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無知をさらけ出すヘリマネ批判論者 飛躍しすぎの「ハイパーインフレ」論
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160812/dms1608120830001-n1.htm
2016.08.12 「日本」の解き方 夕刊フジ
政府や中央銀行から国民にお金を直接支給する政策「ヘリコプター・マネー」について、「ハイパーインフレ」と結びつけて批判する論調がある。そうした論理の飛躍がなぜ生じるのだろうか。
こうした論を唱える人は、そもそもハイパーインフレをきちんと理解していないようだ。ハイパーインフレの学術上の定義を尋ねても、経済学者、フィリップ・ケーガンによる「月率50%(年率1万3000%)を超える物価上昇」と答えられる人はまずいない。国際会計基準で定める「3年間で累積100%(年率約3割)の物価上昇」というのもまず知らない。
この定義を知っていれば、少なくとも各国の過去の事象から、ハイパーインフレがどのように起こるかはわかるはずだ。そうでない場合、定義を知らないままハイパーインフレという言葉を発し、無知をさらけ出すことになる。
こうした論者の多くが引き合いに出すのは、戦後日本のハイパーインフレである。その歴史知識も危ういが、「日銀の国債引き受けがハイパーインフレを招いた」と、耳学問で話していることがほとんどである。
史実はこうだ。高橋是清は1931年に蔵相に就任し、32年11月に日銀による国債の直接引き受けを始めた。東京卸売物価指数で見ると、32年から44年のインフレ率は平均9%。今から見れば高いように見えるが、当時としてはそれほどでもなく、まして悪性インフレとはいえない。
悪性インフレになったのは戦後だ。45、46年のインフレ率はそれぞれ、41・1%、378・5%とひどいものだった。ただ、戦前の日銀引き受けと、戦後の悪性インフレとは13年以上の間がある。
戦争で生産設備が壊滅的な打撃を受け、モノ不足で悪性インフレになった。こうしたことは世界各地の戦火にまみれた敗戦国で共通してみられた現象である。まして戦後の悪性インフレと戦前の日銀の国債引き受けは関係がない。
中央銀行の国債引き受けがマネーを増加させるのは事実であるが、それがハイパーインフレになるかどうかは、経済状況と引き受け量に依存する。
金融緩和政策によってハイパーインフレになると短絡的に語る論者は、こうした経済関係を数量的に理解できないのだろう。日銀が量的緩和を開始するときも「ハイパーインフレになる」と叫んでいた。
ところが、2001〜06年の量的緩和も、13年からの量的緩和も、ハイパーインフレどころか、デフレ脱却すらできていない。ちょっと物価は上向きになったが、06年時はうかつにも量的緩和をやめてしまった。現在でも、消費者物価統計の上方バイアスを考えると、インフレ率はマイナス1%でもおかしくない。つまり、量的緩和が足りないのだ。
「ヘリマネ」を実施しても、日銀は2%のインフレ目標を設定しているので恐れることはない。インフレになってもハイパーインフレのはるか手前で金融引き締めが行われるからだ。したがって、ハイパーインフレになるという人を信じてはいけない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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