★阿修羅♪ > 経世済民112 > 515.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
GDPを見て、今の生活がバブル期より豊かな事に気づく  ブレグジットの暗い予想は行き過ぎ インフレ目標イエレン主流派
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/515.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 29 日 17:29:27: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

GDPを見て、今の生活がバブル期より豊かな事に気づく
黄金時代(7)
2016年08月29日(月)塚崎公義 (久留米大学商学部教授)
 バブル期というと、華やかな時代で、皆が贅沢をしていた印象が強いと思いますが、今の実質GDP(物価上昇率調整後のGDP、数量ベースのGDP)は、なんとバブル期(日経平均が4万円近かった当時)の1.3倍もあるのです。GDPは国内総生産ですから、当時の1.3倍のモノ(本稿では財およびサービスを指すものとします)が生産され、その6割弱が消費されているのです。私達の生活レベルは、バブル期以上なのです。実感と違うかもしれませんが、事実は事実としてしっかり認識しましょう。


iStock
実質GDPとは、国内で作られたモノの量の統計
経済初心者向け解説

 GDP統計は、国内で作られたモノを合計した統計です。各社に売値から仕入れ値を差し引いた付加価値(自分で作り出したモノの金額)を聞いて合計して作ります。部品会社が30万円の部品を作り、組み立て加工メーカーがそれを仕入れて100万円の自動車を作り、自動車販売会社がそれを仕入れて120万円で顧客に売ったとします。部品会社は30万円、組み立て加工メーカーは70万円、販売会社は20万円の付加価値ですから、合計したGDPは120万円になります。

 GDP統計の作り方は他にもあります。消費者などに「何円の自動車を買いましたか?」と聞いて合計するのです。作られた自動車と買われた自動車は基本的に同じ金額ですから、両者の結果は同じになるはずです。輸出された自動車については税関で統計を見せてもらう、等の追加作業は当然必要ですが。

 GDP統計は、様々な使われ方をしますが、景気との関係では「実質GDPの成長率(=経済成長率)」が論じられます。GDPが2倍になるということは、日本中で作られたモノの量が2倍になるということですから、雇われる人の数も2倍になるでしょう。そうなれば、失業者が減って景気は良くなります。

 しかし、GDPが2倍になった理由が「インフレで自動車の価格が2倍になったから」というのでは、生産量が増えるわけではないので、雇用も増えず、失業も減らず、景気も良くなりません。そこで、GDPの増加率から物価上昇率を差し引いた値が経済成長率(厳密には実質経済成長率)として注目されるわけです。

 今ひとつ、生活水準を考える上でもGDPは重要です。作られたモノは原則として使われますから(売れそうだから作るので)、多くのモノが作られる国は豊かな国だ、と考えて良いでしょう。そこで、各国との比較や、過去との比較が重要になるわけです。今回は、過去(バブル期)と比較してみましょう。

ゼロ成長だと、貧しくなるわけではないが不況
経済初心者向け解説

 経済成長率がゼロだと、国内で生産されるモノが増えも減りもしないので、国民の生活水準は一定です。しかし、景気は悪く、失業者は増えます。それは、技術が進歩するからです。新しい設備が導入されると、今までよりも少ない人数で同じ量が生産できるので、企業が雇う人の数が減ります。

 そうなると、失業者が増えます。失業者が増えると、労働力が余っているから労働力の値段(賃金)が上がりません。人々の賃金が上がらないと、物価も上がりません。世の中には「不況だ」「デフレだ」という声が充満し、「日本経済はダメだ」というイメージを多くの人が持つようになります。しかし、繰り返しますが、人々の生活レベルが落ちているわけでは無いのです。

バブル期の実質GDPは405兆円、今は529兆円

 バブルが崩壊してから20年以上経過していますが、その間で「マイナス成長」だった年は数えるほどしかなく、基本的にはプラス成長が続いていました。その結果、最近の実質GDPはバブルがピークであった頃の1.3倍にもなっているのです。平均すれば、毎年1%程度の経済成長をしているのです。

 生活実感としては、「日本人は貧しくなった」と感じている人が多いと思いますが、そうでは無いのです。では、その格差はどうして生じているのでしょうか?

