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愛知県営名古屋空港に引き返したMRJ。高温の空気の漏れを検知する機器の不具合が原因だった Photo:読売新聞/アフロ
MRJ、5度目の納期遅延なら致命傷になる理由
http://diamond.jp/articles/-/100837
2016年9月5日 週刊ダイヤモンド編集部
三菱重工業傘下の三菱航空機が手掛ける「三菱リージョナルジェット(MRJ)」が8月下旬、米国へ飛び立ったが、機器のトラブルにより、2日連続で途中で引き返した。
MRJの納入時期を4度、延期してきた三菱航空機にとって、2018年半ばの初号機の納入がさらに遅れることは致命傷になる。
それを避けるために、試験飛行を行いやすい米国に早く機体を運び、安全運航の“お墨付き”である型式証明の取得作業をスピードアップさせる予定だった。だが、今回の失態で米国への機体到着は9月下旬以降にずれ込む見通しだ。
トラブルの原因は空調の異常を検知するセンサーだ。2系統のうち一つの故障であり、通常の運航なら、そのまま飛ぶこともあるトラブルだった。政府関係者は「これまで出なかったマイナーな不具合が、重要局面で出るとは不運だ」としつつ、「引き返すのは慎重過ぎたのではないか」と指摘する。
■縮小する先行者メリット
三菱航空機関係者は「今回のUターンが納期に影響しないようにする」と話すが、MRJの顧客である航空会社は冷めた視線を送る。
主因は、MRJの初号機納入が当初の13年から5年も延期されたことで、従来機より20%燃費性能が高い最新型エンジンを他機に先駆けて搭載しているというMRJの魅力が薄れてしまったことだ。
最大のライバル機種であるブラジル・エンブラエルの「E175−E2」納入は20年。MRJを購入すれば、2年は最新型エンジンを先行して使える算段だった。だが、この「2年」という期間はさらに短くなりそうだ。三菱重工関係者は今後、本格化する試験飛行について「順調に進捗しても2年弱ほどかかる。納期を守るための型式証明取得のデッドラインである18年初めまでに証明取得を終えるのは絶望的だ」と打ち明ける。
「試験飛行の実績があるエンブラエルより、三菱航空機は時間がかかりそうだ」(政府関係者)との指摘もある。
結局、競合機に対するMRJの優位性は「機体が細いことなどによって燃費性能が4%高いこと」(三菱重工関係者)だけになる。
三菱航空機は1000機以上の受注を目指すが、目標達成は容易ではない。日本の航空会社関係者は「MRJの燃費が良くても、本音ではエンブラエルのE2を選びたい」と話す。その理由はE2に、(1)部品交換のサポートが充実、(2)現行機の改良版なので、新型機向けのパイロットの訓練が不要──といった強みがあるからだという。
これまで三菱航空機は427機のMRJを受注したが、うち170機はキャンセル可能な契約だ。さらに納期が遅れれば、キャンセル可能分が競合に流れる懸念がある。MRJの開発の行き先は視界不良だ。巡航速度に達するために、型式証明取得のための体制強化が急務だ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)
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