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【FRBウオッチ】
米利上げどころか「雇用は弱い」、労働統計が実証
山広 恒夫
2016年8月12日 06:56 JST
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• 全雇用創出は2月の551万人でピーク、昨年12月の初回利上げが最後か
• 前回拡大期は雇用ピークの5カ月前に最終利上げ、翌年大幅利下げ
米労働省が10日に発表した求人・労働移動統計(JOLTS)は、金融政策当局や市場関係者の多くが想定していた「米国の雇用は強い」というシナリオの再点検を迫っている。
英国民が6月23日にEU(欧州連合)離脱を選択したことで金融市場は沈下したが、これを反転に導いたのは米労働省が7月8日に発表した6月の雇用統計だった。非農業部門の雇用者数は28万7000人増(後に29万2000人増に改定)と伝えられた後、市場では米国経済の成長が加速するとの観測が広がり、株価は反転上昇、史上最高値が視野に入った。金利も上昇に転じた。金利先物市場が示唆する年内の利上げ確率も、雇用統計発表前日の12%から1週間で38%まで上昇した。
こうした状況を受けて米連邦公開市場委員会(FOMC)が7月27日の定例会合後に発表した声明には、「雇用の伸びは5月に低調だったが、6月は強かった。ならしてみると、雇用者数などの労働市場の指標は、労働力の活用がここ数カ月に一定の増加を見せてきたことを示している」と記された。
イエレンFRB議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
しかし、市場が注目している雇用統計の雇用者数は、当該月の全雇用創出から自発的離職者と解雇者の合計であるセパレーションを差し引いたネットの数値である。少なくとも、全雇用創出とセパレーションを精査するまで、現実の雇用創出力は分からない。
この6月の雇用統計を検証する機会が訪れた。労働省が発表した6月のJOLTS統計によると、同月の雇用創出は513万1000人で、前月比8万4000人の小幅増加にとどまった。雇用創出は5月まで3カ月間の大幅減少を受けて、6月にリバウンドしたにすぎない。この数値がより現実に即しており、雇用統計で示された29万2000人増は蜃気楼(しんきろう)のようなものだ。
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6月の全雇用創出(513万1000人)から自発的離職者と解雇者の合計であるセパレーション(490万9000人)を差し引くと22万2000人となる。この数値がJOLTSに基づく雇用者純増分で雇用統計の29万2000人に相当する。なお、雇用統計は毎月12日を含む週に調査・集計するのに対し、JOLTSは月末まで集計するため、誤差が生じる。
JOLTSに基づく雇用者の純増幅は雇用統計には及ばないものの、表面的には堅調である。ここで注目すべきは全雇用創出とセパレーションの変化である。雇用創出は3カ月連続マイナスの後のリバウンドにとどまっており、極めて弱い。一方、セパレーションも6万9000人減少したため、ネットの純雇用増は22万2000人に押し上げられたもので、実際の雇用創出力は弱く、セパレーションの減少に助けられた格好だ。
さらに、雇用創出の長期的な変化を通して観察すると、FOMCによる利上げの先行きもより正確に描ける。全雇用創出は今年の2月に現下の景気拡大局面でピークを付けたが、FOMCはその2カ月前の昨年12月に初回利上げを決定していた。利上げは雇用創出のピーク形成に対して2カ月先行していた。
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全雇用創出が今後、2月のピークを奪還し、さらに拡大していかない限り、追加利上げは正当化されない。雇用創出力が後退する中で追加利上げを実施すれば、景気の悪化を加速させるからだ。
前回の景気拡大局面はどのような展開だったのだろうか。この時は、全雇用創出が2006年11月に552万8000人でピークをつけていた。当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長はその5カ月前にフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を5.25%まで引き上げた。
バーナンキ議長は追加利上げについて「データ次第」と唱えていたが、住宅・金融バブル崩壊と景気循環がピークに接近する中で、利上げの機会は逃げ水のごとく消え去り、翌07年8月にまず公定歩合引き下げという変則利下げを決定するなど、混乱状態に陥っていた。さらに翌9月にFOMCはFF金利の0.5ポイント引き下げ、10月に0.25ポイントの追加引き下げに追い込まれた。
その2カ月後にグレートリセッション(チャ―ト右側の赤の縦じま)に突入、FF金利は雇用創出と共に奈落の谷を落下していった。FOMCはその谷底で事実上のゼロ金利と量的緩和に追い込まれた。
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バーナンキ議長が追加利上げは「データ次第」と語っていた当時と、現状は相似形をなしている。前回は政策金利が5.25%まで引き上げられたため、景気下押し圧力が強く、急激なバブル崩壊と景気悪化を誘い、金融政策はドラマチックな転換を余儀なくされていた。
今回の景気拡大局面では、政策金利がなおゼロ%近傍にとどまっているため、変化がのろく、金融政策当局者も「利上げは緩やかなペースで進めていく可能性が高い」という姿勢を続けている。しかし、変化がのろい分、不均衡が膨張できる限界も広がっていき、臨界点に達したときの反作用はより強力なものになっていく。
(【FRBウオッチ】の内容は記者個人の見解です)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-11/OBPDVL6S972K01
クリントン氏の「清廉潔白」財政、クルーグマン教授らから危惧する声
Rich Miller
2016年8月12日 06:25 JST
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「今こそ借り入れるべき時だ」、クルーグマン氏はNYT紙に寄稿
自称「債務の王様」トランプ氏との相違をクリントン氏は強調
債務の王様を自負するドナルド・トランプ氏を相手に米大統領選挙を戦うヒラリー・クリントン氏は、財政面での清廉潔癖さを美徳として前面に出す戦略をとっている。ノーベル賞を受賞し、進歩主義的なエコノミストとして知られるポール・クルーグマン氏はこれに賛同しかねるようだ。
クリントン氏の経済プログラムに直接言及していないものの、クルーグマン氏は今週、政府が借り入れを拡大し、債務をさほど心配しなくてもよい時代が到来したとの見解を示した。金利がこれほどまでに低いなら、切望される空港や橋などのインフラ投資は経済の潜在的生産性を高めることで、おのずと賄われるという論理だ。