 一つには、諸外国との比較があります。諸外国の経済が発展し、特に中国経済の目覚ましい発展や中国人旅行客の「爆買い」などを見ていると、日本が「相対的に」貧しくなった事を痛感させられ、それが「絶対的にも」貧しくなったとの錯覚を招いているのでしょう。

インターネットと携帯電話が無かった時代より
今の方が生活が豊か

 しかし、圧倒的に重要なことは、昔の生活の不便さを忘れてしまった(若い人はそもそも知らない)ことでしょう。バブル期には、インターネットは普及していませんでした。若い人は、「インターネットの無い生活」を想像してみて下さい。調べごとをするために図書館へ行ったり、飲み会の日程調整で全員に電話をして都合を聞いたり、大変だったのです。

 携帯電話もありませんでしたから、待ち合わせに遅刻すると、相手に連絡をとることができずに、様々なトラブルが起きたりしましたし、「彼女の家に電話をしたら父親が受話器をとったので困惑した」男の子も多かったはずです。

 じつは、当時も携帯電話は存在していたのですが、「マスコミ関係者が事故現場に持っていくために何キロもある電話機を担いで行った」というもので、値段も非常に高かったはずです。買おうと思わなかったので、値段は調べませんでしたが(笑)。

 当時は、インターネットや携帯電話を知らなかったので、無くても不便だとは思いませんでしたし、当時の方が美味しいものは食べていたと思いますし、将来の夢を語ることも容易でしたが、今から当時の生活に戻れと言われたら、筆者は非常に困惑するでしょう。

 ゲームについても、ファミコンのスーパーマリオが登場して大騒ぎになっていた時代に戻りたいとは思いません。カメラで写真を撮ったら、フィルムを現像に出して戻ってくるのを待つなんて、嫌です。

 新製品が登場した時の実質GDPの計算は複雑ですが、「新製品が出来て生活が便利になった分は実質GDPが増える」ように計算がなされていると考えて良いでしょう。GDPが当時より大きいという事は、「美味しい物は食べていないけれど、それを上回るハッピーな生活をしている」という事なのです。

 そうです。「バブル期なんかに戻りたくない」と思うほど、素晴らしい生活を我々は享受しているのです。日々の生活で豊かだと感じることは少なくなりましたが、実は我々の生活は豊かなのだ、ということは、しっかりと認識しながら暮らしたいものです。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7608

ブレグジットの暗い予想は行き過ぎだったのか

ブレグジット決定で英経済が落ち込む予想が出回ったが、悲観しすぎだったことになりそうだ PHOTO: DYLAN MARTINEZ/REUTERS
By
JOSH ZUMBRUN
2016 年 8 月 29 日 14:32 JST
 まだ早いが、ここまでの経済指標は、欧州連合(EU)から離脱するとの英国の判断は、たびたび繰り返される現象の新たな一例となる可能性を示している。政治判断に対する専門家による暗い結果の予想は結局のところ行き過ぎだったということだ。
 エコノミストらはインフレや生産性の背景を分析したり、富の不公平がもたらす悪影響を調べたりすることには優れているが、政治イベント、特に過去に類似した出来事が全くないかほとんどないような事例から類推する場合、ずっと大きな課題に直面する。
 ペンシルベニア大学で政治予想を専門とするフィリップ・テットロック教授は「予想する人々は最悪のシナリオの可能性を膨らませるよう動機付けを感じることが多い」と指摘する。予想を示す人々は、警告を強調する一つの手段として、あるいは自信満々に語れることが予知能力のある証拠だと信じているがゆえに、災難の見込みを大きく言う可能性が高い。だが、間違いだと分かれば、大半の人々は忘れてしまうようなことなのだ。同教授は「これはそのうち、専門家に対する信頼をむしばんでいく」と述べた。
 激変が起きなかった最近の事例はたくさんある。
 2013年に米議会で行われた予算を巡る攻防は、強制削減と呼ばれた大幅な財政縮小につながったが、一部のエコノミストはこれで米経済がリセッション(景気後退)にまた陥る可能性があると警告を発した。この年の経済成長率は2.7%だった。
 また10年と12年には、米連邦準備制度理事会(FRB)の大量な債券購入措置がハイパーインフレを引き起こし、国際商品(コモディティー)価格の急騰とドル相場の急落を招くと警告するエコノミストがいた。だが何もそのようなことは起きなかった。
 15年には、ギリシャが国際支援をはねつければ、同国がデフォルト(債務不履行)に陥ったり金融危機が起きたり、ギリシャがユーロ圏から離脱する可能性もあると、数々の警鐘が鳴り響いた。ギリシャ経済は成功事例にはほど遠いものの、破綻はしていない。同国の金融システムは打ちのめされ預金が引き出されたが、崩壊はしていない。同国はユーロ圏にとどまっている。

