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雑感。日銀と株式市場
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52839954.html
2016年08月23日 在野のアナリスト
第2次補正予算で農業関連が6千億円弱、そのうち3.5千億円がTPP対策とします。しかし米国は共和党のトランプ候補が反対、民主党のヒラリー候補も採用に否定的。このままだとTPPは雲散霧消します。米紙でも「TPPが頓挫し、一番困るのは日本。TPP以外、安倍ノミクスでは成長戦略がないから」と日本をこき下ろします。しかもTPPが頓挫したケースで、この投資が有効に活用されるか? というと懐疑的です。輸出拠点の整備や農地の大区画化、としますが、TPPという黒船を利用して強引に押し進めよう、という国の魂胆が通用しなくなり、理念なき資金のバラマキに陥りかねないからです。
台風が関東を直撃し、東日本をなめるように北上。収穫期を迎えた農産物への被害が心配されます。いっぱい作って余剰分を売ればいい、単純に考えるとその通りですが、TPPのような関税障壁がなくなると、流通量が重要な価格決定理由になります。台風などの自然災害で流通量が変動することは、ある意味リスクを高める結果にもなり得るのです。何でもかんでも自由競争にもっていけば解決する、そんな安倍政権の単純な発想にこそ、『成長』戦略が必要なのかもしれません。
リオ五輪が終わって宴の後、をかもすメディアですが、株式市場にも宴の後、といった空気がただよいます。週末のイエレン米FRB議長のジャクソンホールでの講演で、利上げに関する言及があるか。それをみて今後の動きを決めよう、という投資家も多く、身動きがとれなくなった。また円高で株安に誘導したいけれど、日銀の買いがそれを食い止めるので売り方の仕掛けもできない。上にも下にも行けず、取引に面白みもない。今日も日銀がETF買いを入れる、とみて買った層が弾け間際に売った。最近では日銀による市場支配が問題視されますが、そんな状態を嫌気し、まさに閑古鳥が鳴く状態になっています。
今週は外国人投資家にとって、夏休みの最終盤ということもあるのでしょうが、日本市場が魅力を失っていることも一因です。それは海外メディアにまで「TPPしか成長戦略がない」などと酷評されては、株価も上に行きようがありません。しかも、日銀の態度について株式市場は緩和期待、債券市場は緩和見直し、と逆の思惑を膨らませており、日本は急変動を引き起こしやすい、脆弱な状況に陥っていることも投資を手控えさせます。日本の株式市場は、日銀と一蓮托生。その日銀がもう泥船なので、いつまで乗っていられるか? という問題が重要になってきた。いつ沈んでもおかしくない、そんな状態なのでしょう。
そんな泥船・日銀の次の一手を個人的に予想すると、ETF購入は6兆円を上限とするものの未達でも構わない。規模を維持しつつ、実際には介入回数を減らす。国債も80兆円の枠を維持するものの、金利動向によっては80兆円を上限とし、未達でも構わないとする、いわゆる規模を維持しつつ、実際には介入の額を減らすしか手がない、と考えています。今の状態を数年つづけるのは、ほぼ不可能です。規模を減らし、緩和の延命措置をはかるしかない。これは引き締めになりますが、激変緩和措置として処理していかないと、後にそれこそ突然死するぐらい、急激な引き締めに転じざるを得なくなるからです。
さらに問題が、今のまま緩和をつづけたとて、将来に強い経済成長を達成したり、インフレになることもない、ということです。つまり引き締めに転じるとき、本当は引き締められるほど経済が強くない可能性が高い。だからこそ尚更、徐々に緩和を見直していくしかありません。そもそも9月21日に追加緩和をするなら、あらゆる手段を模索する、という従来の主張を見直す必要もなかった。総括的検証、という言葉には正負両面ある。これも激変緩和措置にむけて、マイナス面を意識させよう、との苦心の言葉にしか思えないのです。
日銀がフィンテックを後押しするため、会合が開かれました。フィンテックの良い点は、資金の融通がつき易い、利便性が上がる、などがありますが、仮想通貨が増えると見かけの経済規模が増える、という面もあります。つまり日銀が発行する銀行券以上に、フィンテックなどの仮想通貨によって取引される財が増えると、そこで経済が回る。フィンテックをGDPに参入するのは難しいですが、波及効果は期待できます。見かけ上、流通する貨幣が増えればインフレにもなり易い。ただし、日銀がコントロールし切れないほどに仮想通貨が肥大化してしまうことはリスクであり、制度上の精査が欠かせない、とも言えます。
しかもIoTや、自動運転技術にもセキュリティーという話がでてきましたが、セキュリティーがあっても突破される恐れは常にある。フィンテックも同じ、仮想通貨は現実のマネーとは異なり、抜かれても気づきにくい面もあるのです。そんなものに頼り、経済を運営することは危険でしかないのでしょう。不足する部分を補う、という面では必要ですが、日本のように現金が当たり前のように通用し、未だに現金社会である国では、フィンテック自体が浸透し難い環境もあります。それに依存するしかない日銀、そんな日銀に頼るしか成長戦略もない安倍政権。今やこの国は『一蓮托生』ならぬ『日銀託生』、日銀に生死を託した状態になっている。日銀が失敗したとき、新たな危機に直面することにもなりかねないのでしょうね。
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