http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/355.html
Tweet |
コンビニやスーパーの食用油・醤油は要注意!安全上不安な遺伝子組み換え作物使用の恐れ
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16444.html
2016.08.25 文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト Business Journal
「遺伝子組み換え食品は食べたくない」と思っている人は多いことでしょう。そのため、市販のしょうゆには、「大豆(遺伝子組換えでない)」という表示があります。また、コーンスナックには「とうもろこし(遺伝子組換えでない)」、ポテトチップスにも「じゃがいも(遺伝子組換えでない)」という表示があります。
これらを見て安心して買っている人も多いと思います。ところが、知らないところで遺伝子組み換え作物が使われ、私たちが口にしている可能性があるのです。
イオン・トップバリュの「すっきり 緑茶」という製品には、「難消化性デキストリン(とうもろこし):遺伝子組換え不分別(遺伝子組換えとうもろこしが含まれる可能性があります。)」と表示されています。
つまり、原材料として使われている難消化性デキストリンは、トウモロコシを原料としてつくられていて、そのトウモロコシには遺伝子組み換えのものが含まれている可能性があるということです。また、同じくトップバリュの「甘さひかえめ こんぶ豆」には、「還元水あめ(とうもろこし):遺伝子組換え不分別(遺伝子組換えとうもろこしが含まれる可能性があります。)」という表示があります。これも同様です。
トップバリュの製品の場合、こうした内容がきちんと表示されていますが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで売られているほかの一般の食品には、こうした表示は見当たりません。しかし、状況は同じなのです。つまり、難消化性デキストリンや還元水あめの場合、アメリカなどから輸入したトウモロコシを原料としてつくられており、それには遺伝子組み換えトウモロコシが含まれている可能性があります。しかし、そのことを表示していないのです。
■国内で流通する遺伝子組み換え作物
現在、アメリカなどで栽培されている遺伝子組み換え作物は、ほとんどが害虫抵抗性または除草剤耐性、あるいは両方を兼ね備えたものです。害虫抵抗性とは、文字通り特定の害虫、すなわち作物を食い荒らす虫に抵抗性を持っているということです。具体的には、バチルス・チューリンゲンシスという細菌(通称BT菌)の遺伝子の一部を、トウモロコシや大豆、じゃがいも、綿などの細胞に組み込んだものです。その遺伝子の働きで、蛾の幼虫やてんとう虫の類が食べると死んでしまう殺虫毒素が細胞の中につくられます。そのため、害虫の被害を受けにくくなるのです。
除草剤耐性は、特定の除草剤を使っても枯れないという性質です。これは、ある種の土壌細菌の遺伝子の一部を切り取って、トウモロコシ、大豆、ナタネ、綿などに組み込みます。すると、その遺伝子が働いて特定の酵素がつくられます。この酵素は、除草剤のグリホサート(商品名は「ラウンドアップ」)やグルホシネート(商品名は「バスタ」)などの作用を失わせる働きがあります。そのため、それらの農薬を撒布しても枯れないのです。
日本では、8月22日現在で306品種の遺伝子組み換え作物の流通が認められています。これらは、厚生労働省によって食品としての安全性が認められ、輸入や販売が認められたものです。内訳は、大豆22品種、ナタネ20品種、とうもろこし202品種、じゃがいも8品種、テンサイ3品種、綿45品種、アルファルファ5品種、パパイヤ1品種です。そのほとんどは、害虫抵抗性または除草剤耐性、あるいは両方を兼ね備えたものです。
日本では、まだ国内で栽培された遺伝子組み換え作物は流通していませんが、外国からは遺伝子組み換え作物が輸入されていて、加工食品の原材料として使われています。
食品表示法の食品表示基準では、原材料に遺伝子組み換え作物を使用した場合、その旨を表示することを義務付けています。たとえば、コーンスナックの場合、原材料に遺伝子組み換えトウモロコシを使った場合、「とうもろこし(遺伝子組換え)」と表示しなければなりません。また、遺伝子組み換えトウモロコシと普通のトウモロコシが分別されておらず、混じり合っている可能性がある場合、「とうもろこし(遺伝子組換え不分別)」と表示しなければならないのです。
■遺伝子組み換え作物を知らない間に摂取している!