激変が実現しなかった事例:2013年3月米予算強制削減前後のS&P500種指数(左)、15年7月ギリシャ支援国民投
票前後の同国10年国債利回り(中)、16年6月ブレグジット国民投票前後のFTSE100種指数(右)

https://si.wsj.net/public/resources/images/NA-CL384A_OUTLO_16U_20160826154209.jpg

 ではブレグジット(英国のEU離脱)はどうだろうか。
 6月23日の国民投票でEUからの離脱が支持されてから2カ月がたつが、多くの人々が懸念したリセッションが現実のものとなるかどうかは、少なくとも当面のところ、不透明になりつつある。
 国民投票に先立つ懸念の水準を再検討してみよう。オズボーン前財務相は当時、ブレグジットに賛成すると「自家製リセッション」の原因になるだろうと指摘した。投票直後、エコノミストの多くがほぼすぐにリセッションが始まると予想した。
 投票後数日で世界の株式市場は実際に急落した。これがほんのもう少し悪化しただけで、おそらく動揺が拡大し、事態は悪循環に陥っただろう。だが、市場は回復した。FTSE100種指数は8月半ばまでに過去最高値近くまで上伸した。

 英経済全般でみても、景気下振れの兆しを数多く示してはいない。
 英産業連盟(CBI)の統計によると、小売売上高は当初落ち込んだが8月には急回復した。失業保険申請件数は7月に減り、総じてブレグジットが決まったために雇用が削減されてはいないことを示している。
 英住宅建設大手パーシモンによると、住宅購入意欲は引き続き「堅調」で、秋の販売は良好な見通しだ。
 確かにブレグジット決定からまだ日が浅く、経済指標は景気下振れを認める方向に減速する可能性もある。ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長(元英中銀イングランド銀行政策委員)は、英国が理論的にリセッションを回避するとしても、英経済は最終的にかなり明確に打撃を受け、警告の多くの正当性を証明するだろうと考えている。
 それでも、ウェルズ・ファーゴ証券のグローバルエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は、エコノミストらはブレグジットについて、「あのときの懸念は行き過ぎだったことに気付くはずだ」と述べた。同氏は英国が緩やかなリセッションに陥るかもしれないが、諸外国に直接大きな被害を及ぼすには英経済は小さすぎるとの予想を示していた。
 イングランド銀行は結局、自国通貨であるポンドの急落を容認し、政策金利を322年の中央銀行としての歴史上最低の水準に引き下げた。ブレグジット決定で、EUから離脱するための数年にわたる手続きが始まったところだ。つまり、金融政策と為替相場には調整する時間がある。
 好意的に解釈するならば、リスクはまさに現実のものだったが、イングランド銀行が迅速に行動し、今回世の中はついていたということだ。
 S&Pグローバル・レーティングのチーフエコノミスト、ポール・シェアード氏は「市場の反応は極めて落ち着いているが、違ったものになった可能性もある」と語った。同氏は以前、ブレグジットを巡る不確実性が時間をかけて徐々に経済に浸透する可能性が高いと述べていた。「警告を発していた人々を責めることはできないと思う。これは急性の問題というよりも慢性的な問題だ。(問題は)極めて長期間にわたり現れてくるだろう」と指摘した。
関連記事
• ブレグジット決定後の英経済、本当にリセッション入りはないのか
• 英国の商業不動産、EU離脱決定後に価値低下
• 英EU離脱特集

https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjIoZ7qlObOAhUCFZQKHZTdDJgQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11229581354231873921504582280712934265268&usg=AFQjCNH0yyARzlvap42z6qCDGFHqEuptlA

