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富士フイルム、富士ゼロックス本社(「Wikipedia」より/Rs1421)
富士フイルム、密かに進む大変貌…医療「世界一企業」目指し、怒涛の買収攻勢
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16347.html
2016.08.18 文=編集部 Business Journal
富士フイルムホールディングスは武田薬品工業の子会社、和光純薬工業の買収を提案する。武田が8月に実施する入札に参加した。
和光は非上場企業だが、創薬研究用試薬では国内首位。2016年3月期の売上高は757億円、総資産は1416億円。武田薬品が69.43%の株式を持つ筆頭株主で、富士フイルムは9.51%の株式を保有する第2位株主である。
武田は事業の「選択と集中」を進めてきた。重点領域に据えるがんや消化器疾患の新薬開発に経営資源を集中。試薬など非中核事業を切り離す。和光の売却額は最大で1000億円規模になる見込み。武田は和光の売却で得た資金を新薬の開発に充てる。武田は野村ホールディングスを助言役に起用した。
さらに8月に入り、日立製作所も和光の買収に名乗りを上げた。医療関連企業をリーディングカンパニー同士が奪い合うことになる。日立が51.2%の株式を保有する子会社、日立化成が主体となって応札した。日立のヘルスケア事業の年商は3300億円規模。18年度に15年度比で3割増の4400億円を計画している。3月に日立化成が再生医療用細胞の受託生産を始めている。
入札には英ペルミラなど複数の投資ファンドや米医療用品大手なども参加するとみられており、激しい争奪戦が展開されることになりそうだ。富士フイルムにとっては負けられない一戦となる。
■キヤノンに敗北
「残念だった」――。
今年3月、東芝メディカルシステムズをめぐる激しい買収合戦で、キヤノンに敗れた富士フイルムHDの古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)は口惜しさを滲ませた。それでも、「(東芝メディカルで)使わなかった資金は使い道がある。人間万事塞翁が馬。それはそれで良し」と、古森氏は未練を断ち切った。
富士フイルムが東芝メディカルの買収に名乗りあげたのは、成長戦略の核に据えた医療事業の規模を拡大するのが狙いだった。キヤノンにさらわれた痛手は小さくないが、買収に使わなかった6000億円の手元資金(16年3月期)が残った。この資金で、次のM&A(合併・買収)のターゲットにしたのが和光だ。
2000年に社長に就いた古森氏が、稼ぎ頭の写真フイルムが縮小していくなかで、新たな成長を目指して投資する分野として医療を選んだ。
08年、富山化学工業を買収した。この時、当時社長だった古森氏は「現在3000億円規模のメディカルサイエンス事業を10年後に予防・診断・治療の領域をカバーする1兆円規模の総合ヘルスケア事業に成長させる。医薬品事業は、その柱だ」と述べていた。富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬のアビガンは、エボラ出血熱に使えることから高い評価を受けた。14年、アビガン効果で富士フイルムHDの株価は上昇した。
■世界トップを狙う
富士フイルムは医療用画像管理システム(PACS)で世界トップの座を狙う。X線などの画像処理診断装置で撮影した画像を保管し、医師がその画像を見て診断するシステムだ。国内のPACSは、18年に465億円市場になるといわれている。
国内の同市場は、富士フイルムがシェア23.1%でトップ。東芝メディカル(12.6%)、コニカミノルタジャパン(11.1%)、GEヘルスケア・ジャパン(9.5%)と続く。富士フイルムは人工知能(AI)を使ってX線画像撮影用の処理ソフトを全面的に刷新し、今秋からサービスを開始する予定だ。
12年3月、携帯型超音波診断装置の米ソノサイトを、15年5月に医療ITシステムの米テラメディカを買収した。東芝メディカルの買収に動いたのは、CTや超音波装置などの画像診断機器で国内首位だったからだ。東芝メディカルを手に入れ、PACSで世界首位の米ゼネラル・エレクトリック(GE)を追い上げるシナリオを描いた。だから逃がした魚は大きかった。
そこで、M&Aの対象を和光に切り替えた。医薬品事業も強化しており、がん治療薬や感染症薬を開発中だ。和光の技術を取り込むことで開発力を高め、再生技術を使った創薬支援事業との相乗効果を見込む。
医療事業の16年3月期の売上高は4235億円。19年3月期に2倍超の1兆円にする目標を掲げる。
■減収・減益決算で株価は急落
16年4〜6月期の連結決算(米国会計基準)の売上高は前期比7%減の5470億円、営業利益は24%減の275億円、純利益は54%減の111億円と大きく落ち込んだ。主力の複合機(複写機・プリンター・ファクシミリなどの機能をひとつにまとめた機器)が苦戦したことから、減収減益になった。同事業の営業利益は4割減った。
子会社の富士ゼロックスを通じアジア・オセアニアで複合機の事業展開をしている。その他の地域は米ゼロックスが販売している。同社への複合機供給が、同社側の在庫調整の影響で減少したのが響いた。カメラ関連事業はインスタントカメラ「チェキ」の販売が欧米で堅調で17%の営業増益。内視鏡などの医療機器や高機能材料を含むインフォメーション事業も1%の営業増益を確保した。だが、円高の影響(為替差損64億円)もあり、複合機の落ち込みを補えなかった。
連結営業減益となったことで7月28日の株式市場で、富士フイルムHDの株価は急落した。一時、前日比404円(10%)安の3647円まで下げ、年初来安値を更新した。市場では「営業利益は横ばい(前年同期は361億円)」とする声が多かったから、ネガティブサプライズとなり売りが膨らんだ。8月に入り3700円前後で推移しているが、年初来高値の5075円(16年1月4日)と比較すると3割近く安い。
(文=編集部)
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