しかし、加工食品の場合、これらの表示がなされるのは、遺伝子組み換え作物が「主な原材料」となっている商品だけです。「主な原材料」とは、原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位3位までで、かつ原材料の重量に占める割合が5%以上のものです。これに該当しない場合は、「遺伝子組換え」「遺伝子組換え不分別」という表示はしなくてもよいのです。
さらに、遺伝子組み換え作物が「主な原材料」であっても、表示しなくてもよい食品があります。それは食用油やしょうゆです。食用油の場合、当然ながら成分は油です。大豆油の場合、大豆から油を取り出して、余計なたんぱく質などは取り除かれます。
遺伝子組み換え大豆は、細菌などの遺伝子を組み込んで、その働きで特定のたんぱく質をつくるようにしたものです。したがって、組み込まれた遺伝子がつくり出したたんぱく質は取り除かれて、大豆油には含まれないことになります。また、組み込まれた遺伝子も見つかりません。そのため、組み込まれた遺伝子が食用油に及ぼす影響はほとんどないという理由で、「遺伝子組換え」という表示が免除されているのです。コーン油やナタネ油も同じです。
また、しょうゆも同様です。しょうゆは、大豆を発酵させることでつくられます。その発酵の過程で、組み込まれた遺伝子がつくり出したたんぱく質は分解されてしまいます。また、しょうゆからは組み込まれた遺伝子も見つかりません。そのため、表示が免除されているのです。
このほか、加工食品によく使われている原材料で、「遺伝子組換え」あるいは「遺伝子組換え不分別」という表示を省略できるものがあります。それは、デキストリン、水あめ、液糖などです。デキストリンは、ブドウ糖がいくつも結合したもので、トウモロコシデンプンなどを酵素で分解することによってつくられています。ちなみに、そのなかで消化されにくいものが難消化性デキストリンで、トクホ(特定保健用食品)や機能性表示食品によく使われています。また、水あめや液糖も、トウモロコシデンプンを原料につくられることが多いのです。
トップバリュの製品は、消費者への情報公開という観点から、冒頭で述べたようにあえて表示義務のないデキストリンや水あめなどについても、「遺伝子組換え不分別」という表示をしているのです。ところが、ほかの一般製品の場合、デキストリンや水あめなどを使っていても、こうした表示はほとんど見当たりません。しかし、原材料としてアメリカなどから輸入されたトウモロコシが使われて、遺伝子組み換えトウモロコシが混じっている可能性があるという点では同じなのです。
■遺伝子組み換え作物の危険性
日本で食品として流通が認められている遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆などは、前述したように、いずれもある種の細菌の遺伝子を作物の細胞に人工的に組み込んであります。そのため、その遺伝子の働きによって、特殊なたんぱく質が細胞中につくられます。
しかし、それはこれまで人間が食べてきたたんぱく質ではありません。したがって、人間にとって本当に安全であるかは、まだよくわからない面があるのです。特に消費者としてもっとも心配されるのが、そのたんぱく質によってアレルギーを起こすことがないのかという点です。これらは、もともと細菌がつくり出すもので、人間になじみがありません。したがって、体の免疫がそれを排除しようとし、結果的に蕁麻疹などのアレルギー症状が現れることが危惧されるのです。
また、細菌の遺伝子が組み込まれることによって、遺伝子に予期し得ないことが発生して、思いもよらない物質ができる可能性があります。それが、毒性物質であった場合、大規模な食品被害が発生することになるでしょう。
一方で、こうした不安を打ち消すような情報もアメリカから入ってきています。米科学アカデミーは5月、遺伝子組み換えトウモロコシや大豆について、人間や動物が食べても健康上のリスクの増加は認められないという報告書を発表しました(5月19日付朝日新聞記事)。
専門家による委員会が、過去20年間にわたる調査報告や研究論文など約900件を精査し、さらに遺伝子組み換え作物に対する賛否双方の立場約80人の意見を聞き、公聴会や公募で寄せられた700件以上の意見なども参考にしたといいます。
その結果、遺伝子組み換え作物を使った食品を食べたことによる健康被害は認められず、家畜や人間が食べても、がんや肥満、消化器・腎臓の病気、アレルギーなどのリスクが高まるとの疫学的データは得られなかったとのことです。
これは大がかりな調査といえますが、アメリカは遺伝子組み換え食品について推進の姿勢をとっている国であり、政府も企業も遺伝子組み換え作物の開発や栽培に力を入れています。そうした国で行われた調査なので、どれだけ実情に合ったものなのかは疑問が残るところです。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民112掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。