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フロントにロボットを導入し、宿泊客に人気を集めるハウステンボスの「変なホテル」
ハウステンボスの「変なホテル」が描く世界戦略 ロボ接客、人件費圧縮で高収益
http://biz-journal.jp/sankeibiz/?page=fbi20160902000
2016.09.03 SankeiBiz Business Journal
「変なホテル」の全国展開が始まった。人間の従業員に代わってロボットが接客するユニークな趣向で、旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)子会社のハウステンボス(長崎県佐世保市)が昨年7月に開業した世界初のホテルだ。その事業戦略には意外にも、高級旅館を展開する星野リゾート(長野県軽井沢町)と共通した考え方がある。来年3月にオープンする千葉県浦安市の2号店に続き、愛知や大阪でも出店計画が進む変なホテルが目指すものとは−。
◆稼働率100%迫る
「目標は100店舗くらい。世界へ向けて展開していく」
HIS創業者の沢田秀雄ハウステンボス社長は8月4日、佐世保と東京をテレビ会議システムで結んで開いた変なホテル2号店の発表会見で、力強く意気込みを語った。
ハウステンボス園内の1号店では、16種182台のロボットが活躍している。
到着した宿泊客のチェックイン対応をするのは、フロントに置かれたヒト型や恐竜型のロボット。クロークでの荷物預かりや客室への荷物運びもロボットが行い、室内に入れば会話を楽しめるロボットが待っている。館内の清掃や庭の芝刈りなどをこなすのも当然、ロボットだ。
他にはない“未来感”が、国内客だけでなくアジアを中心とする海外客の評判も集め、予約の取りづらい状況が続く。そのため開業当初の72室に加え、今年3月には2期棟(72室)を増築した。それでも客室稼働率は毎月100%近い高水準が続くという異常な人気ぶりを誇っている。
客室数を倍増させた1号店だが、従業員数は逆に、開業当初の30人から10人へと大幅に削減した。通常の同規模のホテルなら20人は必要だという。
それを可能にしたのは、ロボットに任せる業務を新たに開拓したり、顔認証による本人確認をフロントでなく客室前で行うようにしたりといった、細かい変革の積み重ねだ。変なホテルの屋号には、そうした絶えざる変革への意志を込めたのだという。
従業員はさらに6人まで絞り込む予定。実際に働いているのは1、2人という超少人数での営業態勢が射程に入っている。サービス品質を保つため「仕事の1割は人間にさせる」(沢田社長)考えだが、それでも既存業態と比べて人件費ははるかに安くできる。
「ホテルの建設費を20億円前後として、年間利回りは20%を超える。5年あれば投資回収できる計算だ」と沢田社長は胸を張る。
宿泊ビジネスの収益性を向上させるためには、営業費の多くを占める人件費をいかに効率化するかが重要だ。星野リゾートの星野佳路社長も、同じ点に心を砕いているという。
その解として星野社長が重視するのは「従業員のマルチタスク(多業務対応)化」だ。
「従来型の日本旅館は、“専門家”が多い縦割り構造の分業体制という課題を抱えている」「そのため従業員の手待ち時間が長く、(たとえば昼間に一度帰宅して夕方に再出勤するような)非効率な中抜きシフトも珍しくない」という。
課題を解消するため従業員に幅広いスキルを身に付けてもらえば、利益率の大幅な向上につなげられる。「そうすれば『日本旅館』を海外で成功させることもできる」というのが、星野社長の持論だ。
「ロボットの大量導入」と「従業員のマルチタスク化」。手段や路線は異なるが、効率化によって収益性を高める狙いは変わらない。
◆1年以内、まずアジア
同時に、日本のサービス業が個性を武器に世界へ打って出るという野望も、沢田社長と星野社長の共通項といえそうだ。
では、沢田社長が描いている変なホテルの戦略とは何か。2号店は東京ディズニーリゾート最寄り駅のJR舞浜駅近くにあり、宿泊料は1室1万5000円前後の予定。続いて、愛知県蒲郡市のグループ施設「ラグーナテンボス」や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに近接する大阪市内にも出店を計画している。狙うのは、各テーマパークを訪れる家族客の取り込みだ。
しかし、全国展開においては、低コストを武器にビジネス客も狙っていくという。蓄積したノウハウを活用し、直営だけでなくフランチャイズも募る方針だ。
その視線は国内にとどまらない。沢田社長は「まずアジアから。ベトナムやインドネシアのバリ、タイなどを考えている。現地のHIS店舗網も使って1年以内に海外展開を始めたい」と話す。
1号店では、ロボットの導入だけでなく、太陽光や水素エネルギーによる電力自給なども実験している。それはなぜか。
「両者を組み合わせれば電気や水道などのインフラが乏しい世界各地の秘境、たとえば、人気が急上昇しているボリビア・ウユニ塩湖のような観光スポットへの出店も夢ではない」(平林朗HIS社長)からだ。
ロボットたちが演出するエンターテインメント性はもとより、旅行会社のDNAが存分に発揮されるであろう今後の海外展開の行方から目が離せない。(山沢義徳)
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