http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/199.html
Tweet |
国債保有層の多様化を狙う財務省。中長期的な安定消化につなげたいとするが、思惑通りに進んでいるとは言い難い Photo by Ryosuke Shimizu
個人向け国債「9年ぶり」の人気目前でまさかの急減速
http://diamond.jp/articles/-/101590
2016年9月13日 週刊ダイヤモンド編集部
9年ぶりの水準まで人気復活のはずが……。財務省は個人向け国債の販売増大を狙うが、そう簡単にはいかないようだ。
国は個人向け国債の安全性を売りにしてきた。何しろ、固定3年物と5年物、変動10年物の3種類あり、1万円から購入が可能なのだが、償還時は当然のこと、中途換金時にも元本が保証されている。
さらに、1月末に決まった日本銀行のマイナス金利政策を受け、魅力が増した。定期預金などの金利が軒並み下がる中、五十歩百歩だとはいえ、金利の下限が0.05%に設定されているからだ。
金融機関側の事情もあった。マイナス金利で運用難に悩む銀行からは、本業の貸し出しの原資となる預金より、個人向け国債などに資金が向かう方が「むしろ“ありがたい”」(大手銀行員)との本音すら漏れるほど。銀行側で顧客に個人向け国債を薦め、傘下証券で売り出す手法もあるという。
上位販売機関の野村證券では、現金贈呈のキャンペーンもあり、3〜4月ごろは販売額が通常の数倍規模に膨らんだ。
そんな“追い風”を受け、今年度の8月までの累計発行額は1兆5170億円と、このままいけば2013年度(約3兆円)を上回り、07年度(4兆6617億円)以来9年ぶりの高水準も視野に入るペースで資金を集めていた。
ところが、ここにきての大失速。財務省が6日公表した8月の応募額(9月発行分)は1692億円と、今年最低にとどまったのだ。これは前回7月の応募額(8月発行分、3209億円)から、ほぼ半減という低調ぶりだった。
市場では、日銀が今月下旬に示す「総括的な検証」後の金融政策を見極めたい個人投資家が「様子見の姿勢を強めた」(ニッセイ基礎研究所の徳島勝幸主席研究員)という見立てが浮上している。
■上がらぬ家計の保有率
財務省は金融機関に偏っていた国債の保有主体の多様化を進めるため、03年から個人向け国債の販売に乗り出した。最大の狙いは「中長期的な国債の安定消化につなげる」(財務省幹部)ことにある。
ただ、事が同省の思惑通りに進んでいるとは言い難い。個人投資家を示す家計が国債発行残高に占める比率は、今年3月末時点で全体の1%ほど。この比率は08〜09年ごろに4%台半ばに到達後、低下傾向をたどっている。
低下傾向の中で、この半年の盛り上がりを支えたのは、いわば「消去法的」な買いにすぎない。
しかし、悠長に構えてはいられない。国債大量購入による量的緩和策を推し進めてきた日銀は、今や最大の国債保有者。量的緩和策の出口局面を見据えれば、個人をはじめ投資家層の分散化を進めていかないと、財務省の眼目たる「安定消化」が実現されるのか不安がよぎる。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田幸平)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民113掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。