http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/274.html
Tweet |
五輪の金メダル獲得数と各国「GDP総額」の強い関係を明かそう 2020年東京へ、日本政府がやるべきこと
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49509
2016年08月22日(月) 高橋 洋一「ニュースの深層」 現代ビジネス
■リオ五輪が終わって
2016リオ五輪が21日に閉幕した。筆者はスポーツ大好きなので、寝不足になる日が続いた。日中暑く、寝不足も重なって体調管理が難しかったが、頑張っている選手を見ると、不思議と元気になった。
それにしても、女子レスリングの終了間際の逆転劇、男子団体体操や男子陸上400メートルリレーには大興奮したものだ。メダルラッシュはやはり気持ちがいい。
(もちろん、五輪はメダルだけがすべてではない。入賞でも立派な成績であるし、東京五輪ではフェアプレー賞賛やドーピングなしにするなど、メダル至上主義にならないようにしたいものだ。)
2012ロンドン五輪では、日本は金7、銀14、銅17の計38であったが、リオ五輪では金12、銀8、銅21と計41だった。
日本オリンピック委員会(JOC)がめざすリオ五輪の金メダル目標数は14であったので、まずまずだろう。
■金メダル獲得数はGDPで決まる
何が金メダル獲得数を決めるのか。
どの競技での金メダルなのかを問わないということなら、過去のデータから、その国のGDP総額でだいたい決まるといっていい。もっとも、これにはタネ本がある。
米国で定番教科書になっている『マンキュー入門経済学』だ。
それには、オリンピックにおけるメダル獲得数について、「世界クラスの選手を生み出す一国の能力を測る最善の尺度がGDPの総額であることを発見した。GDPの総額が大きいことは、それが1人当たりGDPの高さによるものであれ、人口の多さによるものであれ、より多くのメダルをもたらす」と書かれている。
これは簡単にデータで確かめられる。
2000年代における5回の五輪(2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオ)で金メダルを獲得した国を調べてみる。
金メダル獲得数を縦軸、2000年代の平均GDP総額を横軸として、それぞれの国をプロットすると、下図になる。
右上がりの散布図だ。ちなみに、金メダル獲得数とGDP平均との間の相関係数は0.82と高い。
そこで、金メダル獲得数と、GDP総額、開催国かどうか、旧共産圏かどうかで回帰分析を行ってみる。すると、金メダル獲得数とこれらの(重)相関は0.88となり、メダル獲得数は、GDP総額、開催国かどうか、旧共産圏かどうかで決まるといってくらいだ。
具体的には、1大会で金メダル1個に必要なGDPは3300億ドル(33兆円)、開催国だと金メダルは8個増え、旧共産圏は3個増だ。
日本のGDPから算出した金メダル数の14個程度である。これは奇しくもJOCの目標と同じである。
ただ、金メダル数とGDPの散布図をみると、日本は傾向線(赤い線)の下に位置し、国力(GDP)に見合った金メダルを取っていないことがわかる。韓国を含め他の先進国は傾向線の上になるのと好対照だ。
これは何か日本のシステムが他国よりうまくいっていないことを示唆している。
■「五輪と景気」の本当の関係
2020年の東京五輪では、開催国の有利さが加わるので、金メダルは22個程度を期待できる。そのときまでにGDPを伸ばせば、25個程度はとれるはずだ。
オリンピックに参加する選手は苦しい練習に耐えて頑張っているわけだが、政府は出場選手に妙なプレッシャーを与えるのでなく、GDPをもっと増やすことに努力し、その結果、強化費を増額してはどうだろうか。そうすれば結果は自ずとついてくるだろう。
五輪との関係で、景気をよくするのはそれほど難しくない。五輪開催は景気にプラスである。アンドリュー・ローズ(カリフォルニア大)とマーク・スピーゲル(サンフランシスコ連銀)の論文「THE OLYMPIC EFFECT(五輪効果)」に書かれている。
彼らの論文によれば、1950年から2006年までの間に五輪開催地の国は、五輪開催と同時に実施した自由貿易や為替の規制緩和などによって貿易が30%急増した。要するに、対外的に格好つけるためにやった自由化措置が、結果として国の成長に役立ったのだ。
この論文が面白いのは、五輪のために行った国内向け施設建設などのインフレ整備の経済効果ではなく、対外的なメンツのために政治的な決定をした自由化措置のほうが、経済効果が大きかったという点だ。
これを東京五輪に当てはめると、貿易自由化やアベノミクス第三の矢の規制緩和だ。
この際、日本が世界で恥をかかないという理由でも何でもいいが、TPPの自由化では短期的には不利にみえても自由化措置を進めるのが日本の長期的な成長には望ましいし、規制緩和でも世界が驚くようなことやれば、それが長い目で見て成長につながるだろう。
いずれにしても五輪は先進国では儲かるイベントだ。これだけ世界の目を引きつけられるからだ。
先進国の五輪では、施設はその後も使えるし、なにより集客能力がある。だから、開催後の景気落ち込みも少ないといわれる。これは、五輪前に行われる自由化措置の好影響によるので、五輪後も景気悪くならないからだ。
五輪が経済成長に寄与して、その経済成長で金メダルが増産となり、それが五輪後の景気にも好循環となる可能性がある、ということだ。
では、誰が総理になれば、一番GDPを高めて、一番金メダルをとれるのだろうか。この際、そうした観点から総理としてふさわしい人を選びたいものだ。
成長しなくてもかまわないという人では、五輪の金メダルも期待できない。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民112掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。