「政治の先行きは依然として見通しづらいが、今やらなくてはならないことは明らかだ」とクルーグマン氏は8日付の米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿。「連邦政府は今こそ、借り入れで投資するべきだ」と主張した。
共和党候補のドナルド・トランプ氏が今週発表した大型減税と規制緩和を組み合わせたプログラムに対し、クリントン氏は帳尻が合わないと批判する。クリントン氏は8日、フロリダ州セントピータースバーグでの集会で「数字はごまかせない」と発言し、トランプ氏のプログラムは米経済をリセッション(景気後退)に陥れると批判。歳出拡大を、富裕層と法人を対象とした同規模の増税で相殺するという自案との相違を強調した。
経済政策研究センター(CEPR)の共同創立者、ディーン・ベ ーカー氏はクリントン氏がこうした表現で自らを縛り、当選後に政府として必要な経済支援を行うのが難しくなるのではないかと危惧する。
「政治だということは分かっている」とベーカー氏。しかし財政問題に関するクリントン氏の姿勢は「非常に心配だ」と述べた。
財政赤字の拡大で歳出を増やすことについては、誰しもクルーグマン教授と同じ意見ということではない。ピーター・G・ピーターソン基金が先導する財政タカ派は、人口高齢化で将来歳出が拡大するのに備え、今こそ財政規律を高めるべきだと主張。「長期的な問題だ」と同基金を創立したピーターソン氏は5月にワシントンで主催した会議で指摘。「多くが予想していることだが、最終的に米国の債務は経済規模の2−3倍になるだろう」と述べた。
一方で金融政策の効果はもはや限界に近づき、もっと政府が成長支援に加担するべきだとの声が世界中のエコノミストや投資家はもちろん、中央銀行当局者からもあがるようになった。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は3月29日にエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで現在の低金利に言及し、投資志向型の財政政策というものは「あり得ると私には思える」と述べた。
原題:Clinton Fiscal Prudence Runs Counter to Krugman’s Call to Borrow(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-11/OBR47VSYF01V01
JPモルガン・アセットが日本株ファンドを精算−9月1日付
伊藤小巻、Kathleen Chu
2016年8月12日 12:33 JST
JPモルガン・アセット・マネジメントはジャパン・マーケット・ニュートラル・ファンドを9月1日付で清算する。解約により4日時点の運用額が1700万ドル(約17億円)に減少し、過去の成績などから、新規資金を見込むのは難しいと判断した。
ファンドの精算はブルームバーグが入手した投資家向け資料で明らかになった。同ファンドの目論見書によると、運用額が3000万ドルを下回った場合は清算可能としている。投資家は他のファンドに乗り換えるか、清算代金を受け取るなどの選択肢がある。
JPモルガン・チェース本社(ニューヨーク)
JPモルガン・チェース本社(ニューヨーク) Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
同ファンドのリターンは7月末時点で同月次が2.1%。3カ月リターンはマイナス1.6%。2011年6月3日の運用開始以来ではマイナス16.3%だった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-12/OBOWLH6K50Y501
債券先物下落、米債安で売り先行−超長期ゾーン堅調や日銀オペが支え
池田祐美
2016年8月12日 08:00 JST 更新日時 2016年8月12日 10:46 JST
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先物は14銭安の151円56銭まで下落、長期金利マイナス0.105%に上昇
新発20年債利回り0.245%、新発30年債利回り0.36%に低下
債券市場で先物相場は下落。前日の米国債相場が軟調に推移した流れを引き継ぎ、売りが先行した。半面、日本銀行が長期国債買い入れオペを通知したことや、超長期ゾーンの堅調推移が相場を下支えしている。
12日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前営業日の10日終値比4銭安の151円66銭で取引を開し、151円56銭まで下落した。その後は下げ幅を縮め、横ばいの151円70銭まで戻す場面があった。
JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「休み明けの円債市場は、円安に多少振れていることや海外株高を受けて日本株が強い中で、若干売りが出ている」と述べた。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した10日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.105%で取引を開始し、その後も同水準で推移している。新発2年物の367回債利回りは1bp高いマイナス0.195%で取引されている。新発20年物の157回債利回りは1.5bp低い0.245%、新発30年物の51回債利回りは2bp低い0.36%と、ともに1週間ぶり水準に下げている。
野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「需給的に超長期債入札が再来週までなく、9 日の相場がそうであったように現行水準での空中戦になりそう。銀行は4ー6月に超長期債を落とし気味であったことや債券含み益が大きいことからリスクテーク能力がある」と指摘した。
日銀買い入れ
日銀は午前10時10分の金融調節で、今月5回目となる長期国債買い入れオペを通知した。残存期間「5年超10年以下」が4300億円、「変動利付債」が1000億円で総額5300億円となる。
11日の米国債相場は下落。年内の利上げ観測や30年債入札で需要が弱かったため売りが優勢となった。米10年債利回りは前日比5bp上昇の1.56%程度。一方、米国株は主要3指数が過去16年で初めてそろって過去最高値を更新した。S&P500種は0.5%高の2185.79で引けた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-12/OBOWLH6K50Y501
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