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このタイミングでスバルが歩行者保護にこだわる理由 新型「インプレッサ」に歩行者保護エアバッグを標準装備(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/748.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 11 日 00:20:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

              スバルが採用した歩行者保護用のエアバッグ(筆者撮影)
 


このタイミングでスバルが歩行者保護にこだわる理由 新型「インプレッサ」に歩行者保護エアバッグを標準装備
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47551
2016.8.11 桃田 健史 JBpress


 スバル(富士重工業)は7月26日、今秋に発売予定の新型「インプレッサ」の国内仕様車を初公開した。


 注目されるのは、日系メーカーでは初となる歩行者保護エアバッグの採用だ。


 これは、歩行者などと衝突した際、フロントガラス下部にエアバッグが広がり、歩行者の頭部の衝撃を軽減するもの。スウェーデンのボルボが2013年に採用したのが世界で最初とされている。スバルの場合はボルボと違いエアバッグがボンネットを押し上げないため、発火装置の数を軽減するなどコストを抑え、大衆車「インプレッサ」での標準装備を実現した。



歩行者に衝突してエアバッグが開いたときの様子(写真:富士重工業)


 また、今回のフルモデルチェンジを受け、「ぶつからないクルマ?」のCMでお馴染みの「アイサイト」を標準装備とする。現行「インプレッサ」では高価格モデルのみに装備されている。


 こうしたスバルの事業戦略は中期経営戦略「際立とう2020」に準じるものだが、「歩行者保護」という観点では、今年2016年、さらに2年後の2018年の動きがカギとなる。


■欧州での販売を左右するユーロNCAPの評価


 自動車の歩行者保護機能を開発する際、大きなハードルとなるのが歩行者の認識だ。歩行者は車両などの障害物と違って高さや幅などに差があり、またクルマの進行方向に対して横方向に動くため、的確に認識することが難しい。


 衝突時の歩行者保護について、日本では独立行政法人「自動車事故対策機構」が2012年から「JNCAP(Japan New Car Assessment Program)」という安全性評価のプログラムの中で、自動車の歩行者頭部保護性能と歩行者脚部保護性能を試験し、消費者が商品選びをする際の目安として結果を公表している。


 ユーロNCAP(European New Car Assessment Programme)でも、2016年から歩行者保護に関する試験項目が追加された。2018年には夜間の歩行者保護に関する試験項目が追加される予定だ。


 スバルは欧州で新型「インプレッサ」を販売するにあたって、ユーロNCAPの評価という強い武器を得たということだ。


 また、アメリカの自動車アセスメントでも、今後、歩行者保護が対象となっていく。北米での販売が事業の大黒柱であるスバルにとって、歩行者保護性能のアピールは重要なセールストークとなる。



新型「インプレッサ」のサスペンションなど(筆者撮影)


■完全自動運転に向けての「通過点」


 JNCAPのアセスメントでは最近、衝突時の衝撃低減に加えて、事故を未然に防ぐ「予防安全性能」の評価が強化されている。


 その試験項目として、日本では「衝突被害軽減制動制御装置」および「車線逸脱警報装置」がある。前者はいわゆる自動ブレーキで、後者は英語では "Lane departure warning system" と呼ばれることが多い。この領域で、2つのカメラを持つアイサイトの評価は高い。


 スバルに限らず自動車メーカー各社は、次世代型の予防安全装置の開発と実用化を急いでいる。例えば、単眼カメラの画像認識技術でデファクトスタンダードを狙うイスラエルのモービルアイ(Mobileye)や、自動車部品サプライヤーのビック2である独ボッシュと独コンチネンタルなどが、しのぎを削っている。


 こうした、カメラとミリ波レーダーによるセンシングは、米道路交通安全局 (NHTSA)の指標である、自動運転「レベル2」を実現するために必要不可欠な技術だ。そして、その先の「レベル3」となると、レーザーレーダー(通称「ライダー」)や、ドライバーの顔の表情を認識するための室内カメラなどが必要な技術となる。


 自動車メーカーは、こうした予防安全装置による高度な運転支援機能(ADAS)を徐々に積み上げていくことによって、最終的な完全自動運転を目指すことになる。NCAPが安全性を評価する歩行者保護は、その過程における「公的な意味合いが強い通過点」と位置付けられる。現在のところ、ADASから完全自動運転に向けた「通過点」は他にない。


 日本で「自動運転」というと、内閣府が主導する「革新的イノベーション創造プログラム(SIP)」の枠組みがフィーチャーされることが多い。だが、これは「2020年になんとか実現できれば」という程度のあいまいな目標に過ぎない。その証拠に、2016年5月に発表されたロードマップでは、2015年に比べて目標設定が大幅に前倒しされている。


 それに対して自動車メーカーは、NCAPのような“確実な通過点”を念頭に置いて、自動運転の技術を着実に進化させようとしている。


 現在、米国ではNHTSAが、自動運転に関するガイドラインの作成と、それを基盤とした自動運転に関する独自の法整備を進める動きが活発になっている。運転者や乗車員の保護を第一に掲げているが、歩行者保護についても当然明記されることになるだろう。


 これから数年、自動車業界では「歩行者保護」が重要キーワードになることは間違いない。



 

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