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次世代ディスプレーの有機ELへの対応でも、シャープやイノラックス、ジャパンディスプレイは後れを取っている(写真はシャープが開発中の折り畳み可能な有機ELパネル) Photo by Masaki Nakamura
シャープ、JDI、鴻海まで!液晶総崩れの悲惨
http://diamond.jp/articles/-/99453
2016年8月22日 週刊ダイヤモンド編集部
液晶パネルメーカーが総崩れの状況に陥っている。国内大手のシャープやジャパンディスプレイだけでなく、シャープの親会社になった台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)の傘下企業など海外勢も価格下落による赤字に苦しみ始めた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)
8月12日。台湾の電子機器受託製造サービス大手、鴻海精密工業(ホンハイ)からの出資が完了したこの日の午前、シャープではある“事件”が起きていた。
自らの退任と取締役の辞任を機関決定した後、大阪市の旧本社ビルの2階個室から出てきた高橋興三前社長は、社員たちへ最後のあいさつもないままに、社用車に乗り込み、午前中にそのまま帰ってしまったのだ。
「後のことは知らん」と言わんばかりに、会社を去っていくその姿を見聞きした社員たちは、怒りを通り越してもはや「ネタとして笑うしかなかった」という。
「もう何もしなくていいですから」。出資契約をした4月以降、高橋氏はホンハイからそうクギを刺され、7月末にあった四半期決算の会見にすら姿を見せなかった。だが、惨憺たる業績の言い訳をしなくて済んだだけ、本人にとっては好都合だったかもしれない。
シャープの2016年4〜6月期の連結最終損益は、274億円の赤字。肝心の液晶事業の売上高は前年同期比で実に37%も減少。営業赤字は107億円にも上った。
特に米アップルのiPhoneをはじめとした、スマートフォン向けの液晶パネルの出荷が減少していることが打撃になった。
それに加えて、足元でシャープを苦しめ始めたのが、第10世代と呼ばれる世界最大の液晶工場を持つ、堺ディスプレイプロダクト(SDP)の大幅赤字だ。
SDPは、シャープから37.61%の出資を受けており、持ち分法適用会社になっている。そのSDPがテレビ向けパネルの受注減少と、円高の影響によって300億円超(推計)の最終赤字に転落したことで、116億円の持ち分法投資損失を被ったのだ。
SDPの赤字は、単なる災難では済まされない。12年からSDPに出資し、運営の主導権を握ってきたホンハイにとって、「これまで黒字を維持」(ホンハイの郭台銘会長)してきたことが、シャープの液晶事業も再建できるという主張のよりどころになっていたからだ。そのロジックがここにきて、完全に崩れてしまったわけだ。
さらに言えばSDPだけでなく、ホンハイ傘下の液晶大手、群創光電(イノラックス)も業績不振に陥っている。中国勢などとの価格競争が激化し、16年4〜6月期に34億台湾ドル(約111億円)の最終赤字を計上したのだ。
テレビ向けの液晶パネルが売り上げの約半分を占めるイノラックスは、昨年以降大型液晶パネル価格の急速な低下に苦しめられており、今年2月には台湾の地震で一部工場の生産ラインが止まるなど、泣きっ面に蜂の状況にあった。
SDP、イノラックスに加え、亀山工場などを持つシャープも抱えることになったホンハイは、多数の液晶工場を一体どうかじ取りしていくのか。シャープの得意先だった中国スマホメーカーの北京小米科技(シャオミ)はすでに、液晶から有機ELへの転換を進めようと、郭会長が敵視する韓国サムスン電子との関係強化に急速に動き始めた。
■銀行融資に頼り始めた日の丸液晶
そのシャープと経営統合を模索していた中小型液晶最大手、ジャパンディスプレイ(JDI)もまた、赤字に苦しんでいる。
16年4〜6月期は117億円の連結最終赤字。売り上げの実に53%を占めるアップルへの依存によって、iPhoneの販売不振が経営を直撃し、リスク分散のためと取引拡大に動いた中国では「急速な(液晶パネルの)値下げに巻き込まれ、売り負けた」(本間充会長)という。
そうした状況に、工場への設備投資が重なったことで、手元キャッシュが急減。ピーク時には1400億円を超えていたが、今年6月末には636億円と半分以下にまで目減りしている。
そのためJDIは急きょ、みずほ、三井住友、三井住友信託の3銀行と600億円の融資枠を設定して、運転資金として300億円を借り入れた。
短期資金のため1カ月程度で返済したが、これまで借金が少なく、銀行とは距離を置く経営をしていたため、一部の取引銀行から「あそこの資金繰りは危ないぞ」などと、メディアをはじめ周囲に盛んに漏らされる事態を招いた。
「われわれの技術は他社の2年先をいっている」。どの液晶パネルメーカーも、これまでそう豪語してきたが、その技術の差異は一般の消費者の目からはもはや価値の分かりづらいものが多い。
むしろ、誰の目にも明らかだった液晶パネルの供給過剰を技術力への過信から軽視し、今になって価格下落を嘆いてみせるメーカーに投資家が向ける視線は、日を追うごとに厳しくなっている。
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