向きになっている。
雇用に過熱感はないが、雇用者増加数の3カ月平均は、8月で23万2000人と20万人を超えている。6月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が、リーマンショック前の07年10月以来の高水準になったことからも分かるように、住宅市場には過熱感が出ている。「不動産貸出比率も伸びており、バブルの芽を摘むためにも利上げが必要」(大槻奈那・マネックス証券チーフアナリスト)との見方もある。
それ故、昨年10月のように、FRBは次回会合以降の利上げの可能性をにおわせてくると予測されている。
9月の利上げは見送られるとして、年内の利上げはあるのか。
雇用情勢、海外経済情勢に大きな変調がなければ、12月のFOMCでの利上げの公算は大きいというのが大方の読みだ。2日の雇用統計発表後、市場も12月利上げを織り込み始め、ドル安円高が進み、米国の長期金利は上昇した。
昨年12月の利上げ後、今年1月に人民元下落で再度世界の株価が下落したことは記憶に新しい。FRBは新興国経済にも配慮しながら慎重に歩を進めざるを得ない。12月に利上げしたとしても、その後の引き上げペースはやはり、緩慢なものになるだろう。
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