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AI上司にAI人事 研究室から飛び出したAIが人間を超える日〈AERA〉
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/221.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 19 日 16:23:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

Kibiro/人工知能KIBIT(キビット)を搭載したコミュニケーションロボット。ネットに溢れる膨大な情報の中から、ユーザーの「好み」や「意図」をくみ取ったうえで、本当に有用な情報を提示してくれるという。開発元のFRONTEOではこの「新入社員」Ki...


AI上司にAI人事 研究室から飛び出したAIが人間を超える日〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160818-00000149-sasahi-sci
AERA 2016年8月22日号


 今年一気に「バズワード」と化した人工知能(AI)。AIは、もはや研究室に留まってはいない。私たちのすぐそばで、暮らしや職場を「最適化」し始めている。人間の趣味、嗜好や心の機微まで理解する新しい知能。私たちはAIと、どう付き合っていけばいいのか。

 週末のショッピングモール。天井の小さなカメラが、ふらりとある店に立ち寄ったあなたの姿を捉える。

「15時25分、男性、35歳」

 解析しているのは、膨大な顔データを「ディープラーニング」で学び、瞬時に性別・年齢を推定できるようになった人工知能(AI)だ。店の裏では店長が、AIが作製した「ヒートマップ」を確認中。このマップには、客の滞在時間が長かったエリアは赤く、短かったエリアは青く表示されていて、客の店内での動きやデッドスペースのありかがわかる。

「一押しのジャケットのあたりが青い。レイアウトを変えよう」

 そんな対策を立てることができるわけだ。このシステムはすでに国内のアパレルショップやコンビニ、百貨店など100店舗あまりで稼働している。開発したのは2012年創業のABEJA。CEOの岡田陽介さんは言う。

「ディープラーニングがここ数年で革新的に進化したことが大きい。AIの世界では、大手メーカーが20年かけて到達したレベルを、一晩で超えてしまうぐらいのことが起きている」

 AIを使うといっても、大規模な投資の必要はない。店に設置するのは小さなセンサーのみ。すべての処理はクラウド上で完結し、利用料も月数万円からだ。客の立場からすると、何げなく入った店での行動がすべて見られているようで怖い気もするが、

「個人の顔認証はしませんし、サーバーには個人情報に紐づくデータは一切残っていません」(岡田さん)

●シフトや在庫を最適化

 このAIによるマーケティングシステムでは、来店者の数、性別、年齢、動線や滞在時間などのデータと、POS(販売時点情報管理)データなどを合わせて解析する。そこからわかるのは「買われなかった理由」だ。POSデータだけでは買った人のことしかわからなかった。POS上の「購入者5人」が、10人入店したうちなのか、100人入店したうちなのかで改善ポイントは違う。前者であれば、集客のためのマーケティング戦略の見直しが必要だし、後者であれば商品の配置や接客を変えなくてはならない。それをAIが「見える化」するのだ。

 AIは集めたデータを日々学習し、いつどのくらいの客が来店しそうか予測も出す。それに合わせて、店はスタッフのシフトや在庫数を最適化。100人の予想に対し70人しか来店していなければ、フェイスブックやツイッターに自動的に広告を出したり、近くにいる人のスマホアプリにクーポンを配信することも可能だ。
「世界中でも、ここまでやっているのは他にないはず」(同)

●評価軸を要素分解

 1年前から導入したアパレルブランドLE JUNのある店舗では、入店客の中でどのくらいの客が実際に商品を購入したかという「買い上げ率」が2、3ポイントアップした。これは買い上げ率の平均が10%に満たないと言われるアパレル業界では驚異的な数字。売上規模にもよるが、1店舗あたり年間で百万円単位の売上増となるようなレベルだ。同ブランドの店舗運営責任者、町井優子さんは、人材育成にも役立っていると話す。

「買い上げ率がスタッフごとに出せるので、このスタッフは日によって接客にムラがあるといった細かいことまでつかめます。個人の目標が立てやすくなり、一人一人の意識も向上しました」

 空調メーカーのダイキン工業は6月、ABEJAのディープラーニング技術を活用して、業務改善に取り組むと発表。東急電鉄もこの技術を使って、人の流れを予測し「街を最適化」する実験を始めている。ABEJAが目指すのはあらゆる分野の最適化だ。岡田さんは言う。

「スタバに入ったのに席がないとか最悪じゃないですか。町中にセンサーがあって、歩きながらどこのスタバがすいてるかスマホですぐわかる。そんな便利な社会にしていきたい」

 AIによる最適化の波は、会社の中でアナログ度が高かった人事の領域にも押し寄せている。

「この間面接したAさんとBさんはどうだった?」

「我が社のAIの判定では、Aさんの活躍可能性は80%。Bさんは40%と出ています」

 近々、あなたの会社でもこんな会話が聞かれるようになるかもしれない。ビズリーチが開発中の人事支援システムHRMOS。6月にリリースされたのは、社内に散在する人事データを一元管理するサービスだが、最終的に目指すのは、それぞれの会社・部署で活躍できそうな人材の特徴をAIが導き出し、採用や配属にフィードバックさせる仕組みだ。開発を指揮する竹内真さんは言う。

