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アスカコーポレーション・南部昭行社長
博報堂、60億円の水増し請求疑惑!取引先が提訴…依頼無視し嘘連発、低レベルな仕事
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16435.html
2016.08.25 文=松崎隆司/経済ジャーナリスト Business Journal
博報堂から水増し請求を受けたとして、アスカコーポレーションの南部昭行社長は5月20日、博報堂を相手取り15億3000万円の不当利得の返還請求を行った。さらに8月16日には、47億8631万円の同請求も行った。博報堂といえば日本第2位の広告代理店だが、なぜ南部氏は同社に対して60億円を超える返還請求を行うに至ったのか。同氏にその真意を聞いた。
――返還請求に至ったきっかけを教えてください。
南部昭行氏(以下、南部) きっかけは、博報堂が昨年10月、当社に対して6億1000万円の未払い請求を行ってきたことです。私自身は争い事を好みません。昨年の段階で丸く収めることを考え、博報堂さんと問題を解決しようと譲歩してきました。ところがなんの音沙汰もなく、いきなり差し押さえを請求をしてきたのです。ものごとにはルールがある。「それならこちらにも言い分がある。受けて立ちましょう」ということになったのです。過去の請求でおかしな点が多々ありました。それを黙って不問にしてきた部分もあります。そこで、実際に博報堂との取引がどのようなものだったのか、さかのぼって徹底的に調べることにしたのです。調査が進んでいくなかで、次々に驚愕の事実が明らかになってきました。
調査を進めているさなかに、新しい問題が浮上しました。博報堂さんとの問題が噂になって取引先に広がっているのです。情報の漏洩元を突き詰めていくと、みなさん口を濁す。それでも調べていくと、最終的にはある会社の名前が浮上し、そこの営業担当者の名前が挙がったわけです。誰がなんのためにそんな情報を流したのかも想像できます。このような事態を看過すれば大変なことになる。そこで、我々としても博報堂を提訴することにしたのです。
――刑事事件でも訴えるのですか。
南部 詐欺の立証はそう簡単なことではないと思います。警察の方たちと話をしながら確実にできると判断できればやるつもりです。現在は相談中です。
■取引開始のきっかけ
――博報堂との取引は、どのようなきっかけから始まったのでしょうか。
南部 以前は当社のメインの広告代理店は東急エージェンシーさんでしたが、電波メディアでは東急さんに若干の弱さを感じていました。そんな時に電通さんが入ってきたのですが、電通さん1社では言い値で請求されると思ったのです。そこで、博報堂さんの九州支社を入れてコンペ形式で発注するようにしたのです。そして東京本社のアカウント・ディレクター(課長待遇)のAさんが紹介されました。最初は気が小さく自分の意志を表に出すことのないようなタイプで、東急さんや電通さんなどとの代理店会議で質問を求めても、発言するようなタイプではありませんでした。
当社は当時、主力の広告は情報誌でしたが、これを東急さんがメインで担当し、電通さんとも健康食品の情報誌を出していました。博報堂さんはこれに自分たちもかかわらせてほしいと言ってきたのです。この情報誌には新商品の情報がいち早く掲載されるので、広告代理店としてはどうしてもやりたかったのでしょう。そこで「貴社が得意なものがあればいいですよ」と言ったのです。
すると向こうから「タレントを使って商品の紹介ができます」という話がありました。うちとしては「ヤラセは困るから、事前に商品を送ってきちんと使ってもらってコメントをもらってくださいね」とお願いしたわけです。
その後、博報堂さんは「電通さんに発注している健康食品の情報誌も、自分たちにやらしてほしい。受注できなくてもいいから、一度コンペをやらしてほしい」と言ってきました。そこまで言われたのでコンペをしましたが、とても採用できるような内容ではなかったので却下したのですが、その後なんの事前の連絡もないのに、却下したプレゼンテーションの費用を請求されたのです。
最近調べてわかったのですが、「ひっかけられた」という感じです。何も知らないままプレゼンをして、むしろ情報誌のつくり方を教えたのは当社のほうで、逆にコンサルタント料をもらいたいくらいです。そうしたことが、長い取引の中で積みあがっていったのです。
――水増し請求は、どのくらい行われていたのですか。
南部 博報堂との取引は10年間ぐらい行われ、その間に130億円ぐらいはお支払いしていると思います。調べてみるとその半分弱、60億円ぐらいは水増しされているようでした。それで8月になってさらに47億円の不当利得返還請求を行ったわけです。
■呆れる費用請求
――具体的には、どのようなかたちで水増しが行われていたのでしょうか。
南部 たとえば「渡航費」という部分です。東京から福岡までの出張経費が渡航費として1回100万円以上の単位で請求されていました。ほかの取引先は、そのようなことは一度もなかったので、びっくりしました。もちろん、そうした費用を請求するなどという話は事前になく、正直呆れました。
――事前に見積もりのようなものは求めなかったのですか。
南部 当然、求めました。「後出しじゃんけんのような見積もりは認められない」と伝えてきたので、そうしたルールはしっかり守ってくれていると思っていたのです。
――博報堂との問題で、他の取引先には、どのような影響があったのでしょうか。
南部 風評なども広がり、かなり影響がありました。そのため、新しい取引先を開拓しなければならなくなってしまいました。そんな状況が今年4月まで続き、会社の置かれた環境はすっかり変わってしまいました。風評を流した相手についても判明してきたので、事の是非をきちんと明らかにして、法的に対応したいと思っています。
■「専門家」だと偽り
――博報堂のAさんは、博報堂の社員ではなく、なんの専門的な知識もないような人物を専門家と称して連れてきて、高い請求をしてきたというようなこともあったそうですね。
