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経営難が問題となっている青森駅前の再開発ビル「アウガ」(写真:読売新聞/アフロ)
驚愕「地方財政の闇」をもう放っておけない 日本中の自治体で「粉飾決算」が行われている
http://toyokeizai.net/articles/-/134122
2016年09月02日 ぐっちーさん :投資銀行家 東洋経済
今回は驚愕の地方創生関連ネタを連発します。都会の皆様、俺は関係ないとか言わないように。皆様の税金がこんないい加減なものに使われており、特に消費税は地方の取り分を多く見直す、ということになっています。ですからこれ、毎日皆様が払っている税金の話であり、決して他人事ではない。さらにこんなものの負担をさせられれば将来間違いなく都会の納税者に負担がかかってくるわけで、今のうちに潰しておかないとまずい話がたくさん出てきています。
まずは8月22日の
朝日新聞の記事「一夜貸し・単コロ…85自治体、会計操作2336億円」ですが、驚愕されたかたも多いのではないでしょうか。
■地方財政の闇がようやく表沙汰に
一夜貸し、単コロ・・・名前だけでも十分怪しさが伝わってきますね。これはわれわれ地方再生に携わる人間の間では長らく「地方財政の闇」として指摘されながら、ほとんど表沙汰にならなかった話なのです。その意味で、この記事は大変よくやったというべきですし、まともに答える自治体が出て来たこと自体、多少の危機感を覚える人も役所の中に出てきたと言えるかもしれません。
これまで、県や市などの地方自治体が第3セクターなどの出資法人を地方創生と称し、再開発事業だ、ライトレールだと野放図に作ってきたところ、ことごとく失敗しそのほとんどが事実上、破綻、債務超過になっています。ところが、その決算日だけをまたぐような融資を地元の地銀から受けたり(一夜貸し)、出納整理期間(4−5月)を利用して元来翌年度に回るべき予算を一度あて、決算をまたぎ、あたかも赤字が出ていないようにごまかすという手法が横行しているのです。
要するに、元来の債務をその決算日だけ何らかのお金を付けて、なかったことにしてしまう「完全なる粉飾決算」を繰り返しているわけです。今回の記事ではいわゆる出資法人を調査対象にしていますが、実際には夕張市はこの手法を繰り返した挙句に破綻に追い込まれており、われわれの知るところ、この手法を使っている地方自治体は少なくないはずです。
これ、どこから見ても粉飾決算以外の何物でもありません。上場企業なら役員は逮捕です。しかし、上場企業よりさらに公共性が高いはずの地方自治体で横行しているという深い闇。そしてさらに驚くのはこういう事態に対して、記事中にあるようにこの事態に際して「『(このインチキを)無理に解消すれば財政危機を招く』と消極的な自治体が多い」とされていること。
「だって粉飾しないと潰れちゃうからしょうがないでしょ!」と罪の意識を持っていない当事者のコメントが普通に出ているのです。悪いことをしているという意識が皆無なのには驚愕です。自分たちの責任を棚にあげて、潰れたら困るから粉飾決算しても仕方ないと開き直る、この公務員の倫理観の欠如はいかなるものでしょう.
■加担している地方銀行の罪はもっと重い
また、今回の取材自治体は85ということですから、すべて合わせると1700にも上る自治体をすべて調査したら、いったいいくら出てくるのかわかったものではありません。良い悪いは別として、この手法自体は恐ろしいことに地方においては「スタンダード」なので、もはや日本中の地方自治体で粉飾決算が行われているといったほうが正解でしょう。
そして私に言わせると、これに加担している地元の地方銀行もさらに罪が深い。こういう粉飾が行われていることは、銀行の担当者から上層部まで全員知っているわけです。私でも知っているくらいですから、知らないとは言わせません。銀行業務は公共性の高い事業です。預金保険にしても、われわれ国民の合意の下、広く政府に支援されている。地方銀行も例外ではありません。また、都市部の預金者が元来受け取るべき預金を受け取らずに景気対策のために「負担」させられているわけです。それを地方銀行が野放図に粉飾決算の片棒を担いでいるとなれば、公共性という視点から見れば彼らも即逮捕、が筋でしょう。
さらに言えば縁故地方債など、その地方が発行する赤字補填のための債券はすべて地元の地方銀行が引き受けています。これらの法人や第3セクターの粉飾決算をやめれば、その地方銀行自体が不良債権の山を抱えることになり、困るのは自分たちということでこの負のスパイラルから抜け出せない、というわけです。まさに同じ穴のムジナ。
銀行行政という立場からすれば、これを今まで見逃している金融庁、日本銀行の闇もまた深いというしかありませんが、青森県の複合施設アウガに見るように、こういうものは先延ばしにすればするほどその赤字額は巨額になっていくわけです。儲かっていない事業を継続すれば損は増えるに決まっていますよね。ですから一刻も早くやめるべき。金融庁は野放図な地方債の引き受けも含め、厳しく指導するべきでしょう。
夕張市の時は、粉飾決算に加担していた北海道拓殖銀行が先に倒産していまい、この「一夜貸し」をしてくれる金融機関がなくなってしまい倒産した――、という笑えない結末でして、もし拓銀がまだ存続していたら今も粉飾決算が続いていたかもしれない、という話なわけです。
更に驚愕の記事をご紹介。8月10日、SankeiBiz(サンケイビズ)に掲載された「空白地帯へのコンビニ出店支援 岡山県和気町、最大2000万円補助」です。
■国の支援でコンビニ出店のなぜ
一部引用します。
「政府が力を入れる地方創生の波に乗り、地域活性化に取り組む岡山県和気町では今月、町内のスーパーマーケット空白地帯にコンビニエンスストア『ローソン』のフランチャイズ出店が決まった。同町が打ち上げた最大2000万円を補助する、出店支援制度を利用した第1号店だ。政府が地方創生を掲げて2年あまり。全国市町村では産業誘致や移住者の就業支援など、地方経済の再生をかけた動きが活発化している」
これのどこが地方創生なのか。どこが地域活性化だというのか。コンビニ欲しいよ〜、と声を上げれば国の支援でコンビニができるというのはもう社会主義以外の何物でもないでしょう。声を大にして言いますが、これ、皆様の税金ですよ!!
コンビニの経営者も多少は経営者としてのプライドはないんでしょうかね。補助金がついているから行きますよと、ほいほい出してしまう節操のなさ。そんな採算を度外視したような事業に納税者、あるいは納税企業としては賛成しかねる、と蹴っ飛ばすくらいの気概を持ってほしい。補助金を出すほうも出すほうですが、乗るほうも乗るほう。この話を外国人投資家にすると、多分コンビニ会社の株は買いたくないと絶対に言うと思いますよ。補助金の問題は国民一人一人の問題でもあるのです。そんなカネ使うな、という声を上げていかなければこういう話はいつまでもなくならないでしょう。
さて、ここからは今週の競馬です。新潟、小倉、さてどこに遠征しますかな。私は新潟。新潟記念を狙いましょう。
このレースは毎年実に難解なレースで、コースの問題もあるのですが、何せこのくそ暑い夏をわれわれ同様馬も経験しているわけで――。つまり夏バテしちゃう馬もこの時期になると相当います。特に新潟の夏はすごく暑く、新潟滞在が必ずしもプラスに働かない、という点も忘れてはいけません。その意味では人間と同じでして、夏バテしていなさそうなフレッシュな馬を探す、というのも大事な作業。当日のパドックを見る、というのはこのレースに関しては欠かせません。ですからいくら有力馬でも当日著しい体重減少や、毛艶の悪さなど見られた場合には速やかに「切る」ということが必要になります。
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