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障害年金は「がん」でも受給できる!
http://diamond.jp/articles/-/98496
2016年8月12日 早川幸子 [フリーライター] ダイヤモンド・オンライン
一時期盛んに、民間保険のテレビコマーシャルで、「がんになったら、保険の効かない治療が300万円もかかる!」と喧伝したせいか、「がんの治療は健康保険が使えない」と誤解している人もいるようだ。
だが、日本の医療制度では、有効性と安全性が科学的に証明された標準治療には健康保険が適用され、誰でも少ない自己負担で治療を受けられる。がんになって受ける手術や放射線治療、抗がん剤治療も例外なく、この制度にのっとり運用されている。
もちろん、医療費そのものは100万〜300万円など高額になることもあるが、健康保険には、医療費が患者の家計に過度な負担とならないように配慮した高額療養費があるので、実際に患者が病院の窓口で支払う医療費は低く抑えられている。
■がんで治療が長引くと
医療費の累積で負担が増える
全日本病院協会「疾患別の主な指標」(2013年1〜3月)によると、胃がんの手術をした場合、医療費そのものは約97万円が目安だが、高額療養費が適用されたあとの患者負担は約9万円だ(70歳未満で一般的な所得の場合)。
進行していない早期のがんで、1回の手術や放射線治療で区切りがつく場合は、自己負担する医療費は30万〜50万円程度ですむことが多い。がんにならなければ支払わなくてもいいお金なので、うれしい出費ではないが、ある程度の貯蓄があれば、なんとか賄える金額ではないだろうか。
がんになって治療費が高額化しやすいのは、がんのステージが進んでいたり、再発や転移をして治療が長引いた場合だ。
進行しているがんは、手術や放射線治療といった局所療法だけでは治らず、抗がん剤を使った全身療法が行われるケースが多くなる。
抗がん剤は、それぞれのがんの部位や進行度によって決まっている標準治療で、多くの人に効果が認められているものが第一候補として使われる。
最初の薬でがんが消失すれば、1クールでいったん治療は終わり、様子を見ることになる。だが、治療結果の判定によっては、「症状が変わらず、悪くなっていない」なら同じ薬を使い続け、「がんが増殖して、悪化している」なら別の薬に変えられ、終わりの見えない治療が続くことになる。
健康保険は適用されても、治療が続く限り、毎月、高額療養費の限度額までは支払わなければいけないので、累積した医療費が高額化してしまうのだ。
こうなると、医療費がじわりじわりと負担となり始め、場合によっては仕事を休んだり、やめたりしなければならない可能性も出てくる。
だが、がんの治療が長引いて働けなくなったときは、「障害年金」が利用できる可能性がある。
■障害認定基準には
悪性新生物も明記
会社員の人は、がんの治療のために仕事を休んで、給料がもらえなかったり、減額されたりした場合、最初は健康保険の傷病手当金が給付される。1日あたりの給付額は、1ヵ月の給料を30で割った金額(標準報酬日額)の3分の2で、給料が払われていても、この金額に満たない場合は差額が支給される。
ただし、もらえる期間は、病気やケガで3日続けて休んだあとの4日目から、最長1年6ヵ月の間に実際に会社を休んだ日数だ。大企業の健康保険組合だと、最長3年間給付されるところもあるが、健康保険からの所得補償は、これでいったん打ち止めになる。
この間に、がんが治って仕事に復帰できるのがいちばんだが、それも難しい場合は公的な年金保険の「障害年金」を受給できないか年金事務所に問い合わせてみよう。
障害年金の給付対象は、視覚障害や聴覚障害、手足の切断などによる肢体障害がイメージされがちだが、実は精神疾患や内臓の疾患も対象となっている。「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」には、「悪性新生物による障害」という項目があり、がんも障害年金の給付対象に含まれているのだ(PDF)。
障害年金をもらえるのは、その障害の原因となった病気やケガで、はじめて医師の診察を受けてから原則的に1年6ヵ月たっても回復が見込めず、症状が固定した場合だ。
初診日から1年6ヵ月たっていなくても、それ以上の改善が見込めずに治療が終わると、その時点で障害認定が行われる。たとえば、喉頭がんで喉頭全摘をした場合は、手術した日が障害認定日となり、1年6ヵ月以前でも給付を受けることも可能だ。
職業に関係なくもらえるのが「障害基礎年金」で、1年間の給付額は1級が97万5125円、2級が78万100円。いずれも子どものいる人には加算がある。
会社員の人には、このほかに障害の程度に応じて1級、2級、3級の障害厚生年金が上乗せされる。もらえる金額は平均月収と勤続年数によって異なるが、勤続年数が短くても58万5100円が最低保障される。
傷病手当金がなくなっても、障害年金がもらえれば、治療中の医療費や生活費をカバーできる。障害年金は、働いていても給付を受けられるので、がんで短時間しか働けなくなったという場合も利用可能だ。
■受給できるか否かは
医師の診断書がカギ
ただし、がんになれば誰でも障害年金をもらえるわけではない。上述の「障害認定要件」をクリアする必要があるが、がんによる障害は、目に見える分かりやすいものばかりではないため、それが受給の難しさにつながっている面もある。
大腸がん手術後の人工肛門の増設、喉頭がんによる喉頭全摘などは分かりやすい例としても、がんが進行すると痛みやだるさ、しびれ、抗がん剤治療などによる体力低下などはなかなか見た目では分からない。
周りからみると、その障害の大きさは分かりにくいため、年金事務所の職員によっても対応に差があり、医師にどのような診断書を書いてもらうか、受給の成否を決める大きな要因になっている。
障害年金は、病気やケガでどれくらい日常生活が制限されているによって、給付の可否や等級が決まる。また、検査による客観的な数値のほか、自覚症状も重要だ。担当の医師に診断書を書いてもらうときは、こうした点に注意してできるだけ具体的に記入してもらうようにしよう。
「抗がん剤治療で吐き気があり、1日中寝て過ごしている」「がん痛みにより全身が衰弱しており、起き上がれない」「放射線治療による副作用で倦怠感が強く、以前に比べて3割程度しか仕事ができない」など、具体的な症状、労働状況を記載すると、障害年金は受給できる可能性が高くなる。
とくに、自営業の人が加入する国民健康保険には傷病手当金がないので、障害年金をもらえれば収入の落ち込みをカバーできる。できるだけ受給できるような診断書を書いてもらえるように、担当の医師に相談してみよう。
ただし、障害年金を受給できるのは、年金保険の加入者で、次の保険料納付要件を満たす必要がある。
・初診日がある月の前々月までの期間の3分の2以上、保険料を納めていること
・初診日が65歳未満で、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない
会社員の場合、年金保険料は給料から天引きされているので滞納の心配はないが、自営業の人は国民年金保険料を自分で納付しなければならない。家計が厳しいと、ついつい年金保険料は後回しになりがちだが、滞納すると老後の年金だけではなく、障害年金や遺族年金を受け取る権利も逃すことになる。
免除申請をしておけば、保険料を納められなくても加入期間にカウントされ、いずれの年金も受給権利を確保できる。経済的に苦しくて保険料を納められないときは、勝手に滞納するのではなく、自治体の国民保険課に相談して必ず免除申請をしておこう。
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