 
インフレ目標論議、イエレン議長は反主流派から主流派に

By GREG IP
2016 年 8 月 29 日 14:56 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は20年前、主流派に属していなかった。グリーンスパン議長時代にFRB理事を務めていたイエレン氏は、適切なインフレ率はゼロという中銀当局の共通見解に異を唱え、2%の方がふさわしいと初めて主張したFRB当局者の1人だった。

 この水準は現在2%というのが主流となっている。イエレン氏がFRB副議長を務めていた2012年に、FRBは2%のインフレ目標を正式に導入した。足元では1996年と同じように主流派の考えは時代遅れとの不満が高まりつつある。もっとも今回の議論では、イエレン議長は主流派に属する。主流派が正しいのかどうかは、FRBがいま直面している最も重要な問題かもしれない。

 今年のジャクソンホール会合は「金融政策の枠組み」がテーマとなった。言い換えると、中央銀行は何を目標にし、それをどのように達成すべきかに主眼が置かれた。その答えは、金融危機の前であれば「短期金利の調整を通じて2%のインフレ目標達成を目指すべき」という一文でまとめることができた。

 この「2%のインフレ目標」という部分はいまも変わっていないが、「短期金利の調整を通じて」という部分は、FRBが政策金利を事実上のゼロに引き下げた2008年に無効となった。政策当局者らは当時、さまざまな非伝統的手段(代表格は、新たに印刷した紙幣で債券を買い入れる量的緩和)や、政策金利をゼロ近辺で維持すると公約するフォワードガイダンスを採用した。だが彼らは、政策手段として短期金利のみを用いる従来の形に戻れる日が来るのをずっと願っていた。

 あいにく、そううまくはいっていない。今や多くのエコノミスト(そしてFRB当局者の大半)が認めているように、低成長と低金利は当面続く可能性がある。完全雇用下の経済でインフレ率を安定させる「自然利子率」は低下している。これは米国が再びリセッション(景気後退)入りしたときに、FRBの政策余地は以前よりも限られるという意味に他ならない。

 FRBはこれにどう対応すべきだろうか。イエレン氏の後任としてサンフランシスコ地区連銀を率いるウィリアムズ総裁は最近、インフレ目標を引き上げるか、目標対象を名目国内総生産(GDP)や物価水準などに置き換えるべきだと提唱した。

 イエレン議長が詳しい対応を明らかにすると期待していた向き(筆者もその1人)にとって、26日の議長講演は期待外れに終わった。バランスシートが恒久的に膨れ上がり、銀行システムが多額の準備預金を抱えた状態でのFRBの運営方法に関する説明が講演の大半を占めた。量的緩和とフォワードガイダンスは一線を退くのではなく、「今後もFRBの政策手段の重要な構成要素であり続けるだろう」と述べた。

 ただ、インフレ目標の引き上げや名目GDP目標の採用については「研究対象としては重要だが(中略)FRBとして積極的に検討しているわけではない」と否定した。

 むしろ、FRBの新たな政策手段は、かつて短期金利が単独で担った務めを果たすことができると強く確信していると述べた。もっとも議長自身が認めたように、量的緩和の消費刺激効果は利下げよりも小さい可能性がある。また、フォワードガイダンスは「過剰なリスクテイクを促し、金融の安定を損なう」恐れがある。

 この議論からうかがい知れるのは、こうしたリスクよりも、目標変更に伴うより大きなリスクのほうが重視されているということだ。議長が昨年9月の講演で指摘したように、インフレ目標を変更すればFRBの信認を脅かし、金融危機という特別な状況で役に立たない可能性があり、連銀法に記された「物価の安定」の定義が拡大することにもなる。今回の講演で言及されなかったこと、すなわち、FRBにとってインフレ率を2%へ押し上げることさえ難しいのならそれをどうやって4%へ押し上げるつもりなのか、という点が実は最大の問題かもしれない。

 これらは論理的反対だが、それに勝る何かがあるのかもしれない。FRB議長にとって非公式の責務の一つは、FRBという組織のアンカーとして機能する、つまり、FRBを中核的な目標に注力させ、知的流行という風になびかせないようにすることだ。96年当時は、主流派の考えを守ることがグリーンスパン議長の務めで、それに異を唱えることがイエレン理事の務めだった。グリーンスパン氏がイエレン氏の論理を理解したことは評価に値する。グリーンスパン氏はただそれを公表したくなかっただけだ。「2%のインフレ目標」という構想は、イエレン議長の前任のバーナンキ議長が正式に採用した。

