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“買収王”孫正義社長の眼力 ソフトバンクが仕掛ける未来への巨額投資
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160814-00000001-fsi-bus_all
SankeiBiz 8月15日(月)8時15分配信
「たかが3兆円、と言ったら怒られるかもしれないが…」。“買収王”の名をほしいままにする孫正義・ソフトバンクグループ社長が、再び市場を驚かせた、英半導体設計大手アーム・ホールディングスの巨額買収。約3兆3000億円は海外企業へのM&A(合併・買収)で過去最高額だ。日本企業の大型海外M&Aベスト5のうち、3つをソフトバンクグループが占め、桁違いの投資意欲を改めて印象づけた。
しかし、もう一人のM&Aの達人でソフトバンクグループの社外取締役を務める永守重信・日本電産社長は、時間軸の長い買収には不確定要素があり得ることから「私なら3300億円でも買わない」と発言。数十年先を見通す自身の眼力を信じ、巨額投資に踏み切った孫社長の判断の成否が、これまで以上に注目されそうだ。
「今回はフルスイングしたつもりはない。コントロールショットの範囲です」。7月28日の2016年4〜6月期決算説明会で孫社長はアーム買収について、ゴルフに例えてこう語り、会場を沸かせた。「7割も現金で支払ったのは初めて。余裕を持って資金調達できた」としており、これまでのように会社の調達能力を超えた投資ではない、という意味だ。ただ、こうした発言は、周囲から巨額買収への疑問の声が尽きないことの裏返しともいえる。まずはその問いと、孫社長の反論を振り返ってみたい。
高い買い物ではないか(アームの最終利益からみると、M&Aに支払った金額を回収するまでに50年以上かかる計算になる。株価には43%のプレミアムを上乗せしている)
「プレミアムは見方によっては高いかもしれないが、それは過去の利益への倍率で、成長余力がある。5〜10年後からみて振り返って現在の価格は安い」
ソフトバンクグループは巨額の借金があり、返済を優先すべきでは(有利子負債は6月末時点で11兆7235億円)
「当社は(中国・アリババ集団などの)上場株式を持ち、潤沢なフリーキャッシュフローがある。「ネットデット(資産額を差し引いた負債額)は実質ゼロだ」
株価は下がった(買収発表の翌営業日の終値は10.3%安)
「毎回大きな(買収を)発表すると、株価は下がり、その後少しずつ回復する。新しい大きな挑戦だから、すぐに(株主にとって)連想がわきにくいのはいつものことだ」
ソフトバンクグループの既存事業とのシナジー(相乗効果)がないのでは
「今すぐにはないがある。これまでのM&Aでも、当初は相乗効果がないといわれたが、後で振り返ると理にかなった投資だと評価された」
最後のやり取りにある通り、アナリストや記者がいくらデータを挙げて「失敗ではないか」と迫っても、孫社長には過去に巨額買収を成功させ、一代で9兆円企業をつくった実績があるのは確かだ。例えば、06年に英ボーダフォンの日本法人(現ソフトバンク)を約1兆9000億円で買収。思い切った料金プランを打ち出しただけでなく、2年後には日本でいち早く米アップルのiPhone(アイフォーン)を発売し、NTTドコモなどから契約者を奪って急成長。16年3月期の国内通信事業の売上高は3兆円超、営業利益は約7000億円。同事業が安定的に生み出す利益が、ソフトバンクグループを支えている。
孫社長は「私はいつも『パラダイムシフト』(劇的な変化)の入り口で投資してきた。ボーダフォンジャパンを買ったときも電話屋さんになるつもりはなく、モバイルインターネットの入り口だった」と、スマートフォン時代の到来を見越して巨額買収に踏み切ったと強調した。そして今回も、全てがインターネットにつながるインターネット・オブ・シングス(IoT)時代の到来を見越しての投資と話す。
今回はIoTで集めた膨大なデータを基に人工知能(AI)が活躍する未来を思い描いており、フジサンケイビジネスアイのインタビューでは「事故のない、病気のない社会。もっと楽しく日常生活を過ごせる、愛に満ちあふれるような、そういう社会をつくりたい」と熱っぽく語った。
一方、「孫さんは先を見る能力があるから成功してきた」と語る永守氏でさえ抱く懸念とは何か。「ああいうモノは技術革新が予想外に早い。30〜50年後をみて会社を買うという能力は、私にはない」と語った永守氏の言葉がヒントになりそうだ。数十年を経る中で、新しい技術がアームのそれに取って替わるなど、現時点では想像もできない事業環境の変化が起きる可能性もゼロではない、といっているように聞こえる。
日本企業の巨額買収を振り返ると、孫社長は金額で首位のアーム、3位のボーダフォン日本法人、4位の米携帯電話大手スプリントの3件を手掛けた。前述のように、ボーダフォンに関しては大成功だったが、スプリントの再建はまだ途上だ。同じく米携帯大手のTモバイルも買収し、両社を統合してベライゾンなどに互していくという孫社長の“大戦略”が、米当局の意向に阻まれたように、孫社長にも、これまで誤算がなかったわけではない。
また、孫社長が明らかにした自身の「時間の使い方」によると、従来は5割がスプリント、5割がその他だったが、これからはアームとスプリントが45%ずつ、残り10%をその他にするという。「アーム買収で未来社会を変える」という壮大なビジョンを実現するには、2件の巨額買収後の経営戦略に関わり、成果を出していく必要がある。これは、孫社長にとっても容易な仕事ではなく、サクセスストーリーに彩られた「立志伝」の総仕上げを見事に飾れるかは予断を許さない。(高橋寛次)
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