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ワースト1は東京都! ほんとうの食糧自給率は「2.34%」???
http://diamond.jp/articles/-/100034
2016年9月10日 西田栄喜 ダイヤモンド・オンライン
借金、補助金、農薬、肥料、ロス、大農地、高額機械、宣伝費ぜんぶなし!
しかも、夫婦2人、初期投資は143万円だけ!
なのに、年間売上1200万円、所得(利益)600万円も「幸せに稼いでいる」人物が、石川県能美市にいるという。
東京から金沢まで約2時間半、そこから在来線で30分。そこにいるのは……ビニールハウス4棟、サッカーコートの半分、通常農家の10分の1の耕地面積=たった30アールしかない「日本一小さい専業農家」で、「菜園生活 風来(ふうらい)」代表の西田栄喜氏(48)。
かつてオーストラリア中をオートバイで走っていた西田氏は、元バーテンダー、元ホテル支配人だったという。
いま、風来では「怪現象」が起きている。
それは、2000円の野菜セットに送料2800円(沖縄)出す人もいて、野菜セットは「3週間待ち」というのだ。
日本海を臨む「日本一小さい農家」で、いったい何が起きているのか?
『農で1200万円!――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩』が発売されたばかりの著者に、「食糧自給率の裏話」を聞いた。
■食糧自給率の正体
西田栄喜(にした・えいき)
菜園生活「風来」(ふうらい)代表。大学卒業後、バーテンダーとなる。その後、ビジネスホテルチェーンの支配人業を3年間勤務。その後帰郷し、1999年、知識ゼロから起農。小さなビニールハウス4棟、通常農家の10分の1以下の耕地面積である30アールの「日本一小さい専業農家」となる。3万円で購入した農機具などで、50品種以上の野菜を育て、野菜セットや漬物などを直売。生産・加工・販売を夫婦2人でやりながら、3人の子どもたちと暮らす。借金なし、補助金なし、農薬なし、肥料なし、ロスなし、大農地なし、高額機械なし、宣伝費なしなど、“ないないづくし”の戦略で、年間売上1200万円、所得(利益)600万円を達成。基準金額95%未満でも105%超でも反省する「売上基準金額経営」を実践。地域とお客さんとのふれあいを大切に、身の丈サイズで家族みんなが明るく幸せになる農業を行う。著書に『小さい農業で稼ぐコツ』がある。【風来HP】
http://www.fuurai.jp/
日本の食糧自給率は39%でここ数年横ばいですが、食糧自給率自体、低いということを知っている方も多いと思います。
一般的に「食糧自給率」というと、「カロリーベース」のことになります。
私のような野菜農家だと、穀物と比べてカロリーが低いので、あまり食糧自給率に貢献していないことになります。
そして、カロリーベースで食糧自給率を算出するときには、畜産物のエサの自給率が按分される形になります。
たとえば、たまご自体は95%とほぼ日本で産み落とされたものになるのですが、ニワトリのエサの自給率は10%と大半が輸入ものです。
カロリーベースでの食糧自給率換算では、95%×10%となり、日本のたまごの食糧自給率は9.5%となります。
また、食品廃棄も大きな問題とされていますが、その廃棄品のカロリーも分母として含まることになるので、さらに低くなってしまいます。
そんなカロリーベースで食糧自給率を算出している国は先進国では日本しかないということで、今、「生産額ベース」で算出すべきだとの声も上がってきています。
生産額ベースとは、「国内食糧生産金額÷国内食料消費金額」で算出したもので、2015(平成27)年度は66%となります。
こういったことから、カロリーベースの食糧自給率は、自給率を低く見せて危機感をあおっているだけだという声もあります。
そういったところがないとは言えないかもしれませんが、私は安心してはいけないと思っています。
当たり前のことかもしれませんが、カロリーベースで食糧自給率が高い国は生産額ベースで見ても食糧自給率が高く、生産額ベースで見ても日本の食糧自給率は先進国の中では最下位であることは間違いありません。
■日本のエネルギー自給率は?
今の大部分の農業は、トラクターなど大型機械なくしては成り立ちません。
そして、大型機械は燃料がなければ動くことすらできない。
つまり、今の農業で真の食糧自給率を問うなら、カロリーベースの畜産のエサのような考えをあてはめて、エネルギー自給率を按分していくのが正しい算出方法になるのではないでしょうか?