 現在、主流派に異を唱えているのはウィリアムズ総裁だ。イエレン議長の務めは、かつてのグリーンスパン氏がそうであったように、こうした主張の是非を判断することではなく、それに耳を傾け、他のFRB関係者も議論に加わるよう促すことだ。イエレン議長はある時点で、FRBのアンカーを動かすべきかどうかが分かるだろう。

関連記事

FRB、インフレ目標引き上げの正当性とは
米利上げ示唆、金融市場は馬耳東風
FRBのマイナス金利嫌い、金融政策の限界露呈
米FRB特集
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwio2o7olObOAhVCmZQKHVejBzMQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11229581354231873921504582280761093830038&usg=AFQjCNGD3JJDNdONfL1wkdZi7q_C5HNTBg


 
イエレン議長、将来的に当局者がインフレ目標を引き上げる状況を想定
Rich Miller、Jeanna Smialek
2016年8月29日 11:38 JST

関連ニュース
日本株反発、円安進行で業績改善期待−輸出や金融など内外需広く上げ
中国株「異常な取引」調査−2カ月足らずで774件、投資家が戦々恐々
GPIFの日本株買い増し余力、日銀のETF買い入れ規模に匹敵
日銀次の標的は財投機関債か、経済対策支えるも「ますます困る」の声

連邦準備制度として現在「活発には検討していない」と議長
マイナス金利への言及なかったことが重要−BNPのロスナー氏

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米ワイオミング州ジャクソンホールでのシンポジウムで26日行った講演の結果、将来の米金融政策当局者らがインフレ目標を引き上げる可能性が強まった。さらに、深刻なリセッション(景気後退)への対応としてFRBが購入し得る資産の種類が増える公算も大きくなった。

  イエレン議長は連邦準備制度としてそうした手段を「活発には検討していない」と強調する一方で、「それらは重要な調査研究テーマだ」と指摘した。
  同議長は米金融当局が「たいていの状況下」で景気下降に対応するのに十分な手段を現在有していると言及。具体的には資産購入や、「金利を低水準に据え置く」と公約するフォワードガイダンスなどだと説明した上で、「とはいえ、これらのツールは万能薬ではない。そして将来の政策当局者らは、深刻で長期的な景気下降に対応するにはこれらツールでは不十分だと認識する可能性がある」と論じた。

  元FRBエコノミストで、現在はコーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は米金融当局がインフレ目標を引き上げるかどうかや、他の目標に切り替えるべきかどうかでコンセンサスに至るのは何年も先になる可能性があると予想。「これは重大な問題であり、議論を尽くしてこれが適切だと確信する必要がある」との見方を示した。

  BNPパリバのシニア米国担当エコノミスト、ローラ・ロスナー氏は将来、連邦準備制度の新たな政策選択肢が検討される可能性への道筋をイエレン議長は「開いている」とした上で、「私が重要に思うのはマイナス金利が挙げられなかったことだ」と述べた。

  イエレン議長は日本やユーロ圏が導入したマイナス金利に触れなかったものの、米金融当局が将来、新たな種類の資産購入も検討する可能性があると示唆した。FRBが金融政策の実施で購入可能なのは米国債と、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)など政府系機関が発行ないし保証する証券に限られる。一方、米国以外の中央銀行の制約は緩く、欧州中央銀行(ECB)は今年、社債の購入を開始し、日本銀行は上場投資信託(ETF)など多様な資産を買い入れる。

  イエレン議長は「将来の政策当局者は他の中銀が採用している一部の追加的ツールの検討を選択する可能性があるが、ツールの追加は費用と便益を極めて慎重に判断する必要があり、場合によっては法制化も必要となり得る」と述べた。
原題:Yellen Imagines a Future Where Fed Tinkers With Inflation Target(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-29/OCND9U6K50YB01


