＜生命保険料＞各社が引き上げ検討　１割程度か　毎月払い型
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160823-00000063-mai-bus_all
毎日新聞 8月23日(火)19時5分配信

　◇日銀マイナス金利政策で運用難　懸念の「値上げで客離れ」

　生命保険各社は、毎月保険料を支払うタイプの保険商品について、新規の契約者を対象に来春から値上げする検討に入った。日銀のマイナス金利政策で運用難に陥っているためで、値上げ幅は１割程度に上る可能性がある。しかし、主力商品である毎月払い型商品の値上げは客離れにつながる恐れもあるため、各社は慎重に検討を進めている。

　生命保険の保険料を決める際には、契約者が支払った保険料を保険会社が株式や債券で運用することで見込める利回り（予定利率）が重要な要素となる。予定利率が下がれば、将来の保険金支払いに充てる資金の確保が難しくなるため、保険料は高くなりやすい。

　予定利率の指標となるのが、金融庁が定める「標準利率」で、毎月払いの保険商品の場合は毎年４月に利率が改定される。マイナス金利によって国債などの利回りが大幅に低下していることから、来年４月に利率が４年ぶりに引き下げられるのは確実だ。現在の金利水準が続けば、利率は現行の１％から０．２５％まで低下する見通しで、過去最大の引き下げ幅となる。

　標準利率が年４回改定される一時払いの終身保険などは、すでに保険料値上げや販売停止の動きが出ている。毎月払いについても、積み立てた保険料が将来的に戻ってくる貯蓄型の終身保険や年金保険などを中心に値上げを検討する。

　しかし、主力商品の保険料を値上げすれば、若者などの保険離れにつながる恐れもある。各社は事業コストを抑制するなどして値上げはできるだけ避けたい考えだ。「自社だけが保険料を値上げすれば、顧客を奪われてしまう」（大手生保幹部）との懸念もあり、来年度の商品の大枠を固める年末に向けて、ライバル社の動向をうかがいながらの神経戦が続きそうだ。
　

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