現在日本のエネルギー自給率は6%です(資源エネルギー庁『エネルギー白書2013』)。
もし、カロリーベースでこの考えを導入すると……
食糧自給率39%×エネルギー自給率6%=2.34%
つまり、「2.34%」というのが、日本の本当の食糧自給率なのかもしれません。
加えて言うなら、化学肥料の原材料も輸入ものが多いので、肥料を食物のエサという考え方をすると、もっと低くなるかもしれません。
これはあくまでも極論ですし、突っ込みどころも多々あるのは十分承知のうえですが、日本の食がいろいろな側面で不安定ということは間違いないように思います。
食の輸入がストップするのにエネルギーだけが輸入されるというのは考えにくいですから。
■あなたの「自分自給率」は何%?
とはいえ、近所のスーパー、コンビニにいけば、食べ物もあふれているので、なかなかそんなこと実感できませんよね。
そこでこういった考え方はどうでしょうか。
「食糧自給率」の本来の意味は、「自分がまかなっている食のパーセンテージ」。
ということで、食糧自給率の話になったとき、私は、
あなたの「自分自給率」は何%ですか?
と聞くようにしています。
普段食べている「食」のうち、どのくらい自分でまたは家族・親族でまかなえているか。
それを問うのです。
買い物をするということは、国でいうと輸入していることと同じです。
「自分自給率」を考えると、食糧自給率という言葉に少し実感が湧いてくるのではないでしょうか。
国から下ろしてくるのではなく、自分から広げていく。
「自分自給率」は何パーセント?
そして、あなたの住んでいる地域の食糧自給率は?
あなたの住んでいる都道府県の食糧自給率は何%?
■ワースト1は東京!驚くべき
都道府県別「食糧自給率」ランキング
ちなみに、都道府県別で見た場合、食糧自給率がダントツに高いのが、北海道の198%、次いで秋田(181%)、山形(136%)です(2013<平成25>年確定値・カロリーベース・農林水産省調べ)
食糧自給率100%を超えている都道府県は、47のうち6つと意外に少なく、全国ワーストの食糧自給率は東京都(1%)になります(2013<平成25>年確定値・カロリーベース・農林水産省調べ)。
人工密度、カロリーの高い穀物が多いなど要素はいろいろありますが、こう考えていくほうが、食糧自給率を「自分ゴト」にとらえられるのではないでしょうか?
そして、先の「自分自給率」。
この「自分自給率」を上げることは、表の数字には出てこないかもしれませんが、結果的に国の食糧自給率を上げることに直結します。
家庭菜園する人が増えると野菜が売れなくなると、家庭菜園をあまりよく思っていない農家の方もいますが、そうではなく、農家がそんな「自分自給率」を上げるお手伝いする。育てる人が増えることは農への理解が深まるいいチャンスでもあります。
わが「風来(ふうらい)」では、そういう想いから、農家と一般の人を結びつける「農コン」や「菜園教室」、苗の販売なども行うようになりました。
農産物販売だけなく、こういった教室をすることが社会貢献につながると思うと、農家という仕事に誇りが出てくるのです。
■石川県能美市にある
「日本一小さい農家」からのメッセージ
このたび、『農で1200万円! ――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩』を出版しました。
私の農園はきていただくと、みなさん「本当に小さい」と声をあげます。
農地面積が通常農家の10分の1以下、30アールの面積(だいたいサッカーコートの半分くらい)で、自他ともに認める「日本一小さい専業農家」(本書では「日本一小さい農家」)です。
バーテンダーを3年勤め、その後オーストラリアへ1年の遊学を経て、ビジネスホテルチェーンの支配人業に就きました。
しかし、あまりの「ノルマ主義」「前年対比主義」に身も心も疲れ果て、逃げ帰るように、郷里の石川県に帰ってきた次第です。
サラリーマンとしてはダメダメでしたが、そこから一念発起。
サービス業の視点で見ると、ビジネスチャンスがあるのではと考え、農家に。
そんな「知識ゼロ」で起農したのが1999年。
ただでさえ厳しいと言われる農業。まして農業技術もない、右も左もわからない状況で普通にやっていては、ひとたまりもありません。
そこで、最初に始めたのが、農業の常識を疑うこと。
今の農業の常識と言えば……
「農業は儲からない」
「農業を始めるには、農機具・設備費など莫大な資金が必要」
「補助金がないと成り立たない」
「農業技術を習得するには時間がかかる」
「広い土地がないと無理」