 
長期金利が3週間ぶり高水準、FRB高官発言受けた米債安重し
三浦和美
2016年8月29日 07:59 JST更新日時 2016年8月29日 10:21 JST

関連ニュース
日本株反発、円安進行で業績改善期待−輸出や金融など内外需広く上げ
中国株「異常な取引」調査−2カ月足らずで774件、投資家が戦々恐々
GPIFの日本株買い増し余力、日銀のETF買い入れ規模に匹敵
日銀次の標的は財投機関債か、経済対策支えるも「ますます困る」の声

• 10年債利回りは一時マイナス0.055%、9日以来の高水準
• 米金利上昇の影響限られ、長期金利あまり上がらない−バークレイズ
債券相場は下落し、長期金利は3週間ぶりの高水準を付けている。先週末に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長がワイオミング州ジャクソンホールで行った講演の内容を受けて、米長期金利が上昇した流れを引き継ぎ、売りが先行している。
  29日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.06%で取引を開始。一時マイナス0.055%と9日以来の水準まで上昇。日銀買い入れオペ通知後はマイナス0.065%を付けている。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/izKS6qrwY1r0/v2/-1x-1.png

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「イエレン議長とフィッシャー副議長の発言による合わせ技で米利上げ観測が高まっており、米債が下落した流れを受けて円債も売り優勢スタートだ」と説明。「今日、日銀国債買いオペがなければ軟調な展開が続くだろう」とし、「オペの結果次第では午後の相場が切り返す可能性もある」と言う。
  日銀は午前の金融調節で、今月10回目となる長期国債買い入れオペ実施を通知した。残存期間「1年超3年以下」、「3年超5年以下」、「10年超25年以下」、「25年超」が対象で、総額は1兆1400億円程度となる。
  長期国債先物市場で中心限月の9月物は前週末比17銭安の151円30銭で取引を開始し、一時は151円21銭まで水準を切り下げている。夜間取引は151円04銭と、前週末の日中終値比43銭安で引けた。
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「FRB正副議長が足並みをそろえた周到なメッセージ発出ぶりを見て、早期利上げを織り込まざるを得なくなったようだ」とし、「外部環境の景色が変わった分、今日の円債は売り先行でのスタートが見込まれる」と指摘。ただ、「それでも、それをおおむね消化した上で、先物の夜間取引安値をさらに下抜けて一段安となる展開までは想定されない」とみる。
  イエレン議長は26日の講演で、「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はこの数カ月で強まったと考えられる」と述べた。
  また、フィッシャーFRB副議長はCNBCのインタビューで、イエレン議長の発言について、9月利上げの可能性を残していると述べた。
  26日の米国債相場はイエレン議長の発言などを受けて下落。2年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇の0.84%。週間では約10bp上昇した。10年債利回りは6bp高い1.63%。
  バークレイズ証の押久保氏は、「FRBが実際に9月に利上げするかどうかはデータ次第だが、利上げに踏み切る場合に備えて、3割ぐらいしかなかった9月利上げ期待を引き上げておく必要があった」とし、「8月の米雇用統計次第では9月の利上げもあり得る状況だ」と指摘。「もっとも、米金利上昇が円債に与える影響は限られ、長期金利もあまり上がらないだろう」とみる。
ジャクソンホール・シンポに関する記事はこちらをクリックしてください
  日銀の黒田東彦総裁はジャクソンホールでのシンポジウムで、量・質・金利のいずれについても「追加緩和の余地は十分にある」と述べた上で、2%の物価目標の実現のために必要と判断した場合は、ちゅうちょなく3つの次元で追加的な緩和措置を講じていく姿勢をあらためて示した。
  バークレイズ証の押久保氏は、「黒田総裁がシンポジウムでマイナス金利について一定程度ポジティブな評価をしており、2年債などが比較的に底堅い」と言い、「あす2年債入札についてヘッジ的な需要が入るなど、黒田総裁の発言が影響を与える可能性がある」と話す。
  財務省は30日に2年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率は年0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は2兆3000億円程度。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-28/OCI9BU6KLVR401


イエレンFRB議長講演、ゴールドマンとPIMCOで異なる解釈
Kevin Buckland、Lilian Karunungan
2016年8月29日 13:31 JST

