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太陽光関連倒産、過去最悪ペース “バブル”収束で市場縮小、過当競争の恐れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160809-00000005-fsi-bus_all
SankeiBiz 8月10日(水)8時15分配信
太陽光発電に関連する企業の倒産件数が今年、過去最悪のペースで推移していることが分かった。1〜7月の累計倒産件数は前年同期と比べ7件増の37件、負債総額は15.7%増の179億1300万円に上る。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が生んだ“太陽光バブル”の収束で市場は縮小し始めており、事業者の陶太が加速する恐れがある。
東京商工リサーチが太陽光発電パネルの製造や卸売り、施工、売電など関連企業を対象に調査した。既に倒産件数は年間ベースで20件台後半だった2012〜14年を上回り、過去最多を記録した15年に次ぐ水準だ。
東海住宅サービス(愛知県)は太陽光パネルの卸売り・施工が売上高の約7割を占めたが、業界内の競争激化や政府が定める買い取り価格の引き下げで業績が悪化し、負債総額4億3800万円で倒産した。倒産企業の負債総額はこうした1億円以上5億円未満の企業が多いという。
FITは東京電力福島第1原発事故後、民主党政権が原発依存を減らそうと12年7月に導入した。再生エネで発電した電力を一定期間、大手電力に全量買い取るよう義務付けている。
ただ、太陽光は買い取り価格が他の電源に比べて高く、環境影響評価(アセスメント)が原則必要ないなど発電設備の設置も容易とあって参入が殺到した。発電事業の認定を受けた事業者の約9割を太陽光が占める。
こうした官製市場に踊った一部の企業が、実現性に乏しい安易な事業計画で参入した結果、業績の見込み違いから倒産が増加した。
太陽光の急増で買い取り費用は15年度に約1兆8000億円まで増加し、電気料金への転嫁で家庭や企業の負担が重くなった。政府は段階的に買い取り価格を引き下げた上、17年4月施行の改正再生エネ特別措置法で事業用の太陽光に発電コストの安い事業者の参入を優先する入札制度を導入するなど、制度自体も見直した。
政府は今後、地熱など太陽光以外の再生エネに力を入れるとともに、太陽光は「FITに頼らない自立した事業者を増やす」(経済産業省幹部)方針だ。優遇措置の見直しを受け太陽光の事業環境は急速に悪化しており、東京商工リサーチ担当者は「倒産の恐れがある信用不安の企業も増えている。今後は売電事業者など事業規模が大きな企業が破綻するケースも出てくるだろう」と分析している。(田辺裕晶)
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