「人手が必要」
「天候により収入が不安定」
「自然相手なので休みがない」
と大変なことだらけ。
そんな常識の中でも、まっ先に疑ったのが、農業で売上を上げるには大規模化しないと無理ということ。
そこで小さくても、いや小さいからこそできる農業があるのでは?と思って生まれたのが、スモールメリットを活かす農業です。
もちろん、小さいだけではなく、サービス業についていた経験を活かしての加工、直売も手がけ、また、ネット活用など、今だからこそできる農業を心がけました。
その結果……
●“借金なし”……起農資金を含め一切借金なし
●“補助金なし”……行政に一切頼らなくてもやっていける仕組み
●“農薬なし”……当初から農薬を使わない農法を実践
●“肥料なし”……2012年から無肥料栽培(「炭素循環農法」)に切替え
●“ロスなし”……予約販売、加工で野菜のロス(廃棄)がほぼない仕組み
●“大農地なし”……通常の10分の1以下の耕地面積の「日本一小さい専業農家」
●“高額機械なし”……3万円で購入した中古の農機具がメインプレーヤー
●“宣伝費なし”……これまで一度も有料広告を出したことがない
と、まさに常識はずれなことに。
また、通常1000万円くらいはかかるといわれる初期投資が143万円ですみました。
現在、労働力は家族2人(野菜の栽培は私、妻がケーキ屋漬物などの加工を担当、子どもは3人)だけで、年間売上1200万円、所得(利益)600万円。
フェイスブックなどで、お客さんとダイレクトにつながりながら、日々充実した毎日を送っています。
今、風来には、農林水産省などの農業行政にたずさわる方から、農家、一般の方まで、全国から視察団が訪れます。
なぜ、注目されているのか?
それは、知識ゼロ、経験ゼロで始めた「脱サラ農家」が、
家族みんな笑顔でそこそこの収入を地方で幸せに稼いでいる。
その秘訣を知りたいようなのです。
この「幸せに稼いでいる」というのがポイントではないかと思っています。
現在、ビジネスパーソンを取り巻く社会情勢はますます厳しさが増しています。
非正規雇用の増大、東芝、シャープのような大企業であっても経営不振に陥る時代。
社会保障費も減額され、年金もどれだけもらえるかわからないなど先行き不安だらけです。
これまで就農や農的暮らしというと、売上・利益度外視の自然回帰、あこがれという部分が大きかったかもしれませんが、これからは将来への“第2の井戸(収入源)”として、安心感の醸成、将来不安のリスク分散ととらえる――そんな時代になってきたと思います。
文字どおり地に足をつけ、直接「食」を得られる「農」は、何にも代えられない安心感がありますし、定年はなく、身につけた知恵は誰にも奪われません。
特別じゃない、リアルな選択として気づいた人は、どんどん農に向かってきています。
経験もない、資金もない、大きな農地もない、販売ルートもない――そんな“ないないづくし”の元会社員が、ゼロから起農したからこそ、固定概念にとらわれず、農にチャンスを感じられました。
現在会社員で農にあこがれはあるが、敷居が高いと感じている方、
農家になったけど、なかなかうまくいっていない方、
新たなビジネスの芽を探している方、
また、定年後に不安をかかえている方に、
『農で1200万円!』が少しでもお役に立てればと思っています。
実際、風来に話を聞きにきて起農している人が全国にいます。
ただし、風来では、長期研修を受け入れたことがありません。
どういう意味かというと、技術ではなく考え方次第で、小さくても農業で稼ぐことができるということです。
もちろん、技術も大切ですが、技術が最優先するのなら、“技術ゼロ”から始めた私が今こうしてやっていられるはずがありません。
新規就農時の研修で車を路肩に何回も落とし”脱輪王”の異名をつけられ、何度も「落第!」と言われた私でもここまでやってこれました。
そんなこれまで培ってきた考え方、気づいたこと、実践してきたことを、新規就農者や農家仲間の事例も併せて、余すところなく『農で1200万円!』で紹介させていただきました。
農の無限の可能性を感じていただき、農で幸せに稼ぐ人がたくさん出てくる。
本書がそんな手助けになればと願っております。
『農で1200万円! ――「日本一小さい農家」が明かす 「脱サラ農業」はじめの一歩』
西田 栄喜:著 価格(本体):¥1500
発行年月:2016年9月 判型/造本:46並製
ISBN:978-4-478-06982-0
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