南部 ありました。「番組制作の専門家」だと偽って請求してきたものもあります。15秒、30秒のCMをつくるときに、博報堂が企画したものはないのです。丸投げ状態だったので、「CMの企画料は取らないでください」とお願いしたのですが、それでも600万円にも上る企画料を請求してきたのですから、呆れてものが言えません。
――なぜ、そのような博報堂と、取引を続けてきたのですか。Aさんを信じていたのですか。
南部 そうです。信じていました。役員も彼を押していましたから、それだけの仕事ができるのだろうと思っていたのです。
――最終的には博報堂1社に任せるかたちになりましたが、それはいつ頃からでしょうか。
南部 博報堂単体に任せるようになったのは、2008年3月からになると思います。
――博報堂がおかしな仕事をするようになったのは、単体で仕事をするようになってからですか。それとも、以前からそんな仕事の仕方をしていたのでしょうか。
南部 博報堂さんに仕事を頼むようになって2、3年たち、情報誌をやるようになってからではないでしょうか。
――そのときはまだ東急や電通は残っていたわけですよね。
南部 当社はよほどのことがないかぎり、取引先を切るということはしてきませんでした。東急さんには人間的にもすばらしい部長さんがおられたのですが、この方がお亡くなりになられたことが、大きなきっかけになったと思います。東急さんは情報誌がメインで、月に数千万円規模の仕事を発注していたのですが、博報堂さんが入ってきたことにより仕事が減り、九州支社は撤退してしまいました。そのため、その後は東急さんに仕事を頼めなくなってしまったのです。電通さんとの取引も疎遠となっていきました。
■依頼業務行わず、代金のみ請求
――独占的に仕事をするようになって、博報堂はどういう仕事をしていたのですか。
南部 情報誌については、まったく勉強していなかった。こちらが全部手直ししなければ使えるようなものではなかった。実は、情報誌のためのインタビュー記事などをきちんと制作してストックしてほしいといって、月300万円ぐらいの予算を組んでいたのです。ところが、ストックしないでお金だけ取っていたのです。これがひとつの不信の原因です。
それで「これはいったいどういうことなのか」とAさんに申し上げたら、その場で部下を「お前やっていないのか」と叱責するわけですよ。それを見ていて、その時は「きちんと指示をしていたけれども、部下がちゃんとやっていなかったのか」と思ったのです。しかし、実際には毎月それが起こっていたわけですよ。つまり会社として何もやっていないで、パフォーマンスとして怒って見せていたというわけです。
――情報誌には広告も掲載されていますが、そこでもごまかしがあったそうですね。
南部 情報誌はもっとも多い時期で100万部ほど発行部数がありました。少ないときでも78万部ぐらいです。そこで広告を出稿してくださる企業さんを集めることを、東急さん、電通さん、博報堂さんにお願いしたのです。博報堂さんは広告をすぐに持ってきたのですが、実はこれは当事者たちの了解も広告料も、もらっていない。それが、あとから調べてわかったのです。
――取りやめになったCMの料金だけが請求されているということも、あったそうですね。
南部 あります。「やめてほしい」という意思表示は、メールの履歴で確認できるので、事実関係ははっきりしています。
――請求書や見積書は本来、社内で管理するために伝票番号が記載されていますが、それが記載されていないような伝票を博報堂は貴社に送ってきている。つまり、伝票を捏造している可能性もあります。現在裁判をしているわけですから、裁判所を通して博報堂に資料を請求することもできるわけですよね。
南部 先方には証拠がないので、口頭でいろいろ言い逃れをしています。それをきちんとこちらが説明していかなければならないのです。裁判外ではまだ言えないこともあります。そうした資料請求については、すでに5月から始まった裁判で行っています。
――「騙してやろう」という故意が立証できれば、詐欺として刑事告訴もできるのではないでしょうか。
南部 今までの博報堂さんの仕事、見積書、請求書などがずさんだったということは確かだと思います。取引先のみなさんには、「まず見積書を出していただき、それを当社が了承した上で仕事をやっていただき、請求書を出してください」とお願いしています。請求書は月末締めで翌月15日が締切です。博報堂さんの場合は、15日当日に私に請求書と見積書を渡して、勝手に「OKをもらった」と言っているのです。
その場で見積書をみて判断などできません。その日のうちに請求書を出し、それを経理に持って行き、私が了解したと勝手に言って請求しているわけです。そんな仕事の仕方がありますか。ただ、詐欺に該当するかどうかは法律的な問題なので、これからしっかりと捜査当局と話をしながら考えています。
■視聴率調査でも問題
――ほかにも、博報堂の問題行為はありますか。
南部 たとえば視聴率の調査です。この調査結果に基づき、CM広告を入れるかどうか、広告料をいくらにするのかを検討していくのですが、その視聴率の調査でも偽装があった。
――偽装というのは。
南部 どうも数字が水増しされていると疑問を感じたので、社員に調べさせたのです。一般的には3カ月の平均値を出してくるのですが、これをごまかすために最大値を出している可能性がある。そこで最大値を調べさせたら、やはりおかしかった。そこで片っ端から調べたら、すべておかしいわけです。電波の世界では9%と10%では価値が全然違います。それを偽装するというのは非常に大きな問題です。
――今後の動きは。
南部 まずは民事訴訟でしっかりとこちらの主張をしていきます。その上で何ができるか考えたいと思っています。最初はこちらもノーガードでたたかれっぱなしでしたが、それでも会社はしっかりと残っている。それは、こちらもまだやらなければならないことがあるということだと思っています。正しいことは正しいと主張したい。それが社長としての最後の仕事になるかもしれません。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
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