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「ポケモンGO」のプレイ画面
ポケモンGO、地方は「ただただ迷惑」…人増えても「金落とさず」、混乱対策のコスト増
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16190.html
2016.08.06 文=小川裕夫/フリーランスライター Business Journal
リリース直後から社会現象を巻き起こしている「ポケモンGO」。レアキャラなどを求めて、ポケモントレーナーがあちこちに出没することが話題となっているが、こうしたポケモンGOブームに熱い視線を送っているのが、人口減少に悩む地方都市だ。
たとえば、鳥取県の平井伸治知事は名所の鳥取砂丘をPRするために、鳥取砂丘をスマホと砂にかけて「スナホ・ゲーム解放区」にすることを宣言。県外からの観光客を呼び込もうとPRに懸命になっている。
商店街単位でも同様の動きが見られる。大阪市旭区の千林商店街は、大阪でも指折りのアーケード街として知られる。しかし、近年はどこの都市でも抱える後継者難などから個人商店は減少。チェーン店ばかりが集まる。
千林商店街にはポケストップが11カ所あり、商店街を歩けば自然とモンスターを集めることができる。商店街はここに着目して、商店街の危機を打開するためにキャラクターを呼び寄せるアイテム「ルアーモジュール」を絶え間なく使い、モンスターの出現率をアップさせた。モンスター目当てで、多くの人が訪れるようにする取り組みで集客を図ろうと必死だ。
同様の試みは、あちこちの観光地で試行されている。昨今、日本の観光業界は外国人観光客にターゲットを絞って集客に力を入れてきたが、早くも爆買いブームは去った。また、外国人観光客を相手にしたくても、外国語が理解できない商店主は多い。高齢の商店主にいたっては、いまだ外国人アレルギーが強く、経済効果があったとしても外国人観光客が増えることにいい顔をしない。
そうしたことから、地方都市では行政も観光協会も外国人観光客より日本人観光客を呼び込む戦略を練っていた。ポケモンGOブームは、地方に日本人観光客を呼び込む千載一遇のチャンスでもあるが、集客効果はあるものの、そう簡単に地方都市は活性化するのだろうか。ある地方都市の観光協会幹部はこう話す。
「ポケモンGOは観光客を呼び寄せる仕掛けにはなっていると思います。ただ、それが経済効果になるかといえば、そこは疑問です。ポケモントレーナーの多くは、スマホ一台で来ますし、現地で遊んでいくわけでもないので観光客と呼んでいいかも疑問です。トレーナーは現地に足を運んでも、目的はポケモンGOなのですから日帰り客も多い。そうなると、宿泊が伴わないので地元への経済効果は薄い。地元の飲食店やお土産店で消費してくれるかといえば、これも怪しい。そもそも、地方の商店は東京のコンビニエンスストアほど品揃えもよくありませんから、東京から来るトレーナーたちはコンビニでおにぎりやパンを買い込んでから来る人も多いです」
■旅行代理店も恩恵なし
目的がポケモンGOだけでは、観光客は訪れても通り過ぎるだけで滞在してもらえない。滞在してもらえなければ、地元への経済効果は少ない。とはいえ、東京や大阪といった大都市から地方都市に足を運ぶトレーナーが増えるとなれば、そこまでの交通アクセスや宿泊を手配する旅行代理店の売上は伸びる。地元への経済効果がなくても、ポケモンGOブームを旅行代理店は歓迎しているのではないか。
「バスや飛行機、鉄道のチケットは個人がインターネットで手配するのが当たり前になってきているので、ポケモンGOが大ヒットしたからといって、旅行代理店が活況になることはありませんね。そもそも、ポケモンGOでわざわざ地方に足を運ぼうなどという人はいるのでしょうか。東京の渋谷や秋葉原、新宿などには無数のポケストップがあります。地方に行くよりも、東京のほうがポケモンGOには向いています。逆に地方から渋谷や秋葉原に行く人たちは、増えていると思いますが、こうした人たちも旅行代理店など使いませんし、ホテルに宿泊するのではなく、寝泊まりはネットカフェで十分という人たちが多い。とても、代理店が取り込める層ではありません」(大手旅行代理店関係者)
旅行代理店にとって、ポケモンGOはチャンス到来ではないようだ。
■禁止の場所相次ぐ
さらに自治体関係者・観光関係者はポケモンGOへの期待よりも、ポケモントレーナーが引き起こす混乱を心配している。そのため、地方の観光地ではポケモンGOで活性化を狙うよりも、忌避する動きのほうが強い。
すでに報道などで話題になっているが、島根県の出雲大社ではポケモンGOを禁止している。出雲大社といった全国でも指折りの寺社が禁止に動けば、それは全国に波及し、ほかの寺社も禁止することが予想される。
禁止は寺社だけにとどまらない。神奈川県の有名観光地・江の島でもポケモンGOの禁止令が出されている。また、先の大震災で崩落した熊本城でも崩落の危険性があるために立ち入り禁止区域を設けているが、そこにもポケモントレーナーが出現。そのため行政が注意喚起を行い、規制に乗り出している。先の観光協会幹部は、そうした強まる規制に対してこう漏らす。
「少しでも地方活性化に寄与するならポケモンGOだろうとなんだろうとどんどん利用していこうという推進派と、そんなもので活性化しても意味がないという否定派、意見は真っ二つに分かれています。それぞれ地域の事情があるので一概にはいえませんが、地方は新しいモノに対する警戒心が強い。だからポケモンGOに対するハレーションも強い。禁止のための立て看板を設置していますが、それらの費用も馬鹿になりません。それだったらポケモンGOとうまく付き合って、少しでも地元経済に還元していく方法を模索するべきなのですが、追い返すための費用ばかりかかってしまっているのが現状です」
ポケモンGOの大ブームで地方活性化を狙っているものの、大半の関係者たちはそれを活かせないどころか迷惑がっている様子が伺える。ポケモンGOをめぐる観光地の対応は、今後どうなっていくのだろうか。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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