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122兆円ため込む中国企業、低成長で投資に及び腰−当局や株主は不満
Kana Nishizawa
2016年8月3日 12:24 JST
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中国企業の現金保有は4−6月期に18%増え6年ぶりの大きな伸び
中国に限った問題ではない−日本企業の現金保有も昨年は過去最高
中国企業がこれだけ多くの資金を抱え込み、なおかつそれを投じる対象がなかったことはこれまでなかった。中国経済が四半世紀ぶりの低成長に落ち込む中で、投資機会が少なくなっていることが背景だ。
中国企業の現金保有は4−6月期に18%増え、6年ぶりの大きな伸びとなった。ブルームバーグの集計データによれば、銀行と証券会社を除く中国企業の現金保有は1兆2000億ドル(約122兆円)に上り、日米欧の企業より速いペースで増えている。
中国企業による前代未聞の内部留保に政策当局と投資家は不満を募らせている。企業は新規プロジェクトに資金を投じる自信がなく、金融システムに流動性を供給して成長を押し上げようとする当局の試みは機能していない。一方で株主は、企業のバランスシート上に資金が積み上がるなら、それを増配か自社株買いに充ててほしいと願う。
HSBCホールディングスのアジア太平洋地域株式戦略責任者ヘラルド・バンダーリンデ氏(香港在勤)は「一段と大きな問題になっており、現金保有が議論の的だ」と述べた。
ため込む中国企業。使うのが怖い?
ため込む中国企業。使うのが怖い? Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
四半世紀の大半にわたって中国企業はリスクテークすれば報われてきたので、資金があれば投資するより内部留保に回したいとする傾向は比較的新しい現象だ。中国の民間固定資産投資は昨年10%を超える伸び率だったが、今年1−6月は2.8%増と、記録上では最低となった。
企業内部に現金が積み上がっているのは、経済成長鈍化で借り換えが一段と難しくなるとの企業幹部の懸念を反映している面もあるかもしれない。豊盛融資で運用を担当する黄国英氏(香港在勤)は「借り入れの大きい企業が慎重になるには非常にもっともな理由だろう」と指摘。「今は株式相場が低迷、債券もそれほど良くないので、新規資金の調達は難しい」と話した。
ただ企業の現金抱え込みは中国に限った問題ではない。日本企業の保有額も昨年、過去最高を更新し、企業が財政と金融を通じた景気刺激策の有効性を確信できていないことを示唆している。
原題:China Inc. Has $1 Trillion in Cash That It’s Too Scared to Spend(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-03/OBB8LK6S972W01
入閣内定の山本幸三氏:筋金入りのリフレ派、アベノミクス形成に関与
広川高史
2016年8月3日 13:17 JST
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白川前日銀総裁と国会で論戦、復興財源で国債引き受け主張も
「アベノミクスを成功させる会」で3年で最大37兆円の対策提言
日本銀行に大胆な金融緩和を求めてきた衆院議員の山本幸三元経済産業副大臣が地方創生担当相として初入閣する。2011年の東日本大震災直後に復興財源を賄うため、国債20兆円を日銀が直接引き受けるよう主張するなど筋金入りのリフレ派。安倍晋三首相とは野党時代に金融政策に関する勉強会を重ね、アベノミクスの形成に関与した。
1948年8月8日生まれの67歳。衆院当選7回。旧大蔵省出身で宮沢喜一元首相の蔵相時に秘書官を務めた。日銀に物価安定目標の設定や大胆な金融緩和を求め、白川方明前総裁に国会で論戦を挑んできた。
日銀の岩田規久男副総裁、浜田宏一内閣官房参与らとも親しく、ゴールデンウイークには毎年訪米して米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長とも意見交換する関係だ。第2次安倍政権発足後は自民党有志議員による「アベノミクスを成功させる会」の会長として経済政策を提言してきた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所の嶋中雄二所長は山本氏について「アベノミクスの仕掛け人。そういう人が閣内にいれば、アベノミクスについてより近い立場でアドバイスができる」と指摘。地方創生担当相として入閣後も「金融政策と日銀は山本氏にとってのライフワーク、片時も信念は揺らがないと思うし、ウオッチも続けると思う」とも語った。
消費税
消費税率の10%への引き上げ延期をめぐっては1回目に首相が決断した14年11月には増税の1年半延期を首相に提言して後押し。2回目の延期を決める際にはむしろ増税は予定通り実施した上で、16年度から18年度にかけて低所得者への現金給付や熊本地震対策基金の創設などを含めて最大37兆円の追加的な対策を実施するよう求めた。
15年4月のブルームバーグのインタビューでは、白川前総裁時代 の日銀はインフレに対する「過度なまでの懸念」や、金融政策 の「小出し、後出し対応」をとる体質があり、現在も白川時代の「遺伝 子がまだ残っているのではないか」と指摘。黒田東彦総裁が日銀の 「伏魔殿」に「侵されつつあるのかな」と発言した。
首相は11年10月に出演したBSフジの番組「プライムニュース」で、山本氏の主張を最初は「うさんくさいのではないか」と思っていたと指摘。その後、金融政策について勉強を重ねるうちに「日銀は大切なところで間違っている」と気付いたことを明かしている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-03/OBBBWW6JIJUU01
コラム:緩和継続か限界か、日銀「総括」の真意=永井靖敏氏
大和証券 チーフエコノミスト
[東京 3日] - 先週、日米で行われた金融政策決定会合では、米連邦準備理事会(FRB)が「年内利上げなし」とした市場の見方をけん制した一方、日銀は市場の追加緩和期待に追随する形になった。
