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中国マネーに世界の銀幕が牛耳られようとしている! 商業利用の影で政治利用の動きも…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160815-00000567-san-bus_all
産経新聞 8月15日(月)11時45分配信
中国資本による世界の“銀幕”支配が加速している。中国一の富豪にして不動産・娯楽王健林氏率いる大連万達集団が、米ハリウッド・6大スタジオ(配給会社)の一角、パラマウント・ピクチャーズの株式を49%取得する方向で協議が進んでいると米紙が報道。同社は7月に入り、欧州最大手と米4位の映画館チェーンの買収を相次いで決め、保有スクリーン数で世界最多の独走状態に入った。すでに買収している米映画スタジオが、「ポケモンGO」が世界で大ヒットするポケモンの実写版映画を製作する権利も7月に取得。ポケモンが映画の中で中国企業のPRをする日も近いか…。
■ハリウッド俳優が中国製ミルクに中国製アプリ?
公開中のハリウッド映画大作「インディペンデンス・デイ リサ−ジェンス」。20年前の大ヒット作続編ということで注目度も高く、興業的にもそこそこ成功しているが、ネット上で話題となっているのはその中国色の強さだ。アジア1美しいとされる中国人女優が出演しているのは別として、出演者が飲むのは中国以外では知られていない中国社製ブランドのミルク、月と地球で会話するチャットアプリは、これまた中国以外ではほぼ使われていない中国テンセントの「QQ」といった具合。米国ではもちろん、日本でも違和感を持つ観客は少なくないようだ。
同作にどの中国企業がどのような形で出資しているのかは不明だが、近年、このような中国企業やその製品をPRしているかのようなハリウッド映画は少なくない。顕著だったのは2014年公開の「トランスフォーマー ロストエイジ」。米中合作映画だったこともあり、香港などを舞台に中国人俳優を起用し、劇中に自動車や飲み物にはやはり中国企業のものが登場し、「一体なに?」とネット上の中国人以外の間で話題になった。同作品には中国企業数十社が出資した。
銀幕支配に最も熱心なのが、人民解放軍出身の王氏率いる大連万達だ。2012年に米2位の映画館チェーンAMCエンターテインメント・ホールディングスを26億ドル(約2600億円)で買収。今回、米4位のカーマイク・シネマズを11億ドルで買収したことで、シェア首位のリーガル・エンターテインメント・グループを抜き去り米国最大手の映画館チェーンに浮上した。ほぼ同時に欧州最大手の英オデオン・アンド・UCIシネマズ・グループを12億ドルで買収することで合意しており、中国に加え、米、欧で最大手に躍進する。
■世界の映画館の1割押さえる大連万達
大連万達の保有スクリーン数は合計で1万5000に近づいており、世界の銀幕の約1割を押さえたとみられる。
また、大連万達は、映画産業の川下である映画館とともに、川上といえる製作・配給会社の買収にも並々ならぬ意欲を示す。今年初めに「GODZILLA (ゴジラ)」などで有名な米レジェンダリー・ピクチャーズを買収。そして7月には米メディア大手バイアコム傘下のパラマウントへの出資交渉を米ウォールストリートジャーナルが報じた。パラマウントはさきの「トランスフォーマー」シリーズや「ミッション・インポッシブル」シリーズなどを手掛ける映画会社で、ソニー・ピクチャーズやウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザーズなどハリウッド6大スタジオの一角。世界の映画市場は6大スタジオで7割を占めるとされる。そこに中国資本が本格的に食い込むとなれば、かなり衝撃的だ。
大連万達だけでなく、アリババやテンセントなど、中国ITの巨大企業も米映画産業への関心が取りざたされている。なぜ中国勢が映画産業にこうも積極的に取り組むのか。それは中国国内の映画市場が爆発的に伸びていることが最大の動機だ。米国の映画業界団体のMPAA(米国映画協会)が4月に発表した調査「Theatrical Market Statistics 2015」によると、2015年の中国の映画興行売上高は68億ドル。首位の米国は111億ドルとダントツだが、3位の英国(19億ドル)、4位の日本(18億ドル)と比べると3倍以上だ。中国の市場規模が日本を抜いたのが、その2年前の13年だったことを考慮すると、その勢いのものすごさがわかる。
特にハリウッド映画は中国でも大人気。すでに中国の興行成績が米国を上回るハリウッド映画も複数出ており、米国で売れなかった作品も中国市場向けに続編が決まるケースもある。ハリウッド側としては需給関係上、急拡大する中国市場を配慮することは資本主義経済では当然の帰結。中国企業が広告価値の高いハリウッド映画に出資し、自社製品やサービスをPRしたいと考えるのも当然で、両者の思惑が合致した格好だ。
人民網日本語版によると、大連万達の王氏は、「2020年までに世界の映画市場の20%を占める」ことを目標に掲げているといい、今後もさらなる買収攻勢をハリウッドなどに仕掛けていくだろう。映画産業の川上から川下までを抑えることで、大連万立がハリウッド映画で製作、資金調達、コンテンツの中身などで、今後、さらに優位な立場に立つことは容易に想像される。
■ゴジラにポケモンも…。次々と中国資本で映画化へ
日本のコンテンツも次々と中国資本で映画化されている。トランスフォーマーはそもそも日本の玩具が米国でアニメ化された経緯がある。大連万達が傘下に収めたレジェンダリーは、「ゴジラ」の続編も計画している。また、7月には、同社がポケモンの実写映画化権を獲得した。日本発のキャラクターが、中国企業の商品やサービスのPRに一役買うことが増える可能性は高い。
もちろん、ハリウッド映画は日本でも人気だ。かつてハリウッド映画に出てくる米国製の商品やファッションに日本人があこがれたように、今後は日本の子供や若者らが、ハリウッド映画に登場する中国製の食品やサービスに憧れる時代がやってくるのかもしれない。
商業的な影響にとどまるのなら、それほど心配することはない。ただ、人気映画が人々に与える影響は大きい。7月にウォールストリートジャーナル(日本語版)の取材に応えた中国のメディア大手、湖南電広伝媒の最高コンテンツ責任者(CCO)を務める周石星氏は、こう語っている。
「われわれが映画を選ぶ際には『前向きなエネルギーが感じられる』作品を選ぶ。つまり、われわれがある映画に投資するとき、優先するのは映画の政治的・政策的なリスクを評価することで、その次に商業的な見通しを評価する」。中国マネーによる世界の銀幕支配は映画産業の隆盛という意味では歓迎だが、一方で政治利用などさまざまな懸念もありそうだ。(池誠二郎)
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