関連ニュース
日本株反発、円安進行で業績改善期待−輸出や金融など内外需広く上げ
GPIFの日本株買い増し余力、日銀のETF買い入れ規模に匹敵
日銀次の標的は財投機関債か、経済対策支えるも「ますます困る」の声
男もつらいよ、労働市場から消える働き盛り−遠い1億総活躍
• ゴールドマンは9月利上げ確率を40%と従来の30%から引き上げ
• PIMCOのクラリダ氏は議長講演に特筆すべき点はなかったと分析

連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が26日に行った講演は、ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストにとって、9月の米利上げの確率を引き上げるのに十分なタカ派的内容と映った。一方、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、講演には特筆すべき点は一切なかったと受け止めている。

イエレン議長

Photographer: Scott Eisen/Bloomberg
  債券トレーダーはゴールドマンの見解に同調している。イエレン議長がワイオミング州ジャクソンホールでの講演で利上げの論拠が強まったと述べたことを受け、市場が織り込む9月利上げの可能性が高まった。同社は9月の利上げの主観的な確率を40%と、従来の30%から引き上げたとジャン・ハッチウス氏率いるエコノミストが議長講演後のリポートで説明した。
  これに対し、PIMCOのグローバル戦略アドバイザーを務めるリチャード・クラリダ氏は「確かにジャクソンホールは年次会合の場として素晴らしいが、イエレン議長は大きなニュースにしたいと考えず、議長はその点で成功した」と顧客向けリポートで分析。さらに議長講演は「金利正常化の短期的な道筋や米金融当局の長期的なインフレ目標の枠組み」について、いかなる手掛かりも示さなかったと主張した。

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iESwYQeWsPPI/v2/-1x-1.png
原題:Pimco at Odds With Goldman on Yellen as September Rate Bets Rise(抜粋)


https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-29/OCNK7T6JIJUQ01 


 
FRBのマイナス金利嫌い、金融政策の限界露呈

By JON HILSENRATH AND HARRIET TORRY
2016 年 8 月 29 日 11:28 JST

 【ジャクソンホール(米ワイオミング州)】米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は当地で、今後の米金融政策について選択肢を示した際、日本と欧州の大部分で試みられている異論の多い概念をリストから露骨に除外した。マイナス金利だ。

 FRB当局は、経済と雇用市場が改善しているという理由で米国にはマイナス金利政策の必要はないと考えており、同政策の機能を巡る不透明感から今後も用いる必要がないよう願っている。

 米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は、カンザスシティー地区連銀が当地で開いた年次経済シンポジウムの傍らインタビューに応じ、「(マイナス金利は)遠くから眺める余裕のある実験と捉えている」と述べた。

 マイナス金利に対するFRBの抵抗感は、各国中銀が低迷する世界経済を刺激する取り組みにおいていかに限界に直面しているかを示している。

 マイナス金利は、子供に人気の「ホットポテト」ゲーム(輪になってポテトを回し、音楽が止まった時にポテトを持っていた子供が罰ゲームをする遊び)に似ている。誰も持っていたくないポテトがお金だ。商業銀行は中銀に資金を預けると手数料が課される。安全な中銀への預金にコストを課すこの政策の狙いは、銀行に対してより高い利回りが稼げる消費者や企業向けの融資を促すことにある。ひいてはこうしたリスクテイクが経済成長を促すこととなる。

 日本、ユーロ圏、デンマーク、スウェーデン、スイスの中央銀行はマイナス金利を導入しているが、効果はまちまちだ。スイス国立銀行(中央銀行)の政策金利はマイナス0.75%、日本銀行はマイナス0.1%、欧州中央銀行(ECB)はマイナス0.4%となっている。

 マイナス金利は多くの地域で非常に評判が悪い。家計は預金利回りの低さに不満を抱き、企業は利益幅の縮小を懸念するためだ。

 マイナス金利は意図せぬ影響をもたらすこともある。日本ではマイナス金利導入に伴い、日銀の期待とは裏腹に円高が進んだ。

 スイスではマイナス金利の導入を受け、銀行が住宅ローン金利を期待通り下げずに引き上げるという反応を見せた。政策の狙いは消費者に貯蓄を減らして消費するよう促すことであるにもかかわらず、ドイツ、日本、スウェーデン、スイス、デンマークでは貯蓄が増えている。

