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制限速度の引き上げが検討されている新東名高速(2016年2月、清水草一撮影)。
高速道の最高速度引き上げ、女性は否定的 「消極安全思想」背景か 練習すべき急操作
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160820-00010000-norimono-bus_all
乗りものニュース 8月20日(土)10時0分配信
■高速の制限速度引き上げ、男女で違う意識
高速道路の一部区間について、制限速度を現行の100km/hから120km/hへ引上げる方針が、警察庁から発表されています。2017年以降に、新東名高速道路や東北自動車道の一部区間で110km/hへの引上げを試行したのち、速度を段階的に引上げ、対象路線や区間の拡大を検討するものです。
男女差が明確に出た調査結果
これについてソニー損保が2016年6月、自家用車を所有し自分で運転する20代から50代で、今年のお盆に帰省する予定がある男女(20代、30代、40代、50代、男女各125名)にインターネット調査を行ったところ、非常に興味深い結果になりました。ポイントは「男女の意識差」です。
制限速度の引き上げで、「高速道路がいまよりも便利になると思うか」という設問に対しては、「そう思う」が全体の63.6%を占めました。しかし、「そう思う」は男性が71.0%だったのに対し、女性は56.2%にとどまっています。
「高速道路を走るのがいまより不安になると思うか」という設問には、54.6%が「そう思う」と答えましたが、男女別で「そう思う」人の割合は男性の41.2%に対し、女性は68.0%と多くなっています。
また、高速道路の最高速度引上げに「賛成」か「反対」かでは、「賛成」が57.0%と「反対」の43.0%を上回りました。ただ、ここでも男性は「賛成」が70.4%と多かったのに対し、女性は「反対」が56.4%と過半数を占めたのです。
■なぜ日本は最高速度が100km/hなのか? 世界の状況は?
そもそもなぜ、日本では高速道路の制限速度が100km/hなのでしょう。
日本最初の都市間高速道路は、1963(昭和38)年に開通した名神高速道路です。あわせて高速道路での最高速度制限が100km/hと決められ、半世紀以上たった現在も続いています。この最高速度は、世界的に見て最も低い部類です。
日本では、1955(昭和30)年に発売された初の国産乗用車「トヨペット・クラウン」の公称最高速度が100km/h。その8年後の名神開通時でも、100km/hも出ない乗用車が多数を占めていました。そんななか、名神の制限速度が100km/hになったのは、当時としては思い切った決断だったといえるかもしれません。
といっても、それからすでに半世紀以上。「クルマの性能が大幅に向上したんだから、いい加減に最高速度制限を引き上げてもいいじゃないか」と思うのが自然です。
しかし、それが日本より高くなっている欧米各国も、制限速度を徐々に引き上げて行ったわけではなく、実は当初から変わっていないケースが多くなっています。ドイツのアウトバーンは最初から速度無制限でしたし、アメリカのインターステーツも、1950年代より120km/hから129km/h(時速75〜80マイル)とされていました(オイルショックで一時55マイル(約90km/h)に引き下げ)。
つまり制限速度の引き上げは、「それで事故が増えたら困る」という行政側の思惑が働き、各国ともなかなか踏み切れない課題なのです。
そうしたなか、このたび日本でついに引き上げの方針が決まったのは、2013年に古屋国家公安委員長(当時)が主導し、懇談会が発足したのがきっかけですが、交通事故死者の減少傾向が続いていること、自動ブレーキの普及により今後もその傾向が続くであろうことなど、警察庁も「制限速度を引き上げても事故は増えない」と判断したからでしょう。
■なぜ女性の過半数が否定的? 日本の「消極安全思想」背景か
こうしていよいよ日本にも高速道路120km/h時代がやってくるわけですが、それについて女性の過半数が不安に思い、反対している点は気になります。
この背景には、「日本の交通安全教育」があるのではないでしょうか。
自動車教習所では「急発進、急ハンドル、急ブレーキは危険」と繰り返し教えます。つまり「危険な操作をしないのが安全運転」という“消極安全思想”で、万が一、危険な状況になったときのことは教えません。
現在のクルマで目の前に歩行者が飛び出してくるなどした場合、ドライバーが取るべき最善の策は、「思い切りブレーキを踏み込むこと」です。ところが日本の教習所では、急ブレーキの練習など一度も行いませんし、アクセルを床まで踏む練習も絶無です。
こういったことから、スピードを好む人も多い男性とくらべ、女性は免許を取って以来、一度もブレーキやアクセルを思い切り踏んだことがない人が少なくないのが実情で、その練習をするなど「危険で絶対やってはいけないこと」という意識なのです。実際、必要もないのに急ブレーキを踏むのは道交法違反ですが、だからこそ教習所内で練習しておくべきです。
アクセルを思い切り踏み込むと、エンジンやミッションが傷んだり壊れたりする。そう思っている人も少なくありませんが、もちろん迷信です。ドイツでは、教官が生徒にアウトバーンで180km/h出させる“本物の高速教習”がありますが、日本の高速教習は“ゆっくり恐る恐る走る”という形容がピッタリです。
「アクセルを思い切り踏み込めないから、追い越し車線に出るのが怖い。制限速度が上がるとますます追い越しが怖くなる。だから反対」−−そういう心理だと推測します。
行政は、そろそろ安全運転教育も変革し、「積極的操作による安全運転」という思想も導入すべきではないでしょうか。
清水草一(首都高研究家)
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