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任天堂のゲーム機「Wii U」(「Wikipedia」より/Takimata)
任天堂、ポケモンGO幻想崩れ危機の兆候…社運賭けるNX、開発遅れ「季節外れ」の発売
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16521.html
2016.08.31 文=編集部 Business Journal
世界中でブームを巻き起こしたスマートフォン(スマホ)ゲーム「ポケモンGO」が、ギネス世界記録を打ち立てた。英ギネス・ワールド・レコーズが8月16日までに発表した。
ギネスが世界記録と認定したのは、モバイルゲームにおける以下の5項目。
(1)7月6日の配信から最初の1カ月のダウンロード数が1億3000万
(2)売上高が20日間で1億ドル(約100億円)達成
(3)最初の1カ月の売上高2億650万ドル(約206億円)
(4)最初の1カ月において、世界50カ国で売上高首位
(5)最初の1カ月において、世界70カ国でダウンロード人気ランキング数がトップ
しかし、ポケモンGOの「ギネス世界記録樹立」が報道されても、任天堂の株価の再浮上はならなかった。任天堂の株価は、報道前は2万2000円台で推移していた。報道後も2万2000円台に張り付いたまま。1カ月前の“任天堂株フィーバー”の再現とはならなかった。
■株価は爆騰から一転して急落
任天堂の株価はここ5年、1〜2万円台と低迷していた。ところが、ポケモンGOが米国で話題になっていることが伝わると、株価は爆騰。連日の高値更新で7月19日には一時、前週末比4920円(17.7%)高の3万2700円まで買われ、2010年5月以来の3万円台を回復した。東京株式市場では「任天堂の株価は年内に5万円、数年後には7万円にまで上昇する」と囃された。
7月22日、ポケモンGOの配信が日本でも始まった。だが、フィーバーは、この日をもって打ち止めとなった。7月22日の東京株式市場取引終了後、任天堂は「連結業績に与える影響は限定的」と発表した。
ポケモンGOは米ゲームベンチャーのナイアンティックが、ゲーム企画会社の株式会社ポケモンと共同開発した。ポケモン社はポケットモンスターの権利保有者として、ゲームの開発・配信を手掛ける米ナイアンティックからライセンス料を受け取る。任天堂はポケモン社の議決権の32%を保有しており、ボケモン社は持分法適用会社である。このため連結業績に与える影響は限定的としたわけだ。
任天堂の発表を受け、週明けの7月25日の任天堂株に売りが殺到。ストップ安(値幅制限)の2万3220円まで急落した。7月22日の終値から5000円(17.7%)値下がりしたことになる。その後も株価は2万2000円台に張り付いたまま。急騰前の水準に戻ってしまった。
■ポケモンGOが大ヒットしても任天堂は儲からない?
ポケモンGOは任天堂の業績にどの程度、寄与するのか。ナイアンティックは米グーグルの社内ベンチャーから15年10月に独立する際に、グーグルと任天堂、ポケモン社が出資している。出資比率は公表されていない。任天堂の最新の有価証券報告書には、ナイアンティックは持分法適用会社としても記載されていない。つまり、子会社でも持分法適用会社でもないということになる。
ナイアンティックが配信するポケモンGOは、基本のプレイ料金は無料だがモンスターを捕まえるのに使うアイテムの販売で課金するビジネスモデルになっている。利用者がアイテムを購入するたびにナイアンティックの売り上げになる。そのなかから、ポケモンのライセンス料が支払われる。ライセンス料を受け取るのは任天堂ではなくポケモン社だ。
ポケモン社は任天堂が32%出資する持分法適用会社。ポケモン社の16年2月期の決算公告によると、資本金は3億6500万円で純利益は6億1900万円である。
持分法適用会社は連結子会社のように財務諸表を合算することはない。持ち分比率に応じて投資有価証券の勘定科目に純利益を反映させるよう数値を修正する。任天堂はライセンス料のすべてを業績に上乗せできるわけではないのだ。これが、任天堂が「利益への寄与は限定的」とした理由だ。
■4〜6月期は245億円の最終赤字
任天堂の16年4〜6月期の連結決算の売上高は31%減の619億円、営業損益は51億円の赤字(前年同期は11億円の黒字)、最終損益は245億円の赤字(同82億円の黒字)だった。
専用ソフトのヒット作が少なく、主力の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売台数は7%減の94万台、据え置き型ゲーム機「Wii U」は53%減の22万台と不振だった。円高の進行で350億円の為替差損が発生した。
ポケモンGOが世界的なヒットになっているにもかかわらず、17年3月通期の見通しを据え置いた。売上高は前期比1%減の5000億円、営業利益は37%増の450億円、純利益は2.1倍の350億円の見込みだ。
4〜6月期の最終損益が245億円の赤字だから、通期で350億円の最終黒字を叩き出すには、7月以降に最終損益ベースで600億円程度は稼がなければならない。
■復活の切り札は新型ゲーム機、NX
任天堂の最大の稼ぎ時はクリスマス商戦である。そのため、年末に向けて新製品を投入する。12年に発売したWii Uの販売台数は、1億台以上売れた前モデル「Wii」の8分の1程度で惨敗である。
そこで新型ゲーム機、NXで復活を期す。NXは17年3月に国内外で同時発売する。製品の特徴や価格、ソフトのラインアップについて君島達己社長は「新しいコンセプトのゲーム機。新しい遊び方、新しい経験ができる」と話すだけで、詳細は明らかにしていない。
その上、発売時期は、書き入れ時の年末からズレ込む。ソフトが揃わなかったためクリスマス商戦に間に合わないのだ。ゲーム機と専用ソフトの2本立てで稼ぐ任天堂には大きな痛手だ。季節外れの発売でヒットしたゲーム機はほとんどないといわれている。
スマホの普及が後押しして、ゲーム市場は拡大基調が続いている。市場を牽引しているのはスマホアプリを中心とするモバイルゲーム。スマホゲームにお株を奪われ、家庭用の専用ゲーム機市場の縮小が続く。
復活を賭けるNXが、もし不発に終われば、任天堂のゲーム専用機の敗北は決定的となる。任天堂の経営は正念場を迎える。
リオ五輪閉会式で安倍晋三首相が任天堂の人気ゲーム、マリオブラザーズのキャラクター、マリオの姿で登場した。米CNNテレビは電子版の記事で「リオ、五輪旗を東京とスーパーマリオに渡す」との見出しをつけて報じた。「キャラクターの力を借り、日本のソフトパワーを示したいと思った。4年後は私たちが感動を提供する番だ」と安倍首相は語った。
だからといって任天堂の株価が上がるわけではない。
(文=編集部)
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