 それでも、当地に集まった中銀当局者らは、マイナス金利が多くの点で意図した機能を果たす兆候を見せていると述べた。

 30年物の日本国債利回りは、1月のマイナス金利導入前の約1.5%から0.5%未満へ低下した。これで日本では狙い通り借り入れや支出、投資が上向くかもしれない。

 日銀の黒田東彦総裁は当地で討論会に出席し、「長期の資金調達金利が下がったことにより、企業の長期資金需要や家計の住宅ローン資金需要が刺激され、結果として幅広い借り入れ主体に恩恵を与えている」と述べた。「20年やそれ以上の満期の社債発行が大幅に増えている」とも話した。

 ECBが26日発表した統計によると、7月は家計向け融資が前年同月比1.8%増、非金融企業向け融資は同1.9%増加した。伸びは小幅だが、マイナス金利導入以前に見られた融資の縮小傾向が引き続き覆されている。

 マイナス金利で銀行の利益が圧迫され、融資意欲がそがれると懸念する向きもある。だがECBによれば、欧州銀の純利益は2014年の300億ユーロに対し、15年には500億ユーロを上回った。

 ECBのクーレ専務理事は、ユーロ圏のこれまでのマイナス金利政策に言及し、「マイナス金利は機能している。異常なものでも道徳に反したものでもばかげたものでもない」と語った。だが、当地に集まった中銀当局者の間で同政策への懸念が根強いことに触れ、マイナス金利を深掘りしすぎることについては警戒していると話した。

 学者らは当地のパネル討論会で、中銀が現金を廃止する、あるいは家計の現金保有にコストを課すことでマイナス金利を深掘りできるかどうかを取り上げた。現金はマイナス金利導入の障害となる。家計や企業は銀行預金に罰金が科された場合、支払わずにすむよう現金を抱え込む可能性がある。

 中銀当局者らはマイナス金利の効果を擁護しながらも、同政策をさらに追求するという考えを支持しようとはしなかった。

 スウェーデンのリクスバンク(中央銀行)の金融政策局責任者、マリアンヌ・ネッセン氏は「懸案の問題が多くある」とし、「小幅なマイナス金利の経験がおおむね予想通りであっても、大幅なマイナス金利が同じように機能すると結論付ける自信はない」と語った。

 「全ての核心にあるのは、今後の成長見通しが過去数十年に見られた水準より低いという懸念だが、その解決策は金融政策にはない。どこか他で探さねばならない」と述べた。

 不確実性の源として浮上しているのが、マイナス金利が家計の貯蓄行動に与える影響だ。低金利・マイナス金利の狙いは家計に支出を促すことにあるが、批判的な向きは逆効果をもたらすと主張している。

 セントルイス地区連銀のブラード総裁は、「低金利が預金者に対して懲罰的だという考えは、極めて成熟した問題だ」とし、「誰もがこれらの問題について内省を重ねている」と話した。

 米経済が改善しているため、FRBは差し当たりマイナス金利を検討する必要がなく、当局者らは超低水準の政策金利の段階的な引き上げを目指している。

 イエレン議長は26日の講演で、次に景気が悪化し、成長を刺激すべく利下げに転じる場合、FRBはどう事を進めるか行程表を示そうとした。

 議長は金融危機後に用いた政策手段に頼る方針を明らかにした。これには、長期金利の押し下げを目的とした米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れが含まれる。イエレン議長は、買い入れの対象をこうした従来型の投資商品以外にさえ広げる可能性があることを示唆した。また、FRBは金利が今後もかなりの低水準にとどまるという確約も行うだろうと話したが、マイナス金利については口にしなかった。

関連記事

FRB議長、利上げへの確信強める
FRB議長講演、市場の反応は狙い通りか
2連銀総裁、年内2回の米利上げ見通しに距離
米FRB特集
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwizip_6lObOAhUBvZQKHZqoCYkQqQIIHjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11229581354231873921504582280471678837602&usg=AFQjCNGM_yioum05FVGtclfGjWY9tZKlOA
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年8月30日 19:53:10 : Wnc6oSvgYA : @SAV2f9Nl3c[237]
楽しげな ことだけ見よう 裏なんて
見ざる聞かざる 知らざるままに

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民112掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民112掲示板  
次へ