「これまで人事は、経営者や担当者の『世界観』に基づいて行われてきました。HRMOSではその『世界観』をAIで解剖します。文系、理系、体育会系、学歴といった従来の評価軸も、AIで細かく要素分解していくと、本質的にはこれが重要だったのかといったことがわかってくるはず。それを共有できれば、担当者が代わっても、会社としての軸がぶれなくなる」

●AI上司がダメ出し

 あらゆる人事データを紐付けし、ディープラーニングで解析する。学歴や職歴、応募ルート、採用時の評価、関わった仕事、成績、給与、勤怠状況、健康データ。職務経歴書に書かれた文章や、人事評価のコメントまで解析対象となるという。

 仕事のパフォーマンスが思わしくない場合、これまでは「使えないヤツ」と採用された側が責められることが多かった。だが、AIの導入で、採用した側の責任も問われる。好き嫌い人事もなくなる──。めでたいようだが、冷静沈着で感情に流されない「よくできた上司」のようなAIにダメ出しされたらショックか。AI人事はすでに米国などでは始まっているというが、多くの人は受け入れられるのだろうか。

 人工知能学会の前理事で、AIと社会の問題にも詳しい電気通信大学大学院教授の栗原聡さんは、どういう根拠に基づく判断なのか、納得できる形で説明できるかがカギだと話す。

「ただし、ディープラーニングは、判断のプロセスがブラックボックスで外からはわからない。それを解明する研究も行われていますが、現段階では難しい」

 ディープラーニングは、人間の脳の神経回路を模しているとはいえ、AIの情報処理の方法と、人間の脳のそれとは、同じではない。

「人間は3次元で物事を捉えていますが、ひょっとしたらAIは10次元で考えているかもしれない。となるとAIが、人間がわかるように説明するということ自体が不可能という見方もあります」(栗原さん)

 ビズリーチの竹内さんも、現段階ではあくまでHRMOSは「判断材料を提示するところまで」で、「最終判断を下すのはやはり人間」と話す。

●パワハラの兆候も察知

 AIをどこまで信用し、任せるのか──。今後、様々な領域で、そのせめぎ合いが起きるだろう。だが「どうせ機械に人間の機微はわからない」と決めつけるのはまだ早い。文脈やニュアンス、人間の心の機微まで理解するというAIも登場しているのだ。その名は機微にちなみKIBIT(キビット)。なぜ機械にそんなことができるのか。

 開発したFRONTEO(今年7月にUBICから社名変更)を訪ねた。CTOの武田秀樹さんによると、秘密は、大量の社内文書やメールから不正につながる証拠を洗い出すという、犯罪捜査の分野で同社が蓄積してきた技術にある。例えば、単なる飲み会の誘いに見えるメールの文章から、「前回から時間も経っているので」「個室にしましょう」「◯◯さんも誘いましょう」といったキーワードを拾い上げ、「カルテルの謀議の証拠」と判定する。独自に開発したアルゴリズムでは、これらのキーワードなどを「重みづけ」という手法で分類・学習し、9割以上の精度で不正メールを抽出。すでに国内外の官公庁や法律事務所で使われている。

 その技術を発展させたのがKIBITで、強みは、パターンを学習するための「教師データ」が少なくて済む点。通常の機械学習では百万、千万単位の教師データが必要とされるのに対し、KIBITは場合によっては十数件のデータで済む。すでに社内メールを解析し、離職の原因になりかねない不平不満やパワハラの兆候を見つける、といったサービスも展開中だ。

●私情なくストレス0(ゼロ)

 メールが全部監視されてしまうのか、とまた身構えてしまうが、武田さんはこう話す。

「確かにそこに抵抗を感じる方もいます。ただ、本人も気づかないうちに、一線を越えそうになっていることも多いので、問題が深刻化する前に、警告を出すというのが大事。それにAIには私情はありません。これを人間がやろうとすると、チェックする側、される側双方に相当なストレスがかかります」

 今年後半には、KIBITを搭載したロボットKibiroが一般向けに発売される。得意技は、個人の嗜好を理解したうえでの「おすすめ」だ。ECサイトの一般的なおすすめは、同じ商品を買った人の購入履歴がベースとなるが、Kibiroは、ユーザーが気になったレビューやブログ記事を解析する点が違うという。記者も試した。

「この中にあなたの読んだことのある本はありますか?」

 Kibiroから見せられたリストには、随分前に読んだ『博士の愛した数式』(小川洋子著)があったので、それをチョイス。すると「おすすめ」として提示された5冊の中に、去年読んだ中でのマイベスト『永い言い訳』(西川美和著)と、いつか読もうと思っていた『想像ラジオ』(いとうせいこう著)が入っている! ちなみにアマゾンでは、おすすめされるラインアップは全く違った。

