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サイト「アマゾン」より
アマゾン、「困るほど」利益爆増で終わりなき成長経営…極限まで顧客満足度向上を追求
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16400.html
2016.08.22 文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員 Business Journal
米アマゾンの快進撃が止まらない――。
先頃発表した2016年4〜6月期の決算では、純利益が8億5,700万ドルと前年同期比で約9倍となり過去最高を更新した。設立から22年、毎年儲けたら投資に回す戦略を貫いてきたアマゾンだけに、投資先を見つけ出すのに困るほどの利益増加に手をこまねいている姿が滑稽にも見える。
今決算で利益を押し上げた背景にはいくつかの要因があるが、特筆すべきは次の2つであろう。
ひとつ目は、売上高の約1割までに育ったクラウドサービスAWSの躍進である。今期の売上高は28億ドルに達し、前年同期比で58%増を達成した。とりわけ売上高営業利益率は約25%と高い水準を記録し、純利益全体に大きく貢献した。
AWSはすでにスタートアップ(新興企業)や中小企業に浸透していることから、今後大企業を中心に顧客獲得がさらに進めば、恒常的な黒字定着を維持することが可能となろう。
2つ目は、本業のネット通販事業の伸び率である。米国にカナダを含む北米市場で32%増、海外市場で38%増と順調な伸びを示した。海外市場ではさすがに全盛期の50%に近い伸び率の達成は難しくなっているが、依然として好調を維持している。
一方で北米市場の消費は底堅い。近年米国全体の消費が落ち込むなかで、アマゾンの消費もそれに連動して落ち込んでも不思議ではないが、落ち込むどころかむしろ堅調に推移している。
■すべてのユーザーをプライム会員に
ここ数年、アマゾンはリテンション(既存顧客維持)の強化に注力してきた。その成果が結実して北米市場の消費を押し上げている。有料会員「プライム」向け優遇サービスとして、1時間以内の無料配送をはじめ、動画や音楽配信、エコーによる音声注文など、これまでアマゾンはさまざまな打ち手を繰り出してきた。
今や米国でのプライム会員数は7,000万人に達する勢いである。プライム会員による売上高への貢献度は50%超と高い。アマゾンとしてはプライムの優遇サービスをさらに拡充することで、すべてのユーザーをプライム会員に取り込む意向であろう。
こうした顧客満足度を高める試みはさまざまな指標にも、その成果として如実に表れている。通販サイトのリピート率は依然として70%を維持しているが、プライム会員の契約でも、無料お試し期間終了後には約70%が有料へと移行している。
さらに、消費者がお目当ての商品を探すのにアマゾンで検索する割合が44%に達しているとの調査結果も出ている。だが、将来的な数値目標として50%超えで満足するアマゾンではなかろう。
今後どこまでプライム会員を優遇して顧客満足度を伸ばしていくのか。利益をすべて投資に回すアマゾンの戦略はこれからも続く。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)
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