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住宅ローン金利の異変を受けて銀行の窓口も一変
住宅ローン「変動」と「固定」の金利が逆転 賢い選択は?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160829-00010000-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 8月29日(月)16時0分配信
住宅ローンの金利といえば、将来的な変動リスクがある「変動型」と金利が変動しない「固定型」の2タイプあり、変動型の金利が低く、固定型の金利が高いというのが従来の常識だった。しかし、今年2月に日銀がマイナス金利を導入したことで、ついにそれが覆されつつある。
主要行の住宅ローン金利(8月の最優遇適用金利)を見ると、「変動型」では三菱東京UFJ、みずほ、三井住友の3メガバンクが「0.625%」(みずほはネット借り換えの場合、0.6%)、りそなが「0.625%」(ネット借り換えは0.569%)、三井住友信託が「0.6%」となっているが、「10年固定型」では三菱東京UFJが「0.5%」、三井住友信託が「0.35%」などと固定が変動を下回る“逆転”が起こっているのだ。
なぜこんなことになっているのか。固定型は長期金利にほぼ連動し、その指標となる10年もの国債の利回りはマイナスとなっており、それが反映されて引き下げられた格好だ。一方、変動型は短期プライムレート(銀行の企業向け融資の際に業績好調などの理由から適用される最優遇貸出金利のうち1年以内の短期間のもの)を基準にして、半年ごとに利率が見直されるが、その水準は銀行側の事情によるところが大きい。すでに短プラは空前の超低金利下にあり、それを収益源とする銀行側としては「これ以上は下げたくない」のが本音であるため、変動型よりも固定型の方が低くなっているのである。
「固定型」が本当に有利なのか?
そのような事態を受けて、銀行の窓口も一変している。昨年までは住宅ローンを組む際、変動型を選ぶ顧客が7割を占めていたというが、今やそれも逆転。新規では固定型が過半を占め、借り換えに至っては7割強が固定型を選ぶようになっているといわれる。「少しでも低い金利を求めて変動型を選ぶ」という住宅ローン選びの常識も変わりつつあるようだ。
ただし、「今の金利が低いから」というだけで固定型を選択するのには注意も必要だ。ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター)が語る。
「現在、銀行が前面に打ち出している10年固定というのは、ベースが変動型で当初10年間は固定にする期間優遇タイプにすぎません。たとえば三井住友信託の場合、10年固定で当初10年は『0.3%』ですが、優遇期間をすぎると、基準となる店頭表示金利から『マイナス1.4%』の引き下げ幅となります。これに対し、変動型は『0.6%』と一見、金利が倍も高いイメージに映りますが、返済期間中はずっと『マイナス1.875%』の引き下げ幅が続く。つまり、10年経過後は同じ変動金利であるにもかかわらず、10年固定はその差の0.475%分高い金利を払い続けなければならなくなってしまうのです」
そのままローン返済を続けていた場合、当初10年間で0.3%分有利になったとしても、その後は0.475%分不利になるというのだ。
「残りの返済期間が15〜20年以内なら固定に切り替えてもいいと思いますが、20年超の返済期間が残っている方は慎重に考えるべきです」(藤川氏)
マイナス金利で「借り換えの絶好のチャンス」と安易に飛びつくのは避けたいところだ。
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