まず、FRBについてみると、声明文に「短期的な経済見通しへのリスクは低下した」と記載し、景気の見方を上方修正したうえで、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁が利上げを主張して反対票を投じるなど、今後の状況次第では、早期に利上げを実施できる体制を整えた。
市場では、11月の大統領選挙前の利上げは難しいと指摘する向きが多く、これが早期利上げ観測を抑える要因にもなっているが、筆者は、FRBは政治的に中立な立場を貫き、選挙の時期を意識して政策運営を行うことはないとみている。
仮にFRBが「中立的ではない」という前提を置くと、民主党のヒラリー・クリントン候補に有利に働くような政策運営を行うだろう。共和党のドナルド・トランプ候補が実現可能性の低い公約を掲げていることから、景気の先行き不透明感の浮上を避けるため、FRBは必要な行動をすべきと判断しそうだ。
トランプ候補は、「FRBが利上げを実施していないのは、オバマ大統領が利上げをしないよう要請しているため」と指摘し、イエレンFRB議長を「極めて政治的」と批判したうえで、再指名しないと宣言している。少なくとも心情的には、FRBはクリントン候補を支援していると思われる。
とはいっても、FRBにできることは限られている。クリントン候補はウォール街寄りと批判されているため、FRBが株価押し上げを目的とした低金利政策を実施すると、かえってクリントン候補にマイナスに働く恐れがある。
また、過度な金融引き締めを実施して、景気の先行き不透明感が高まると、現状に不満を感じる米国民が増え、その票がトランプ候補に流れる可能性がある。FRBにとって最善の対応は、経済状況に即した政策運営を行うことで、あくまでも政治的に中立な立場を貫くことだ。FRBは必要と判断すれば、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げを実施するだろう。
<ETF購入増額の正当化には構造改革が必須>
一方、日銀は金融緩和を強化したうえで、「きわめて緩和的な金融環境を整えていくことは、政府の財政政策・構造政策面の取り組みと相乗的な効果を発揮する」との考えを表明した。2日には、大型経済対策を決めた閣議の直後に、麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が緊急会談を実施、政府と日銀がデフレ脱却に向けて協調する姿勢を示した。
上場投資信託(ETF)の大量買い入れは、政府との協調が求められる。ETFの買い入れは財政政策に限りなく近く、構造政策による生産性の向上を前提にしなければ、日銀によるETF買い入れ増額が正当化できないためだ。
年間約6兆円という買い入れ額が株式市場に与える影響は大きく、目先、需給要因で株価は上昇傾向をたどろう。株価を押し上げることで、痛みを伴う構造政策を行う土壌が整う。構造政策により、景気の好循環を作ることができれば、今回の金融緩和強化を「成功した」と評価することはできる。
ただ、エコノミストは通常、需給要因による上昇は一時的で、株価は長期的には経済ファンダメンタルズに沿って動くと考える。構造政策が進まなければ、ETFの買い入れ増額は、単に株価の変動を高めただけという結果になってしまう。
<総括検証の狙いは金融政策の主導権確保か>
ところで、今回の日銀の発表で注目されたのは、「量的・質的金融緩和」導入以降3年強の経済・物価動向や政策効果について、次回会合で総括的な検証を行うとした点だ。これを受けて、物価安定目標の柔軟化や、持続可能な政策への転換の地ならしが行われると解釈する向きも少なくない。
ただ、黒田総裁は決定会合後の記者会見で、検証後の政策転換の可能性について、「その検証結果に応じて必要な措置をとるということに尽きる」とコメントするのにとどめた。また、「物価安定の目標」実現のために必要な場合は、「量」「質」「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じることを強調している。
これまで何の検証もせずに金融政策が実施されてきたとは考えにくいことから、総括的な検証により、政策運営の構図が大幅に変化することはなさそうだ。
今回の金融緩和強化は、嫌われる政策を避け、喜ばれる政策を選択したことから、政府主導で政策決定が行われた可能性がある。追加緩和の手段として、「量」「質」「金利」の3つの選択肢が指摘されるなか、国債買い入れ額の拡大は年金基金などの運用難につながり、政策金利のマイナス幅の深掘りは銀行にとって負担増につながる。
これに対してETFの買い入れ増は、一時的にせよ株価の上昇につながることから、批判されにくい。外貨資金調達環境の安定のための措置についても、企業や金融機関のコスト低下につながるため、歓迎されている。
黒田総裁が検証を指示した背景には、適切な金融政策を行うためのツールが必要になったことがあるのではないかと筆者は考えている。政府との関係を重視した政策運営を行うと、嫌われる政策を避け、喜ばれる政策を選択するバイアスが働く。総括的な検証により、3つの次元のなかで適切な政策を示すことが可能になれば、日銀は説明責任を果たせるのと同時に、金融政策の主導権を確保することができる。
検証には、様々な問題が伴いそうだ。政策運営には、ベネフィットとコストが存在し、コストを最小化しながら、ベネフィットを最大化する組み合わせが求められる。ベネフィットについては、「2%の物価安定目標の早期達成」に焦点を絞ることができるが、コストについては、市場の歪み、金融仲介機能への負担、日銀のバランスシート毀損、出口で予想される波乱など、様々な要素があり、それぞれを定量的に比較することは、きわめて困難だ。
今回、黒田総裁が執行部に準備を指示したのは、「物価安定目標をできるだけ早期に実現するために何が必要かを見極めるため」と範囲を限定しているが、中立的な分析により、広範な観点から意見が出るきっかけになることが期待される。
*永井靖敏氏は、大和証券金融市場調査部のチーフエコノミスト。山一証券経済研究所、日本経済研究センター、大和総研、財務省で経済、市場動向を分析。1986年東京大学教養学部卒。2012年10月より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
(編集:麻生祐司)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yasutoshi-nagai-idJPKCN10D2PN
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