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ポケモンGOで証明「キャラの強さ」で任天堂復活か(週刊ダイヤモンド)
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/463.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 01 日 10:12:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ポケモンGOで証明「キャラの強さ」で任天堂復活か
http://diamond.jp/articles/-/97323
2016年8月1日 週刊ダイヤモンド編集部


世界中で熱狂的な大ブームになっているスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」。このアプリの開発・配信元の米企業に一部出資する任天堂の時価総額は、わずか2週間で2兆5000億円押し上げられた。久々の大ヒットは、同社復活の予兆なのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 村井令二)



7月22日から日本でも配信が始まった「ポケモンGO」。アプリ配信とともに、東京都内のポケモン出現スポットには、スマホを片手に画面をのぞき込む人だかりができた Photo by Reiji Murai


「当社の連結業績に与える影響は限定的」。米国、豪州、欧州、南米に続き、日本での配信がスタートした7月22日午後7時すぎ、「ポケモンGO」の配信を待ちわびた国内ユーザーの興奮冷めやらぬ中、任天堂は東京証券取引所の適時開示で、短いコメントを発表した。


 ポケモンGOの米国配信前の7月6日時点で1万4380円だった任天堂の株価は、19日には3万2700円まで上昇し、時価総額は4兆6000億円にまで膨らんだ(下グラフ参照)。日本での配信が始まった22日も前日比220円高で取引を終えたが、週明け25日の取引で一転、急落する。



 背景には、任天堂の「限定」コメントとともに、業績への直接的な利益貢献が一層読みにくくなったことがある。


 ポケモンGOを開発・配信しているのは任天堂ではない。米グーグルから独立した米ベンチャー企業のナイアンティックと、任天堂が32%を出資する持分法適用会社のポケモンが共同開発した。配信と運営はナイアンティックが手掛け、ポケモンは知的財産(IP)のライセンス料と開発運営協力費を徴収する。任天堂は、ポケモンの当期利益の32%を持分法投資利益として計上する構造(下図参照)だ。



 ユーザーからの課金収入のうち約30%は、スマートフォンのプラットホーム使用料として米アップルもしくはグーグルが徴収し、残る70%をナイアンティックとポケモンが分け合うが、その配分は非公表。ポケモンGOの課金収入は「全世界で最低でも月商100億円、年商1200億円は確保できる」(アナリスト)との見方もあるが、その配分が非公表故にアナリストの試算にもばらつきがある。任天堂の経常利益の押し上げ効果は、年間10億円から500億円までとさまざまだ。「1本のゲームソフトがわずか数週間でここまでのブームになる現象は見たことがない」(エース経済研究所の安田秀樹氏)ため、どのアナリストも影響を読み切れていないのが実情だ。


 それでも、ポケモンGOのユーザーが爆発的に拡大しているのは事実だ。スマホ向けアプリのダウンロード数と売り上げは、各国のランキングで軒並みトップを獲得。日本でも、アップルのアプリ配信サービス「アップストア」で、22日の配信開始からわずか5時間余りでダウンロード数トップに躍り出た。米アプリ調査会社のセンサータワーの試算では、全世界のダウンロード数は推定7500万を突破し、60日で1億ダウンロードに達する可能性もあるという。


 ゲーム雑誌「ファミ通」グループの浜村弘一代表は「ポケモンというIPがスマホの世界で大きな力を発揮したということ。今後の任天堂のスマホ向けゲームもIPの力で大きな期待が持てる」と指摘する。


 任天堂が3月に初のスマホ向けゲームとして配信を始めた「Mii tomo(ミートモ)」はヒットと呼ぶまでには至っていない。ただ、これは似顔絵キャラクターを使ったコミュニケーションアプリで、まだ伝家の宝刀を抜いてはいない。同社は、今期中にあと4本のスマホ向けゲームを配信する予定で、うち2本は、「ファイアーエムブレム」と「どうぶつの森」。任天堂のスマホ事業において、いよいよ虎の子のIPが投入される。また、残り2タイトルはまだ発表されていないが、「マリオ」「ドンキーコング」「ゼルダ」といった大型IPが控えており、ヒットが望める材料はそろっている。


 また、任天堂は来年3月に次世代のゲーム機「NX」を発売する予定。現行の据え置き型ゲーム機「WiiU」はソニーの「プレイステーション(PS)4」に圧倒されて窮地に立たされているが、ポケモンGOのヒットで任天堂の存在感があらためて高まっており、NXには一段とユーザーの注目が集まりそうだ。


■故岩田社長が目指したゲーム人口拡大を継承
 強いIPの活用がカギ


「岩田さんと一緒に発表したかった」。2015年9月、ポケモンGOの開発を初めて表明した戦略発表会で、ポケモンの石原恒和社長は、同年7月に死去した任天堂前社長の岩田聡氏が当初からアプリ開発に参画していたことを明かした。


 02年5月に42歳の若さで任天堂社長に就任した岩田氏は「ゲーム人口の拡大」を経営方針として掲げた。据え置き型ゲーム機「Wii」と携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」で、従来のゲームファンにとどまらず、女性や高齢者もゲームの世界に呼び込み、いずれも累計1億台を超える大ヒットにつなげた人物だ。


 スマホ向けゲームでは出遅れた任天堂だが、全世界で1億ダウンロードが射程圏内に入ったポケモンGOの大ヒットは、まさに岩田氏が掲げた方針に合致する。15年9月から君島達己社長が任天堂の経営を引き継いでいるが、岩田氏が敷いた路線が息づいていることが今回のヒットで実証された。


 ナイアンティックの創業メンバーの川島優志氏は、ポケモンGOのヒットについて「予想以上の反響」と驚きを隠さない。同氏によると、ポケモンGOの開発のきっかけは14年4月のエープリルフールのイベントだった。地図アプリにポケモンを配置するというイベントだったが「これを現実世界でできないか」と川島氏に相談を持ち掛けたのが、現在のナイアンティック最高経営責任者のジョン・ハンケ氏。グーグルの地図事業の統括者だったハンケ氏は、翌月には日本でポケモンの石原社長と面会を果たして構想を伝えたところ意気投合。翌6月にカリフォルニア州シリコンバレーのグーグル本社に石原氏を招き、着想から2カ月足らずで任天堂、ポケモン、ナイアンティックの3社共同の態勢を整えたという。


 ナイアンティックはすでに、ポケモンGOの収益源を拡大する準備がある。アプリ内課金だけでなく、スポンサー企業の店舗の集客を促す「スポンサード・ロケーション」と呼ぶBtoB(企業間)事業で、日本マクドナルドホールディングスが第1号。ナイアンティックが13年に配信を開始した位置情報ゲーム「イングレス」では、ローソン、ソフトバンク、三菱東京UFJ銀行など国内外7社と提携している。


 任天堂が7月27日に発表した16年4〜6月期の連結決算は、「WiiU」の販売が半減して22万台にとどまり、売上高は31.3%減の619億円、245億円の当期赤字だった。依然、業績不振から脱し切れていない任天堂だが、ポケモンGOで証明したIPの強さを武器に、復活を果たすことができるか。正念場はこれからだ。


 

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