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もうやめてくれ、アベノミクス
参議院選挙で、与党が圧勝し、アベノミクスの再点火が期待されているが、また同じような政策なら同じ結果を招くだろう。第一次アベノミくスの失敗から第2次アベノミクスの失敗である。
阿部氏は同じ政権で2度も続けて同じ失敗をする愚かな首相を演じることになる。日本経済も、より一層借金を抱え、デフレが深刻化し、にっちもさっちもいかなくなるだろう。
アベノミクスのような政策にデフレを解消する方策は全く無く、デフレをより促進する方策であることは、いままで何度も述べてきたし、既に明らかである。
そもそも自民党政権は、小泉政権下での、低金利、円安、成長戦略などの失敗政策を、成功と考えているため、それが現在のアベノミクスにつながっている。
反省とか分析など全くできないのだ。彼らのお抱え専門家の体たらくを表している。
デフレ下で生産量増大策を取る結果、一時的に生産量が増大することになるが、それが拡大再生産につながらず、投資した金額がなくなると同時に経済は縮小し始める。
消費に費やす資金量が増えない状態で、生産量だけを増やすために、このような結果になるのである。
アベノミクスは、これの繰り返しである。繰り返す度に借金が増えていく。結局借金の増大が増税につながっていき、デフレが深刻化していく。
問題は、この一時的に生産量が増大し、実質GDPが伸びるため、それが、あたかもデフレから脱却するかのような印象を与え、良い政策であるように思わせるところにある。
この一時の伸びをマスコミや、評論家が囃し立てるため、成功したかのようにみえるのだ。それどころか、この見え見えの一時的な成長を、新聞紙上で経済対策として要望している始末である。
消費税を5%に引き上げ日本を完全にデフレ状態にしてから、これまで、低金利、公共投資、成長戦略という生産刺激策を何度もとってきたが、いずれも失敗に終わった。
これにまだ懲りず、消費税8%というデフレ政策を取り、マイナス金利、公共投資(オリンピック、リニア前倒しなど)、成長戦略などという、さらなるデフレ促進策を取っている。
デフレ下の消費税引き上げという最もやってはいけないことをやり、生産量増大というデフレを促進させる政策を取っている。これが阿部政権の経済方針である。
これは 国民から資金を奪い、国民を労働浸けにしているのである。このような馬鹿げたやり方を、一億総活躍時代と称し、国民全員が働かなければ生活できない状態であることを隠している。
消費税の引き上げは、消費資金を奪い取るため、消費不足になる。そのため生活費を稼ぐためには、より以上の労働が必要になり、生産量が増えることになる。それが単位辺りの付加価値をますます下がらせる。
生産性が低くなったのは、消費税を引き上げ、生産量を増大したためである。
再度アベノミクスが28兆円の規模で実施されるそうである。
内容も、リニアの前倒し、同一労働、同一賃金、商品のプレミアなど変わり映えしないおなじみのものばかりだ。規模も三年に分けると小規模である。
この程度だと、8%の消費税下で一時的にであっても、実質GDPを成長させる事すら難しいかもしれない。
この第一次アベノミクスと第2次アベノミクスの違いは、やり方、スタンスは同じであっても、消費税が8%になっていることである。
第一次の場合、消費税が5%から8%へ引き上げる途上であったので、消費税の駆け込み需要がうまくはまり、一時的では有ったが予想以上の生産量の増加が見られた。
しかし第2次の場合、消費税8%に引き上げ、一次のアベノミクスの効果がなくなり始めた時であり、再びデフレ循環が顕著になった時期に行われる。
そのため第2次アベノミクスは、一次と同じ規模なら、1次に比べ大幅に落ちることになる、しかもその長さも、より短期になることだろう。
そのため一次と同じ程度の効果を上げるためには、一次を上回る大量の資金が必要である。しかしそのような配慮はしていないようだ。
この程度のアベノミクスであれば、一時的にせよ生産量を増大させるところまでいかないだろう。
それほどデフレ下の消費税引き上げは厳しく、来年の六月にはもう一度補正予算を組み直さねばならないであろう。
消費税8%下で、アベノミクスは通用しない。
もうやめてくれ。同じ結果になるだけ。
早く政策転換し消費者側への補助金、資金援助をすることが肝要だ。生産量増大策ではなく、消費額を増やす政策を取る必要があるのだ。デフレは、消費不足が問題であり、消費額が増えれば解消される。
そのためには消費税の引き下げなどの国民負担の軽減を念頭に置くべきである。
デフレは簡単に言うと、生産量が消費量より多すぎることから生じている。そのためさらに生産量を増やしてはいけない。消費量、消費額を増やす政策を取らなければならないのだ。
昨今の諸事情から考えて、第2次アベノミクスの弊害が最も顕著に現れるところは、地方経済の収縮、崩壊であろう。
これから4年、生産量の増大を図ると、失業率がさらに下がる。オリンピック関連に労働者、建設業者がシフトしていくことになる。東京以外の地域から、業者、労働者、資金、建設資材が、東京に集中し、他の地域経済の担い手が欠乏し、崩壊していくだろう。
オリンピックなどの公共投資による官の生産量増加が、民間の生産量を減少させていくことになる。
失業率が3%を切り、完全雇用に近くなると、東京や東北復興地帯、以外の地域の人手不足、労働コストが上昇し、売上が増えず、廃業や倒産が増え、さらに建設土木企業の東京への出稼ぎなどが増える。
その結果、失業率が低下し、日本の労働人口の大半が就労しても、地方の倒産、廃業、崩壊によるコストが大きく、付加価値は増えない。
最近の日経新聞に、企業の東京参入が増えつつあると書いてあったが、これがさらに政府主導の公共事業の増加や、インフラの増加により、生産量が増加させられ、失業率が3%以下になってくると、ますます地方から、企業が参入してくることになり、地方は雪崩のごとく崩壊、疲弊、荒野となるのである。
特に消費税8%とは、地方経済には非常厳しく、商売が成り立たない状況であるため、企業の流出、出稼ぎは止まらない。
オリンピックは、時間との競争であり、人手不足を高賃金で補おうとするだろう。それがさらに東京に集中することになる。
官の無理やりの労働力需要が、地方の民間の労働力を奪い取り、人手不足廃業や、労働不足による生産量の減少、や売上減が増え、地方経済は、ますます困窮度合いが大きくなっていく。
また、人手不足を補うために低賃金の外国人労働者を使うなら、国内の生産物価格はさらに低下し、日本人の賃金も、低下することになるため、デフレを促進しているようなものになる。
デフレは、アベノミクスのような生産量増大策では、回復せず、消費者への補助金や、負担軽減策による消費増大策でなければ、デフレから脱却することはできない。
もうこれ以上のアベノミクスはやめてくれ。失敗は既に明らかである。
一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.co.jp/~hitokotonusi/
追記:デフレ下の完全雇用は、理論的には成り立たない。デフレ下で生産量が増大しても、付加価値が下がり続けるため、それを補うため、さらなる労働人口が必要になるためである。
しかし生産量の無理やりの増大が、日本の労働人口以上に必要になるので、日本人全員が働いているという意味では完全雇用である。しかしそれ以上に生産量を増やす必要があるため、労働が不足し、その不足分を移民や、低賃金国からの労働者によって賄うことになる。
それはますますデフレをも垂らすのである。
デフレ下の完全雇用の意味は、生産量の増大を補うため、日本の労働人口全部を使っても、まだ足りない状態であるという意味である。
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