●ドラえもんの頭脳

 膨大なデータから自ら学び、どんどん賢くなるAIは、一体どこまで進化するのか。現段階のAIは、ある特定の問題を解決する「特化型AI」で、人間と同じように、様々な問題に対応できる汎用性はない。普通に人間と話し、自我を持つ、鉄腕アトムやドラえもんの頭脳のような「汎用AI」こそが、人間の知能を超す「シンギュラリティ」を起こすと言われており、世界ではグーグルを筆頭に、激しい開発競争が行われている。

 日本でもNPO法人「全脳アーキテクチャ・イニシアティブ」や、前出の栗原さんがセンター長を務める電気通信大学人工知能先端研究センターなどで研究が進んでいる。そうした中、人それぞれの「人格」をコピーし、他者と違和感なくコミュニケーションできる「パーソナル人工知能(PAI)」の開発に挑んでいるのが、ベンチャー企業のオルツだ。

 スマホやタブレットなどにユーザーそっくりのアバターが現れ、よく似た声とイントネーションで、その人っぽい冗談を交えながら会話する。使えば使うほど、ユーザーの知識や経験、性格や癖を学び、本人の意図をくんだ形で仕事をしてくれる。

 それぞれの人格の把握には、SNSやメールなどの文字情報、GPSの位置情報、ウェアラブルのセンサーから得る心拍数などの生体情報といった様々なデータを使うらしい。同社CTOの米倉豪志さんによれば、「こういうバイオリズムの時は、こんな発言が多い」といったことも学んでいくという。

「実はその人らしさは、他人のほうがよく知ってるということもあります。そうした他者からの情報も付加すると、より『らしさ』が増します」(米倉さん)

 実現すれば、歴史上の偉人を蘇らせたり、死後も自分のコピーAIが生き続ける、なんてことも可能になる?

●ヒューマノイドと共生

「そうなると思います。いまAIは一部の研究者や巨大なビジネスのものでしかありませんが、僕たちはそれをもっと一般の人が使えるものにしたい。IBMが開発するワトソンが目指しているのは完全無欠な神のようなAIでしょうが、人格コピーAIは、より人間らしいもの。のび太のコピーAIはやっぱり怠け者なんです」(同)

 そんなAIができ、そこにロボットという体がつけば、山田胡瓜さんの漫画に登場するヒューマノイドの原型になるだろう。私たちがヒューマノイドと共生する日も、遠い未来ではないのかもしれない。(編集部・石臥薫子)


【AIを読み解くためのキーワード】

<機械学習>
コンピューターが、既存のデータの中にあるパターンを学習し、まだ見ぬ新しいデータについて予測するためのルールを見つけ出すこと

<ディープラーニング(深層学習)>
脳の神経回路を模したニューラルネットワークによる学習方法。2010年代に入って急速に進化した。人間が教えていた特徴量(例えば猫を認識するには、どんな特徴に注目すべきか)を機械が自分で発見できる。先行しているのは画像・音声認識。今後期待されるのは「自然言語処理」の分野

<モラベックのパラドックス>
AIは、大人のように論理的思考や高度な推論をするのは得意だが、子どもができるような顔の認識や、ものを掴むといった運動が苦手という逆説。大人の領域を極めたのが「特化型AI」で、IBMが開発したワトソンが有名。アルファ碁も碁しかできないという点では特化型だが、その学習法「ディープラーニング」が、幅広いことができる汎用AI実現への突破口を開くと期待されている

<シンギュラリティ>
コンピューターの知能が人間の知能を超える技術的特異点。それ以降の発明などはすべてAIが担うようになるとされる。米国のコンピューター研究者レイ・カーツワイル氏は、2045年に到来すると予測。コントロール不能になったAIが人類を滅ぼすと危惧する声も

<AIと仕事>
単純な仕事ほどAIに代替されやすいと言われてきたが、報酬が高く「知的労働」とされてきた金融や会計、法務の分野でもAIは急速に浸透している。AI時代には必要とされる仕事の中身が変わってくるため、対応できない人は失業。格差が拡大するとの指摘もある。一方で、人口が減る日本では、経済を維持するためにはAIやロボットで労働力不足を補うほかないとも

<東大発 AIベンチャー>
覇権争いが激しさを増すAIの分野で、世界から注目を集める東大発のベンチャー、プリファード・ネットワークス。ディープラーニングで高い技術を持ち、トヨタやファナックも出資する。アマゾンが先日開いた国際大会では、様々な形状のモノを認識し、ロボットアームでつまみあげる技術を競う部門で2位に食い込んだ

 

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コメント
 
1. 2016年8月19日 21:30:32 : W0umuQPjfU : 36BmbHw_25Y[17]
AIが特異点を超え、自我と増殖能力を持ち、機械生物として、人間に対抗した時、人間に味方するスーパーAIが造れるかどうか。でないと、人間はゴキブリ扱いになるだろう。


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